コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
女子A「わかったんなら、飯塚さんに近付くんじゃないわよ!」
女子Aはマナの髪を握りしめると引っ張りながらそう言った。
女子B「わかった?」
「はい――」
女子Bはマナの耳元で大声をあげて言った。
女子A「だったら、白鳥さんに謝りなさいよ!」
「ごっ、ごめんなさい」
白鳥「五十嵐さん、そんな謝り方じゃ、誠意が全然伝わってこないんだけどなぁ」
「どうすればいいですか?」
白鳥「土下座して謝りなさい!」
「そうしたら、許してもらえますか?」
白鳥「あなた次第よ」
するとマナは地面に正座をすると手をついて頭を下げた。
「すいませんでした。許して下さい」
白鳥「どうしようかなぁ? 全然伝わってこないんだけど」
白鳥先輩はそう言うと、マナの頭をテニスシューズを履いた足で踏みつけていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい!」
マナは床に顔を押し付けられたまま、何度も何度も謝っていた。でも、白鳥先輩は踏みつけている足をどけることはなかった。
「ゆずき、ワリい。あったまきた」
もう限界だった。
「圭太、もう少し我慢しなって。マナだって必死に謝ってる訳だし」
「ごめん、無理だ」
俺はゆずきの言葉を拒絶すると、部室の中に入って行った。
「失礼します」
女子A「おっ、お前、誰だよ! ここは女子テニス部の部室なんだよ。男のお前が入って来るようなところじゃないんだよ!」
「俺は2年の明石圭太です。五十嵐が部室に入って行くのを見たっていう友達がいたので迎えに来ました」
女子B「見ての通り、白鳥さんに土下座してもらってるところよ」
マナに目を向けると、既に頭には白鳥先輩の足はなかった。
「明石くん、久しぶりね」
「白鳥先輩――お久しぶりです」
「この子は友達なの?」
「違います、ただのクラスメイトです。席が隣なので、先生から面倒を見るように言われてるんです。今も先生に五十嵐を職員室に連れて来るように言われたので仕方なく迎えに来ました」
「そう――良かったわ。明石くんが、こんな子と友達じゃなくて。バカが移ったら大変だもんね」
「もちろんです。あの――もしかして、コイツが飯塚先輩にちょっかい出してるって噂、本当だったんですか?」
「えぇ、本当よ。身の程知らずもいいところよね」
「すいませんでした。俺からコイツにはキツく言っとくので、今日はこの辺にしてもらえないですか?」
「そうね、明石くんがそう言うなら今日のところは許してあげようかしら――」
「ありがとうございます。白鳥先輩のお心遣いに感謝します」
「でも、また拓海に近付くようなら、今日以上に痛い目にあわせてあげるから。五十嵐さん、わかったかしら?」
「――――」
マナは 何も言わず黙っていた。その態度に腹を立てたのか、白鳥先輩を見ると、みるみる顔が変わっていくのがわかった。