〜注意事項〜
・この作品は第1次wrwrd様(rpさん、niさん無)の二次創作です。
・本人様とは関係ありません。
・検索避けに協力してください。
・タヒネタ、流血表現、次回以降は嫌われ要素が含まれます。
*
蝶々の羽を1枚1枚ちぎってみよう。
罪悪感など感じない。
同情など感じない。
そしていつか、羽根無し蝶々に成り果てる。
蝶々はその場で動き続けるだろう。
そこでようやく罪悪感などを感じる。
同情などを感じる。
蝶々が俺の手の平に来なければ良かった。
行動故、こうなってしまった。
*
昔から続いていた平和な毎日。
平和とは言えないかもしれないが、仲間が自分の周りで笑っている毎日だ。
なんと素晴らしい。
ciは車の窓を全開に、風とぶつかっていた。
目をつぶっていると、横から手が伸びてくる。
手はするり、と耳を撫でた。
「osさん。くすぐったいよ。」
「んふふ。なにしてんのかなって思って。」
風が心地よくって。
そう言えばosは嬉しそうに笑っていた。
外交先に着き、車を降りる。
来た先のa国。
大臣はciを見ると微笑んだ。
「髪の毛が飛び跳ねていますよ。今日は風が強いですね。」
「あっ!すみません、」
「んふふ。ではこちらへ。」
大臣は扉を開けて部屋へと案内した。
ふかふかのソファに腰をかける。
osはちょいちょい、とciの飛び跳ねた髪の毛を直した。
「ん。風の感想は?」
「んーまあまあやね!!」
あはは、と顔を見合せた笑ったあの日。
*
「ciー!!」
「あ!htさん!!emさん!!」
中庭で、手を振る二人に駆け寄る。
htのマスクの裏には、隠し切れないほどの傷があるのも、emのメガネの裏には、機能し切っていない眼球の傷があるのも、ciは知っていた。
でも、気にせず笑い合う2人を見れば、そんなのも忘れてしまう。
過去の傷は引きずってしまうもの。
でも、仲間がいればそれは覆いかぶさって気にしなくても良くなる。
「なにしてるんですか!」
「みてみて。うさぎの子がいたの。」
「わー…ちっちゃい、」
「毛の色がこれまた面白いなあ、これは何色なの?親とは少し濃さが違うと思うんやけど。」
emがふむふむ、と顎を触りながら見ている。
「うーん…朝食べたシチューとパン混ぜた色!」
「なんじゃそりゃ。あはは。」
「だって本当やん!」
うさぎを撫でながら笑い合う。
「そういえば、明日から遠国に素材集め行くんすか。」
「うん、熱帯って聞いた。暑いんかなー。」
「どうだろ。雪国行きたかったな、俺。」
「なんかあるんすか??雪国は。」
未知の世界を教え合ったあの日。
*
「ci、やっほ。」
「shp!やっほー。」
「あれ?いつもの上着は?」
紫色が目立つ上着を着ずに、薄灰色のペラペラの長袖を着たshpを見る。
shpは眉間に皺を寄せて言った。
「昨日の夜酔っ払ったshoさんと部長が吐いて。それが付きよってん。」
「あ、あー…はは。」
「クリーニング出したわ。勿論2人の金で。」
クスクス、と笑っていると前に猫背が見えた。
utだ!相変わらずの猫背に2人で飛びついた。
「ぎょへ"っ!!!!!!」
「ちっすut兄さん!!!」
「ut兄さん!!どこ行くの!」
横に寝転がったのをいい事に、ciとshpはutの上に座った。
「あああ重いんじゃぁ!!!どけどけえ!!」
わあわあと暴れだし、3人して床に寝転がる。
「…えー、なにこれ。お、起こす?」
「ふふ、ダーーイブ!!!!」
「ちょ、zmさん!?」
「「「ぶへッ!!!!????」」」
ふざけ合って負傷したあの日。
*
「tn。体調はどうなん。」
「…あー、ciか。うん。平気や。」
「…大変やね、その、後遺症。」
「気にすんな。」
軍学校の頃、不明の病にかかったtn。
治ったが、免疫力が弱くなり、すぐ体調を崩してしまうようになった。
ciはtnと同郷であり、その落ち込み様を1番近くで、1番長く見てきた。
「なあ、grさんはどうしとる?ああ、あと。rb達も。」
「grなら多分スイーツ。snと一緒に食堂に向かってたで。」
「…あの人はほんまに。」
tnは、額に手をベシ!と当ててため息を着く。
「rbは、shoとknといるらしい。shpくんが言うにはクリーニング屋やけど、多分寄り道でもしてるんちゃう?」
「ほぉか。あ、じゃあ今情報管理室だれもおらんのちゃうか。」
「うん。ut兄さんはzm達と遊んでるし。俺行ってこよか?」
