テラーノベル
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#イラスト
るめ
1,922
スイレン🩵🪽 不定期浮上
109
#アモアス役職
シノーペ🪐🌠💜
1,031
「…」
「どうしてそんなこと隠してたの!??」
「子供に与えたってのに!!」
レイラーは、素顔を隠し街を歩いていた。
「あ、ぁあ、ごめん、ごめんなさい」
「ママ…?」
「世界一大切な子なのに…っ…!!」
(…ごめんなさい。)
(…ごめんなさい。)
_民衆の叫び、怒号、泣き声。
それが酷く耳に刺さる。
「ざっけんなよクソ…!!」
「イロニア財閥なんてクソだ!!ある方の詳細すらも明かさないクソ!!」
「ある方って誰なの…?イデアリスじゃないの…?」
___
未だ思う。
あの日から1週間だろうか、だが世界に広がる苦しみはおさまることを知らない。
未だ思う。
あれは間違いだったのではないか?
_あの日、あの時何も言わなかったら_もっと幸せだったのではないか?
_リィン・システムは社会の根幹だ、根幹だった。
呪われていたのだ、持つ者も、持たざる者も。
_持つものは永遠に呪われた。
_持たざる者は恐怖に呪われた。
(…分からない。 )
探求は第一だったのではないのか?
…誰かに囁かれているみたいに、そんな答えのない 自問が投げかけられる。
だが答えられない、答えても変わらないことを知っているから。
「…」
研究が、あの日から手につかなくなった。
全て投げ出した、布団に籠って泣いていた。
「…っう、うぅ……わたし、わたしは… 」
八幡宮とは対照的に、レイラーには理性というものが残っていた。
「…わたし…」
「八幡宮さんの理想も…ウパパロンさんの理想も…理解できる…」
「…でも、でも、どっちかを選ばないといけないの?」
「ウパパロン様は死を無くそうとしてくれる、理想家かもしれない…けれど裏では苦しみを幾度となく味わって、知ってて… 」
「八幡宮さんは、自のタヒに対して無頓智すぎるけど…リィン・システムの構造すら理解しようと、そうやって命を惜しまない姿勢は、本当に格好よくて…」
「私も…共感できて仕方ないし……!」
「あぁ、ぁあ…」
レイラーは言わば板挟みのようなものであった。
「…民衆はリィン・システムの真実に絶望して…イデアリスを恨む人まで現れ始めたし…」
思想の三つ巴は、確実にレイラーを潰しにかかり、隕石でも身体に乗ったのではないか?と錯覚するほどの重圧と疲弊を贈った。
混乱、悲鳴、絶望
泣き声、叫び声、懇願する声
「ぁあぁぁぁあぁあああぁ……っ!」
全部頭の中にごびりついて吐き気を催す
「…はっ、はぁ、はっ…だれか…」
「…でも今は誰とも…」
まるで意識にノイズが干渉してくるかのようだ、考えの全てがぐちゃぐちゃなグリッチ、色収差となる。
「ぁあぁぁぁっ!!!ぁああああぁああぁああっ!!!!」
これは拷問だ、これはアイアン・メイデンだ、誰か助けてくれ
懇願しても、頭の中でグリッチとなる
「っぅ、だずげで!!!だずげで…!いゃ、いやぁ… 」
レイラーは大泣きした。
布団で息を殺した。
どうすればいいのか分からなかった。
もう、どこに行くのが正解かすら_わからなかった。
もうここにいるのが正解なのか?どこに行けばいい?外か?中か?病院か?
「…ぁ、ああ、あぁ、」
「たすけて、たすけてたすけて…」
神に懇願した、助けて欲しかった、逃げ道が欲しかった。
「…っう、で、でも、でも、ダメだ…」
それはアイデンティティの否定だ。
それは生き方の否定だ。
「…」
部屋の扉の鍵は完全に閉めている。
_誰にも邪魔して欲しくなかったからだ。
そして布団から出ようともしなかった。
_研究室の器具を見るだけで、今の自分の醜さを自覚し、吐いてしまいそうだからだ。
「……」
レイラーの目に光は宿っていなかった。
_無理もない、彼女は永遠を生きていかなくてはならないくせ_全てを失ったようなものだからだ。
「…」
「…しにたいよ…」
レイラーの、震えながらの独白。
大粒の涙を流しながら吐き出されるそれは、
タヒを恐れるレイラーの_初めての言葉だった。
___
「…p,cl…ですか。」
めめは、古書に目を向けながら呟いた。
「…自在に性質を変えられる物質なんですよね。」
白リボンのメイドもめめの近くに座り、真剣そうな顔をしていた。
「…めめ様は、怖くないんですか?」
「どうしてでしょう?」
白リボンの問いかけに対し、緊張させないようまずは優しく聞いてみた。
「他の人はきっとみんな傷ついていると思うんです…。」
「それなのにめめ様は…いくらリィン・システム否定派とはいえ…」
「…私、分からないんです。」
「今でこそ呪いと暴かれたものですけど、どうして当初から否定していたんです?」
白リボンの問いに対し、とても言いづらそうにしためめは言う。
「…ごめんなさい、それは貴女にも…というか、誰にも言えないんです。」
いつもはこういった問に答えてくれるめめがはぐらかしたことに少し驚く。
「…そうなんですね…。」
「正直気になるところですが、めめ様の意志を尊重します。」
めめは再度優しそうに笑った。
「ふふ、ありがとうございます。」
「…その時が来たらですが…もしかしたら話せるかもしれませんね。」
そう言うめめは、どこか遠くを見つめているようであった。
_どこまでも他人事のめめに、どこか恐ろしさを感じてしまった。
(あの人は…何者、なんでしょうか…?)
___
コメント
1件
うわ…第45話、めっちゃ重かったね…🥀 レイラーが布団の中で泣き叫ぶシーン、本当に胸が締め付けられたよ。 「しにたいよ」って、永遠を生きる彼女が初めて口にした言葉なんだよね…それだけ追い詰められてるのが痛いほど伝わってきた。 めめのシーンも、あの他人事のような冷たさが逆に不気味で…彼女は何を知ってるんだろう? この世界の「三つ巴」の思想、誰も正解が分からないもどかしさがすごくリアルだった。 作者さん、ここまで丁寧に描けるの本当に尊敬します…🤍