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キズカナイ【完結済】

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キズカナイ【完結済】

18 - 第1章 妊娠

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2022年02月05日

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「マナ、わかったよな?」

慌ててマナの頭を掴んで、頭を下げさせた。

「まぁ、いいわ。あとは明石くんに任せるわ」

「ありがとうございます」

「それじゃあ、またね」

「はい、失礼します」

そして白鳥先輩たちは俺らを部室に残して出て行った。それと入れ替わりにゆずきが部室の中に入って来た。

「マナ、大丈夫?」

「大丈夫じゃないよ! どうしてもっと早く助けてくれなかったの?」

「ごめん――」

ゆずきは謝りながらマナを起き上がらせてあげていた。

「圭ちゃん、私のこと〝コイツ〟とか〝五十嵐〟って呼んでたけど、どういうつもり? ふざけんなよ!」

「それは、しらとっ――」

「それに、私とはただのクラスメイトって言ってたし――。やっぱり本当はそんな風に思ってたんだ」

マナは冷やかな目で俺を見ていた。

「そんな訳ないだろ!」

「そうだよ、圭太はマナを助けようとして、あんな風にやってくれたんだよ!」

「誰がそんなこと信じると思ってるの! 私は土下座させられた上に、頭をふんづけられたんだから。冗談じゃないよ! お前らいい加減にしろよ!」

マナはゆずきの言葉にも耳を貸すことなく、怒りながら部室を出て行った。

「マナ――」

「とりあえず、この場は乗り切れたから良かったとしよう」

「そうだけど、マナのあの言い方許せないよ! 圭太はマナのために助けてくれたのに――」

「俺のことは気にすんなって! それより、ゆずきはマナの唯一の友達なんだから、これからもよろしく頼む」

俺はゆずきの肩に手をのせて、そう言った。

「わかってるけど――」

部室を出てからしばらくは、ゆずきは一言も話さなかった。何か考え事をしているような顔をしていた。

「どうした?」

「なっ、何が?」

「深刻そうな顔をしてるけど、何かあるのか?」

「そっ、そりゃ私だって悩みの1つや2つくらいはあるでしょ」

「そうだよな、普通あるよな?」

「当然でしょ!」

「俺に出来ることがあるなら言ってくれよな! 力になるからさ」

「あっ、ありがとう。でも、圭太にしてもらうことなんて何もないから――だっ、大丈夫だよ」

「そうか――でも、話したくなったらいつでも相談にのるし、助けるから言ってくれよ」

「相変わらず優しいんだ。でも、私は圭太と友達でいたいから言わないよ」

「何だよそれ。訳わかんねえ」

「いいよ、訳わかんなくて。そっ、それより、白鳥先輩とはどういう関係? お互い知った顔だったみたいだけど――」

「親同士の知り合いなんだ。それで以前から親しくしてもらってる。それだけだ」

「そっか、良かった」

「何が良かったんだ?」

「べっ、別に変な意味じゃないから! 私が言いたいのは、圭太が白鳥先輩と顔見知りだったおかげで、マナを無事に取り返せたってこと――」

「今回は無事で済んだけど、また飯塚にちょっかいを出すようなことがあったら、何をされるかわかったもんじゃない。でもマナのことだ、きっとあの男に会いに行くに決まってる」

「先生に相談した方がいいんじゃないの?」

「ダメだ。白鳥先輩の親も、マナの父親と同様に力を持ってる。学校に相談しても、もみ消されるのがおちだ」

「だったらどうしたらいいの?」

「学校が終わったら、もう1度説得してみる」

「私も一緒に行くよ」

「ゆずきは止めといた方がいい。嫌われるのは俺一人で十分だ。ゆずきは、これからもマナの味方でいてやってくれ」

「――――」

キズカナイ【完結済】

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