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「うん、ここが心琴の家だよ」
「お兄ちゃん〜!……と誰?」
「あはは笑ごめんねお兄ちゃんはここ」
「んん、…」
「絃葉ちゃん久しぶり〜! 兄ちゃん寝ちまってよぉ、1回心琴下ろすために家にあがらせてもらってもいいかな?」
「津野くんだ!いいよー!」
「周さんはまだ大丈夫?」
「うん、心琴くん軽いから全然」
久しぶりに心琴の家にあがったな、
俺と心琴は小学校から知り合いで仲が良かった
だけど中学になりクラスも一度も一緒になることはなく話す機会なんて一度もなくなっていった。
だけど高校が一緒だと知った。
知ったのは大分経ってからだった。
あいつは小学校の頃とても明るくて元気だったし俺よりも身長が小さかったから
3年という月日が流れ身長も顔つきも全て変わってしまったお前を見て、俺はなんて声をかければいいのか分からなかった。
「心琴くんの親離婚したらしいよ?」
「でも心琴くん親離婚したのに結構いつも通り元気だよね?」
「心琴くん借金あるって噂話らしいよ!?」
「いや、ただの噂でしょ?」
こんなくだらない噂話を沢山聞いた
俺は知らないふりをした見ないふりをした
だって今更声をかけるのは気まずいし、
なにより廊下で出会う心琴がいつものよつに笑ってたから勝手に安心してた自分がいた
だけど違った
「うっ、……やめ、」
「金持ってないのなら……わかるよな?」
「ちょっ脱がさないで、やめてくださいっ!」
「ちょっとぉ、こっちは先輩だよ?」
「可愛いねぇ〜笑」
泣いてたんだ
泣いてるあいつを見て
何も出来ない俺がいて
無性に腹が立って
「先生こっちです!!!」
「ちょっ、先生呼ばれるとか聞いてないんだけど?!」
「おい!お前ら早く逃げるぞ!」
ちゃんと逃げたか、
「心琴大丈夫か!?」
「あっ、うぅ、……」
震えていたんだ小さな動物のように
「安心しろもうあいつらはいないし先生も呼んでない」
後から聞いた
ある先輩の彼女が心琴に惚れて別れを切り出したんだと
そしたらその先輩がキレて「俺の彼女を誑かした!」とか言ってたらしい
きっとその腹いせで心琴を……
心底腹が立った
「ありがとう……」
お前はなんでこんなに優しいんだよ
「ごめん」
ずっと近くにいたはずなのに
先輩はあれから心琴を襲ってもないしその場にいた友達の1人が色々な人にチクって停学になったらしい
そんなこともあったな、
「…津野くん大丈夫かい?」
「…大丈夫です」
「お兄ちゃん、」
「え?奏汰くんだよね?熱あるの?!」
「津野くんは奏汰くんのこと見てくれないかな?ごめんね心琴くんをベッドに置いてくる」
「ここが……」
心琴くんの部屋か、
「よいしょっと」
「ん〜、」
「疲れてるんだねごめんね付き合せちゃって」
にしても机の上に教科書の残骸が凄いな
努力しているのだろうな、
君には尊敬しかないよ
「津野くん急に任せちゃってごめんね」
「いや大丈夫〜」
「勝手にキッチン使って大丈夫なのかい?」
「…大丈夫っしょ!」
「ならいいのだが、私は帰るね」
「だめっす」
「え?」
「だめっす!」
「頂きマース!」
「…いただきます」
津野くんは随分と強引な子だな、
「津野くんは料理上手だね」
「津野くん流石!」
「絃葉ちゃんに褒められたら嬉しーな!」
「あれ?私は??」
「貴方だーれ?」
「あぁ、私は皐月 周《さつき あまね》だよ」
「周さんはお兄ちゃんの彼氏?」
「え?なんで?」
「そうだぞ!お前心琴と定員と客とか言っときながら随分距離が近ぇじゃねぇか!」
「えぇ、」
「本当は心琴のこと狙ってるんじゃねぇのか!?」
「………」
なんだか騒がしいな、
!?なんで俺布団にいるの?
奏汰が熱出してスーパー寄って、周さんと会って、……恥ずかしいっ!!
うわぁ、泣いたの見られた、しかも俺おんぶされたあと寝たよね???寝たよね???
とりあえずリビング騒がしいから行くしか、
「もしも狙ってたらどうする?」
何の話だ?
「うっ」
確かに、もしもこいつが心琴のこと狙ってたら
……別に良くね?
いやダメだろ!高井がいるじゃねぇか、いやでもあいつ心琴とは付き合ってないから………
「あらら、消沈しちゃったね」
「しょうちんってなーに?」
「あの……」
「あぁ!心琴くん起きたんだねおはよう」
「おはよう?ございます、何してるんですか?津野もいるし、」
「いや、ただ津野くんと談義していただけさ」
「津野?」
「はっ!心琴!ちょっと来い!」
「え、なになに、
「心琴はあいつのことが好きなのか!?」
「えっ、急に何??、」
「お願いだ、1回整理させてくれ」
「…………うん、」
「…………………」
やばい、1人でこんがらがってるのは分かるし理解もしてる、だけど、だけどさぁ!?
俺ちょー気まず、整理するとこうだろ?
周→ ← 心琴→ ←高井
? ♡ 友 ♡
いやーん複雑ー
「わかった、ごめんな急に」
「いや、いいけどさ、誰にも言うなよ?」
「いやもちろん神に誓って」
「割り込みごめんね〜心琴くんも何も食べてないよね?津野くんが作ってくれたからみんなで食べない?」
「…………」
「絃葉ちゃんと奏汰くんの将来の夢ってある?」
「私ねー、お医者さん!(人形の)」
「俺はバスケ選手!」
「2人ともいい夢だね〜!」
さっき心琴とあんな話したから気まずすぎる、
はぁ、墓穴掘ってしまった
話しにくい、こう見ると周さんお父さんみたい、なんか嬉しい……何妄想してんだろ俺、
「また周来てくれるー?」
「また来るね〜!」
子供の心まで虜にするなんて、恐るべし周さん、
「じゃあ、周さん本当にご迷惑かけてすみません、」
「いや全然!またの食事を楽しみにしてるよ」
「津野もごめん、料理作らせちゃって」
「俺はいいぜ!」
「じゃあまた」
2人きりになってしまった、180越えの男と…
「……………周さんはなんの仕事してんの?」
「私は弁護士だよ」
「そうかよ、」
………………………弁護士?、
ちょーエリートかよ、
「あと、心琴狙ってるって本当ですか?」
「………どうかな!」
いや、ニコニコで言うことじゃないでしょ、
本当か嘘か分からなくなるじゃねぇか
「津野くんは好きな人居るの?」
「俺はいないよ」
「へ〜いそうなのに」
あんたのその面で言われたかねぇよ!
「逆にそっちはいるの?」
「恋愛はあまり好きじゃないんだよ」
まぁ、こんなイケメンなんだから最悪の恋愛事情2つや3つあるか
「俺こっちなんで、心琴に手出すなよ?」
「あはは笑じゃあまた何処かで君と会える日を楽しみにしてるよ」