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ラベルだけでできた関係。最初は、声も震えて、視線も落としていた。
でも、彼はそんなことお構いなしに、まるで粘土をこねるみたいに、彼女を自分の手の中に混ぜ込んだ。
遠慮も、加減もなかった。
それが、「愛」だと信じた。
自分を失くすことが、誰かに必要とされることだと思った。
けれど、だんだんと傷がついて、だんだんと色が変わっていった。
形を変えるたびに、自分じゃない何かになっていった。
最後に残ったのは、名前のない破片だけだった。