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ゆ め ⑅
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り お .
140
#星のつぶ
星空きらら
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第四話
消えてしまった記憶
──────────
ya「 … もし忘れても 、 嫌いにならないでね 」
yaは写真の裏に書かれた文字を見つめていた 。
何度読んでも意味がわからない 。
いや 、
本当は 、 少しだけわかっている気がした 。
この写真を見つけたのは数日前のことだった 。
部屋の片づけをしていたとき 、
引き出しの奥から出てきた 。
写真の中には 、 楽しそうに笑う自分と
jpが写っていた 。
二人とも今より少し幼く見える 。
まるで 、 ずっと前から一緒にいたみたいに 。
けれど 、 yaにはそのときの記憶がなかった 。
写真を見ても何も思い出せなかった 。
ただ 、 胸の奥がひどく痛くなった 。
どうしてなのかはわからない 。
それが怖かった 。
ya「 … jp 」
気づけば名前を呼んでいた 。
写真の中のjpは 、 今と同じように笑っている 。
でもその笑顔を見るたびに申し訳ない気持ちになる 。
自分は 、 何か大切なことを忘れてしまった 。
それだけはわかる気がした 。
そしてその何かは 、
きっと 、 jpにとっても大切なものだった 。
──────────
翌日 。
yaはjpに連絡をした 。
ya『 今日 、 会える ? 』
送信してから何度もスマホを確認した 。
少しして 、 返信が届く 。
jp『 会えるよ ! どうしたの ? 』
yaはしばらく画面を見つめていた 。
何と答えればいいのだろう 。
本当のことを話したら 、 jpは悲しむかもしれない 。
でも 、 もう知らないふりを続けるのは嫌だった 。
ya『 ちょっと話したいことがあるんだ 』
そう送るとjpからすぐに返事が来た 。
jp『 わかった !』
その短い言葉が 、 なぜか胸に刺さった 。
jpはいつも優しかった 。
自分が何も覚えていなくても責めなかった 。
何度同じことを聞いても 、 昔の話をしてくれた 。
そんなjpに 、 自分は何も返せていない 。
ya「 … ちゃんと話さなきゃ 」
yaはスマホを握りしめた 。
今度こそ 、
自分が忘れてしまったものと向き合うために 。
──────────
待ち合わせ場所に着くと 、 jpはすでに来ていた 。
jp「 あ 、 ya ! 」
いつもの笑顔 。
それを見た瞬間 、 yaは少しだけ安心した 。
ya「 ごめん 、 待った ? 」
jp「 ううん ! 全然 ! 」
jpは笑った 。
jp「 それで 、 話したいことって ? 」
yaはすぐには答えられなかった 。
何から話せばいいのかわからなかった 。
けれど 、 ここで黙ってしまったらまた何も言えなくなる
ya「 … jp 」
jp「 うん ? 」
ya「 俺 、 ずっと隠してたことがあるんだ 」
jpの表情が少しだけ変わった 。
jp「 … 隠していたこと ? 」
yaは頷いた 。
ya「 俺ね 、 jpとの思い出を忘れちゃったこと 」
ya「 ずっと気にしてたんだ 」
jp「 … うん 」
ya「 jpが話してくれることはちゃんと聞いてた 」
ya「 でも 、 どれだけ聞いても何も思い出せなくて 」
声が少し震えた 。
ya「 写真を見ても 、 昔の話を聞いても 」
ya「 俺だけが知らないことばかりで 」
yaは俯いた 。
ya「 … 怖かったんだ 」
jpは黙って聞いていた 。
ya「 jpは俺のことをいっぱい覚えてるのに 」
ya「 俺はjpのことを何も覚えてない 」
目の奥が熱くなる 。
ya「 … そんな自分が嫌だった 」
jp「 … yaくん 」
ya「 … ごめんね 」
yaは涙をこらえながら笑った 。
ya「 俺ずっとjpに謝りたかった 」
jpは首を横に振った 。
jp「 … 謝らなくていいよ 」
ya「 でも … ! 」
jp「 yaは悪くないから 」
優しい声だった 。
いつもと同じ声 。
その優しさがyaの胸を締め付けた 。
ya「 … なんで 、 そんなに優しいの ? 」
思わずそう聞いていた 。
jpは少し驚いたあと 、 困ったように笑った 。
jp「 … だって 、 yaだから 」
その言葉にyaは何も言えなくなった 。
自分はこんなにも大切にされている 。
それなのに 、
その理由さえ思い出せない 。
──────────
ya「 … あのさ 」
yaは鞄から一枚の写真を取り出した 。
ya「 これ 、 見てほしいんだ 」
jpの目が大きく開かれた 。
それは 、 二人で指切りしている写真だった 。
jp「 … これ 」
ya「 俺の部屋にあったんだ 」
yaは写真の裏を見せた 。
『 もし忘れても 、 嫌いにならないでね 』
jpは息を飲んだ 。
その文字には見覚えがあった 。