「…任せられるか?ut呼んでもええけど。」
「大丈夫!行ってくるわ!!」
手を振り、元気よく部屋を飛び出す。
信頼されていると自信を持てたあの日。
*
そう、油断していたあの日。
ジリジリジリ!!と鳴り響く警報音に視界が覚醒していく。
「え!?なに!?」
慌てて起き上がると後頭部が傷んだ。
触れば、濡れている感触。
血が出ている。
確か、情報管理室に着いた時。
「そ、そうや、後ろから殴られて!」
バッ!と起き上がり急いで監視カメラの映像を確認しようと試みる。
「…なんやこれ。砂嵐、?」
監視カメラは完全に壊されていた。
息が上がる。
嫌な予感が溜まっていく。
その時、廊下から大きな声がした。
「ciー!!!!返事せえ!どこや!!!!!」
「…ッ、はっ、shp、shp!!!!」
情報管理室を飛び出し、廊下に倒れる。
shpは割れたヘルメットを投げ捨てて、ciの手を掴んだ。
「立て!急げ!」
「ま、まっ…て!」
そのまま、引っ張られて走る。
「ッ、は、ぁ、」
「ci、街の端のいつもの焼肉屋の隣に避難所があるから!そこに走れ!!」
「shpは、!?shpも行くやんな、?」
「…knさん達が捕まってるんや。俺は今からそっちに行く。」
「じゃあおれも!おれだって、、!」
「怪我しとるやん!早く避難所に向かって!osさん達がおるから!!」
ドン!と背中を押される。
shpは手も振らずに走って行ってしまった。
泣きそうになるのを堪えて走る。
「あれ…、emさんたちや、!」
向かう途中、ヘリに乗ったemとzmを見つけた。
手を振ろうとして、我慢する。
邪魔する訳にはいかない。
そうして、また走り出す。
そうだ。後で合流すればいい話ー
「へっ、?うわあ!!!」
屋根の下に走る。
突然大きな音がして、バラバラと塊が落ちてきたのだ。
ああ、こわい。何が起きてるんだよ。
「…よし、あと少しだ、」
そうして屋根の下を出る。
ちら、と空を見上げると、そこにヘリはいなかった。
その変わり、見慣れたメガネが真っ赤に染って地面に落ちてきた。
全身に重りが乗ったような気分だ。
呼吸の仕方を忘れ、その場に蹲る。
嘘だ、嘘だろうってば。
「ci!!こっち!!!!」
ちら、と歪む視界の中でosが映る。
手を伸ばすと、osは嬉しそうに笑って、手を握ってくれた。
「よし、いい子だ。あと少し歩ける?」
「は、はい…。」
「…。ああ。そっか。」
osはemのメガネに気がつくと、静かに震えた。
それから、手を握り直し歩き出す。
「…みんな、いるんですか、」
「grがいるよ。」
「…、gr、だけ、?」
osは静かに前を向いたまま頷いた。
ぐる、と胃が気持ち悪くなり吐きそうだ。
osは咄嗟に背中を摩った。
「ごめん、ごめん俺が悪かった。ごめん、ciくん。」
「…ッ、は、ッぅ"…。」
「歩こう。あと少しだから、ね?」
「はい…。」
その時。
焼肉屋が爆発し、そのまま建物は巻き込まれるように崩壊した。
それには流石のosも耐えきれず、目線を外して歩いてきた道を戻った。
ciは息も下手くそにosに引っ張られるがまま。
「…ぁっ、げほッ!!!がッ!!!ぁ"…。」
「え、osさん!?!?」
さらに続く。
osは突然吐血し、その場に倒れた。
肌が青白い。何故気が付かなかった。
これは毒だ。まさか、あの外交で。
ciはその場に蹲る。
今度こそ動けそうにない。
「…、みんな、みんなぁ、」
どこにいるの?
どこにいったの?
おいてかないで。
でも、つれていかないで。
一羽の蝶々が、ciの頭に止まった。
慰めるように頭に止まった。
蝶々は言うだろう。
「変えれる。貴方は変えれる。」
意識が点滅した。
*
次目覚めたのは、数年前の、軍学校の寮の部屋の中だった。
*
力学系の状態にわずかな変化を与えると、そのわずかな変化が無かった場合とは、その後の系の状態が大きく異なってしまうという現象のことを、
これは、とある1人の青年がバタフライ効果を起こしてしまう話。
思ったより早く完成したので投稿しました
コメント
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まって、まって、いつもは出た日に大体見てるのに忙しすぎて見てなかった… バタフライ効果初めて聞いた!勉強になった…✨ 忙しい中投稿ありがと💕 今回も最高すぎた
最高の作品です!! 続き待ってます!