sh.side
朝、幼なじみのなかむと一緒に学校へと向かう。そんな道すがらにもチラりとお店を覗けば、店内は一面ピンクでチョコ特有の甘い匂いが街まで溢れる。
sh「…ねー、もしかしてバレンタイン近い?」
俺がふとそんな事を聞くと少し驚いたようになかむが返す。
nk「近いも何も…..、今日がそのバレンタインだよ」
あー、だからか。なんて納得して軽く頭を振ると続けてなかむが言った。
nk「…..ね、しゃけ。あんまりいっぱいチョコ貰ってこないでね、?」
「俺あんまり好きじゃないし」
正直なかむがチョコを好きでも嫌いでも俺に「貰うな」なんて言う義理はない、けれど。
sh「おっけ」
長年一緒に居ると情が湧くからなのかは分からないけど、それでもこれから先もきっと隣に居てくれる幼なじみとして、関係が悪くなるようなことはしたくないから。
肯定の言葉を一言送るとにこりと笑うなかむが居た。
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放課後、なかむが俺の教室まで来て一緒に帰ろうと声を掛けてくれる。
sh「今行くから待ってて!」
帰り支度が済んでいなかった俺は慌てて支度を終わらせて、なかむの元に向かう。
帰り道は特別変わった事もなく他愛ない話をして歩いた。けど多分、俺が左手に持っているこの紙袋には気付いている、と思う。
nk「今日さ、家来ない?夕飯しゃけが好きなやつだから一緒に食べよーよ」
今までにもなかむの家の夕飯を食べることは何回かあった。
sh「行く」
「なかむさえ良ければこのまま真っ直ぐ行こ」
いくら家が近くても一度帰ってからは手間になる気がして。そう提案すると、案の定「いいよ」と返ってきた。
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nk.side
今までにもしゃけが家に来たことは何回かあった。けど、今は状況が違う。
nk(手に持ってたの、絶対チョコじゃん)
貰うな、って言ったのに。なんて、実際には口にしたりしないけど。
それでもやっぱり確認は必要だろうと言うことで、しゃけに質問をする。
nk「…ねぇ、これ貰ったチョコ?」
思っていたより含みのありそうな聞き方になった事に自分でも少し驚く。
sh「…….うん、きんときから。」
「みんな手作りだったらしいんだけど、きんとき市販って言ってたしいいかな…って、、」
なんて言い訳を聞き流す。
…..しゃけはきんときが好きで、きんときもしゃけに好意を抱いてる……
これは最近知ったことではなかった。…しゃけも、もう少し上手い言い訳出来ないのかな。なんて、そういう所が可愛いんだけど。
nk「ふーん…?」
「まぁ、市販なら変に甘すぎたりする事も無さそうだけど」
きんときかぁ……。ライバルには丁度良いかもしれない。…いや、抜け駆けしようとしてる時点で俺の方が勝負に勝って試合に負けた、って感じかな
俺がしようとしてる行為をしゃけが受け入れてくれればいいんだけど。
nk「…ね、しゃけ」
呼びかけて振り向いたしゃけの口にチョコを放り込む。
nk「美味しい?」
何も知らなそうなしゃけだから美味しいって返すんだろうな。
そんな事を考えて、嫌になって返事を聞く前に深いキスをする。
しゃけの口からチョコを奪って、また送りつける。お互いの口内を行き来するチョコは既にドロドロで
sh「っん、!…ふ、ぁ…、!」
しゃけの苦しそうな声が聞こえて、そこで口を離す。
sh「…..なに、すんの…」
その言葉の割に良さそうにしてたからセーフかな?なんて、声に出したらそれこそ怒られそうだけど。
nk「ん〜?」
「…甘くて美味しいね」
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バレンタインですね…僕もチョコはあんまり好きじゃない方です😇
shさんにとってはきっとすっごいビターチョコ
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