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君と虹が消えるまで

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君と虹が消えるまで

1 - 第1話 君が消えるまであと…

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2024年06月13日

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「わたしさー!死のうと思うんだ~!」

湿気も加わった燃えるような暑さにまた私の燐人、レイカがバカなことを言い始めた。もうこのセリフを何度聞いただろう。最早なれるまできた私はもうおかしくなっているのかもしれない。

レイカ「いやね!?いつもの冗談じゃないから!」

ああ、本当に私の燐人の知能は終わったのかもしれない。セミの煩いコーラスにかまちょと化したレイカは面倒くさいの極みなのだ。

「はいはい、それで何かあったの?」

明らかに「面倒くさい」を主張した声音で訪ねると時間を無駄にした。心からそう思った。

レイカ「だって面倒なんだもん。勉強やだし受験もやだしぜ~~~んぶやだ!だから死ぬ!私の決意はかたーい!」

「…………。予定とか決めてんの?」

レイカ「(* >ω<)…………アッ!( ´゚д゚)」

「だめだこりゃ…」

レイカ「じゃあ1週間後に死ぬわ!だからアオハル手伝いやがれください!」

「いやだよ」

レイカ「なんでっ!?」

「私らあったばっかりだよ?」

そう、帰宅中に偶々この謎の人物に出会い、勝手に話しかけられたのだ。初対面に死ぬっていわれて会話が成立する、となると私もかなり疲れてるんだなと感じる。

レイカ「であったら友達!」

「友達許可証ないから友達じゃないよ」

レイカ「え~…。みんな頑張って友達作ってるんだね…。なら私友達要らないや!だって死んじゃうもん!」

「一応聞くけど心残りとかないわけ?」

レイカ「めんどい手順踏みたくないけどアオハルしたい!」

「他当たって」

レイカ「無理!だっていろんな人にそうやったら通報されかけたもん!」

他の人にやってた。しかも何回も。只でさえ回らない頭をパンクさせながら回し、内容を理解しようとし、脳がそれを拒む。

「そりゃ通報されるでしょ。」

レイカ「マヂで!?」

「大マジで」

レイカ「ふふん!レイカさんは学びましたぞ!」

「もっと早くそうして欲しかったかな。」

レイカ「そういえば知ってる?えっと…」

「…るう。」

レイカ「知ってる?るうちゃんちゃちゃんちゃん!」

「なにを?」

レイカ「知らない人に「死ぬ前にアオハルしたいから手伝ってください!」って言い続けると通報されちゃうんだよ!」

「それさっき私が教えてあげたやつだね」

レイカ「マジマジで!?るうちゃちゃ天才!」

「いやなにその呼び方」

レイカ「いやだった?」

「そんなことは無きにしもあらず…。」

レイカ「よく分からないけど良いんだね?」

るう「はぁ…手伝うよ」

レイカ「え、なに?」

るう「だから手伝うよって!」

レイカ「なにを!?」

るう「アオハル!」

どうも見ていられなかった。情が湧いた訳ではない。これでは暑さではなく共感性羞恥で私が死んでしまう。

レイカ「じゃ友達だね!友達許なんたらはるうちゃちゃが作って!」

るう「あれ冗談だったんだけど…」

レイカ「ねねねねみて!!!」

 ただでさえでかい声が更にはしゃいで叫ぶ。私の耳はセミのコーラスと煩くて仕方がない友達に破壊されそうだ。いやいや曇り空で照りつけはしていない太陽のある空を見ると

レイカ「虹!虹だよるうちゃちゃ!!!!」

るう「虹好きなの?」

レイカ「うん!ゲーミングな色してるから!」

普通逆なような気もするが。なぜだかこの騒がしさに慣れてきてしまった。1週間ぐらいの友達ごっこは料金でもとればいい金稼ぎだ。少しぐらいいかもしれない。

『君が消えるまで後1週間』

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