テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
迷彩服を纏ったその人は────門を潜り抜けるや否や、真っ先に私を見つけて。
「菊!」
私の名前を呼んで、真っ先に駆け寄って来た。
最後に見た時よりも、もっと格好良く、逞しく、成長したその人。屈強な腕を拡げて、忽ち私の身体を抱き締めた。
「ただいまなんだぜ!1年6ヶ月、頑張ったんだぜ!」
いつもの笑顔が、其処にある。明るく眩しいそれが、 私だけに向けられている。
刹那────溢れ出る、涙。
「お帰りなさい、ヨンスさん…………っっ」
そう言って、私は彼の胸元で嗚咽した。
貴方が、帰って来てくれた。
元気に、帰って来てくれた。
嗚呼、嗚呼────嬉しいこと、この上ない。
「寂しかったよな、菊」
「っ…………はい」
「これからまた、一緒なんだぜ。サランハンダ」
私の額に落とされる、甘く優しい口付け。 再び私に注がれる、貴方からの深い愛情。
サランヘヨ……これからもずっと、貴方と共に。