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家に帰るとパパが出てきた。おかえり。そういうなり急に抱きしめ背中のブラのホックの辺りを右手で擦ってきた。左手は腰を。
ああ最悪だ。今日は機嫌がいいのか。機嫌が悪くなるのも嫌だからこのままにしておくか。
吐き気を抑え、笑顔で、
「今日の夕飯何ー?お腹空いたー」
「着替えてこなくっちゃ」
そう言って階段を駆け上がった。
今日は夕飯がよそってあった。流石にパパの前ではお姉ちゃんと妹も私のだけ用意しない訳にはいかないらしい。
夕飯を食べてると、急にママが
「ねえ、優ちゃん、成績はどうなの?」
なんて言い出した。
「中間試験もまだだよ。ミニテストは前回見せた通り。」
いつもの笑顔で私は言った。
「優ちゃんは稼げる仕事に就くんだものね。勉強はできなきゃ。
優ちゃんは勉強しなくてもできちゃうものね。高校生になったら理系に進むでしょ?」
私はそんなこと言って無い。
勉強だって何時間も勉強して、頑張ってきた。勉強しなきゃ怒るのに、しても認めては貰えないのか。
相変わらず。
「うん。そうだね。」
「じゃあやっぱり成績が良くなきゃいけないじゃない。どうなの。」
またその話に戻るのか。
さっきも言ったとは言えないからな、どう答えたら機嫌損ねないかな、
「おい無視してんじゃねえよ。」
あー、パパが口を挟んでくるか、
「ごめんごめん。無視した訳じゃなくて、さっきも言った通り、中間試験もまだだし、前回以来ミニテストもないから成績どう答えようかと思って。」
「だったらそう言うべきだろ?なんで無視するんだよ。」
「はーい。ごめんなさい。」
へらへらと笑って答えた。
それからは黙々と味のしない塊を飲み込むように食べた。
ほんと、美味しくないな。
「そういえばね、デザートあるのよ。お姉ちゃんが作ってくれたケーキが。」
ママの機嫌は戻ったみたいだ。
「おー。それは楽しみだ。」
「まじよくできたから楽しみにしててー。」
私も何か言っておくか。
「へー。楽しみだなー。私お姉ちゃんの作るケーキ大好き。」
「あんたも食べんの。あんたのこと人数に数え忘れてたからないや。」
お姉ちゃんは本当にびっくりしたかのように言った。
そうだよね。そんなことかと思った。
「あらそうなの?じゃあ優ちゃんはバナナでも食べてて。」
「いや、お腹いっぱいだからいいや。ご馳走様ー。」
ママとの会話を終え逃げるように二階に行こうとすると、
「優香、風呂沸かしてさっさと入っちゃって。」
お姉ちゃんに言われてしまったから、私は返事をする。
「はーい。」
今日はよもぎ風呂なんだな。私は言われた通りさっさと入ってお姉ちゃんと交代した。