二人でふざけながら書いたもの 。
─────
写真を撮った日 、 yaが何度も同じことを言っていた 。
ya「 もし俺がjpのこと忘れちゃたらどうする ? 」
冗談みたいな口調だった 。
jpは笑って答えた 。
jp「 そんなの何回でも思い出させてあげるよ ! 」
ya「 ほんと ? 」
jp「 ほんと ! 」
ya「 じゃあ 、 もし思い出せなくても ? 」
jp「 うん ! 」
ya「 もし 、 俺がjpのこと嫌いになっちゃっても ? 」
その質問だけはなぜかよく覚えていた 。
jpは少しだけ考えてから答えた 。
jp「 … それでも俺はyaのこと好きだよ 」
yaは笑った 。
そして 、 写真の裏に文字を書いた 。
『 もし忘れても 、 嫌いにならないでね 』
─────
あの日の約束 。
jpはずっと覚えていた 。
けれど 、
ya「 … これ 、 俺が書いたの ? 」
yaの声でjpは我に返った 。
jp「 … うん 」
ya「 … そっか 」
yaは写真を見つめた 。
ya「 俺 、 jpに忘れられるのが怖かったのかな 」
jpは何も言えなかった 。
ya「 … でも 、 逆になっちゃったね 」
yaは寂しそうに笑った 。
ya「 忘れちゃったの俺のほうだった 」
その瞬間jpは首を横に振った 。
jp「 … 違うよ 」
ya「 え ? 」
j p「 yaくんが忘れたくて忘れたわけじゃないでしょ 」
jpはyaを見つめた 。
jp「 … だから自分を責めないで 」
yaの目から涙がこぼれた 。
ya「 … jp 」
jp「 うん 」
ya「 … 俺 、 思い出したい 」
震える声だった 。
ya「 jpとのこと 、 全部思い出したいよ … 」
jpはそっと頷いた 。
jp「 … うん 」
本当は今すぐ思い出してほしかった 。
もう一度あの頃みたいに戻りたかった 。
けれど 、 yaが苦しむ姿は見たくなかった 。
だからjpは言った 。
jp「 … ゆっくりでいいよ 」
そして 、 いつものように笑った 。
jp「 俺 、 何回でも話すから 」
yaは涙を拭いた 。
ya「 … ありがとう 」
二人はしばらく黙っていた 。
昔の約束を二人で見つめながら 。
──────────
その日の帰り道 。
yaはjpと並んで歩いていた 。
ya「 … ねぇ 、 jp 」
jp「 ん ? 」
ya「 俺たちこれからも一緒にいていい ? 」
jpの足が止まった 。
jp「 … え ? 」
yaは少しだけ不安そうに笑った 。
ya「 俺 、 まだ何も思い出せてないけど … 」
jp「 … うん 」
ya「 それでもjpと一緒にいたいんだ 」
その言葉を聞いた瞬間 、 jpの胸がいっぱいになった 。
嬉しかった 。
本当に嬉しかった 。
ずっと欲しかった言葉 。
jp「 … もちろんだよ 」
jpは笑った 。
jp「 一緒にいよう 」
yaも笑った 。
ya「 … うん ! 」
その笑顔を見てjpは思った 。
今度こそ 、 もう一度二人で約束しよう 。
今度は忘れられないように 。
そうすればきっと大丈夫 。
そう思いたかった 。
けれど 。
──────────
その夜 。
yaは一人で写真を見つめていた 。
jpと一緒にいたい 。
その気持ちに嘘はなかった 。
けれど 、 心の奥にはまだ何かが引っかかっていた 。
『 もし忘れても 、 嫌いにならないでね 』
どうして 、 こんな言葉を書いたのだろう 。
どうして 、 自分は忘れることを怖がっていたのだろう 。
考えれば考えるほど胸が苦しくなった 。
ya「 … 俺 、 何を忘れたの ? 」
答えは出なかった 。
ただ一つだけ 、 どうしても気になることがあった 。
写真を撮った日 。
自分は 、 本当は何を伝えたかったのだろう 。
そして 。
jpはどうしてあんなに悲しそうな顔をしていたのだろう 。
yaは写真を胸に抱いた 。
ya「 … 思い出したいよ 」
涙が静かに頬を伝った 。
ya「 … jpとの約束忘れたくなかった 」
その言葉を口にした瞬間 、 頭の奥で何かが揺れた 。
─────
誰かの声 。
懐かしい笑い声 。
そして 、 聞き覚えのある言葉 。
『 ずっと一緒にいようね 』
─────
ya「 … っ ! 」
yaは思わず顔を上げた 。
今のは何だったのだろう 。
確かに聞こえた 。
誰かが自分にそう言った 。
その声は 、
ya「 … j 、 p … ?」
名前を呼んだ瞬間 、 胸が痛くなった 。
けれど 、 それ以上は何も思い出せなかった 。
yaは震える手でスマホを持った 。
jpに連絡しよう 。
そう思った 。
でも 、 何を伝えればいいのかわからない 。
今の感覚を話したところで 、
困らせてしまうだけかもしれない 。
yaはしばらく画面を見つめたあと 、 スマホを置いた 。
そしてもう一度 、 写真を見つめた 。
ya「 … もう少しだけ待っててね 」
誰に向けた言葉なのか自分でもわからなかった 。
ただ 、 そう言わずにはいられなかった 。
──────────
第四話
完
NEXT
最終話 ― もう一度約束を