望の独り言

麗は怒ると、『む～っ！』って不満そうな顔をして睨み付けてきたりするけど、体を押してきたりはするけど、叩いたりはしないんだ。

「それって結局、叩いて相手に言うことを聞かせるってやり方を知らないからだよね。私も望もそういうやり方を教えてこなかったしさ」

叔母さんの言うとおりだと思った。部屋の中には、彼女が触ったら危ないものとかは全部、彼女の手の届かないところに片付けたし、危ないからって叩いたりとかしてやめさせなきゃいけないようにはしなかった。

まあちょっと不便だったけど、そういうのを我慢するのは大事だよね。親がちゃんと我慢するところを見せてなきゃ、子供だって我慢を覚えないって思うし。

私がそうだったんだよ。両親がホント我慢を知らない人らだったから。