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中日
「……もう、何も言わないアルか?」
中国の声は低く、囁くたびに日本の耳奥が震えた
襟は完全に崩れ、白い肌が月明かりにさらされている
熱を帯びた吐息が胸元にかかり、そこに舌が這った
「……っ、ん…や、っ……そこ……っ」
浅く息を切らす日本の声は、まるで花びらが濡れていくように甘く滲んでいた
中国の指先が、腹部をなぞりながらゆっくりと下へ滑る
布越しに感じるその指は、遠回しに“欲しいもの”を探っているようだった
「……まだ濡れてないアル」
「なのに、熱はもうここまで来てるアルね」
言葉と同時に、触れる圧が強くなる
日本の腰が、思わず逃げるように揺れた
「だめ、っ……そんなふうに……撫でないで…っ」
「だめ、でも嫌じゃないアルね」
強引なのに、指先はやさしく
暴力じゃないのが、いちばん卑怯だった
くちづけは、鎖骨の下へ
吸い上げるたび、赤い痕が増えていく
それはまるで、「俺のものだ」と宣言するかのような、静かな支配の痕跡
「声……我慢する必要ないアルよ」
「君がどんなふうに乱れるか、俺は全部、聞きたいアル」
指が布の端をたぐる
そのすぐ向こうにある場所を、ゆっくりと探るように、優しく押し当てた
「……ひあっ……ぁ、っ……!」
全身が跳ねた
まるで、心臓ごと揺さぶられたかのように
布越しの刺激すら、もう限界だった
触れられるたび、熱が奥へ奥へと落ちていく
「君はほんとうに、綺麗アル」
「こんなに感じて、こんなに震えて……それでも、拒まないアルね」
「……ちが……う……ちがうのに……っ」
「違う? なら、証明してみるアル」
「身体じゃなくて、心の言葉で――俺を、拒んでみるアルよ」
けれど日本の唇は、もう言葉を紡げなかった
押し寄せる波のような快楽に、ただ小さく喘ぎ、目を潤ませるだけだった
その姿を見て、中国は満足げに微笑む
「……やっぱり君は、夜の中で咲くのが似合うアル」
「次は…中まで、咲かせてみせるアルよ」
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