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『浮き輪』
「もしもし?夏休みの暇な日に海行かねぇ?」
友達からの電話があり、海に行くことになった。
海に着くと、人がたくさんいた。
それもそのはず。今日は天気も良く、海で泳ぐにはちょうど良い日だ。
さっそく水着に着替え、海に入った。
冷たくて、とても気持ちいい。
数時間後、帰宅の準備をしているときだった。
少し先の方で人だかりができていた。
そこへ行ってみると、若い女性がしぼんだ浮き輪を付けて倒れていた。
近くにいた人に聞いてみると、
彼女は泳げないため浮き輪を付けて遊んでいたらしく、急に彼女がもがき始め、友達が駆け寄り砂浜まで運んだが、すでに息を引き取っていたらしい。
不幸な事故だろう。
しかし、その人は説明が終わった後に奇妙なことを口にした。
「でもな。なんで浮き輪がしぼんでいるんだ?」
「え?それは砂浜に彼女を寝かすために空気を抜いたんじゃ…?」
「いや、寝かせる前から浮き輪はしぼんでたんだよ」
浮き輪をよく見ると、穴が空いている。
海でただ遊んでいただけで穴なんて空くのか…?
しかも、なんだあの穴の形…?
まるで何かで切ったかのような…
解説 下にスクロール
解説
彼女の浮き輪には穴が空いていた。しかしその穴は何かで切ったかのような形をしていた。もしかしたら誰かが浮き輪に穴を開けたのかもしれない。つまり、不幸な事故ではなく殺人事件の可能性がある。
泳げない人にとって浮き輪は命綱のような物。
それは絶対に奪ってはいけない。