元貴side
憂鬱?な数学の授業は終わり、
帰りの時間帯になった。
僕は軽音部に所属しているので、軽音部が
活動する音楽室へと足を運ぶ。
僕が涼ちゃんを2階の廊下で待っている時に、
横から声がした。
滉斗『あ!元貴〜』
声の持ち主はやはり若井だった。
声変わりの期間が終わり、やや低くなったと
思われるが、元気のある聞き取りやすい声だ。
元貴『な…何…?』
滉斗『そんな警戒しないでよ〜笑』
僕が恐る恐る若井にそう言うと、若井は
僕の肩に手を回してグイッと引き寄せた。
元貴『わっ…//』
滉斗『っ…///』
僕が驚いたような声を出すと、若井は
少し頬を染めて黙っていた。
滉斗『…///』
元貴『ぁっ…っ〜////』
僕が少し怯えながら上を向くと、
若井の顔が近くにあり、思わず顔が熱くなる。
ぶわ〜っと顔が熱くなるのを感じて、
僕は慌ててそっぽを向いた。
こういう事があると、
すぐに顔が赤くなってしまう。
少しの沈黙が終わった後、
若井が小さな声で優しく僕に言った。
滉斗『音楽室…どこ、?//』
元貴『へ…?3、階…です、///』
予想外の質問に頭が追いつかなくなる。
今は部活の時間なはず。
若井はサッカー部だからグラウンドに
行かなければならないのに、
なぜ音楽室の場所を僕に聞いたのだろうか。
僕は自分のお馬鹿な頭で一生懸命に考えた。
部活を軽音部に変えたか、
音楽室へ機材を取りに来たかのどちらかだと
思う。でも…機材を取りに来たとしても
なぜ今…?
僕がポカンとしていると、
若井がにこっと笑いながら僕に言いかけた。
滉斗『部活さ、軽音部に変えたんだよね』
元貴『え?!』
僕が口元を両手で覆いながら言うと、
若井はヘラっと笑いながら言った。
滉斗『元貴が軽音部だって聞いたから』
元貴『っ!?///』
僕が何も言えずに固まっていると、
若井は僕に手を振って先に3階へ行ってしまった。
“元貴が軽音部だって聞いたから”
…へ?めっちゃ嬉しいけど、、
言葉の意味が分からなすぎて困惑する。
僕がいるから来たってこと…?
それとも普通に気が変わった…?
んぁ”〜!!!もう訳分かんない!!!
なんなの彼奴…!!!
ほんとに調子狂う…!!!!///怒
僕は涼ちゃんを待ちながら若井の発した
言葉の意味について考えていた。
考えすぎて頭が痛くなるぐらい考えた。
訳分かんない…
モヤモヤするぅ”〜!!!!///怒
僕が頭を抱えてしゃがみ込んでいると、
涼ちゃんが走って僕の所へ来てくれた。
涼架『ごめんお待たせ…ってどうしたの?!』
元貴『涼ちゃん…///』
僕は涼ちゃんに全て話した。
同性のクラスメイトを恋愛的に捉えてしまって
いること、若井が意味の分からない発言を
したこと、若井と一緒にいると調子が狂うこと、
全て話した。
涼ちゃんはニコニコしながら、頷きながら
聞いてくれた。
たまに吹き出す時とかもあるけれど、
話を真剣?に聞いてくれて嬉しかった。
音楽室に入ると、そこには軽音部の先輩数人と
若井がいた。
若井はリードギターの弦を張り替えていて、
初心者ではないような手慣れた様子で
張り替えていた。
若井『…あ!元貴!』
若井がゆっくりギターを下ろして僕の元へ
走ってくる。
少しの距離だけど、風に揺られる彼の髪の毛
が綺麗で儚くてドキドキする。
元貴『若井…///』
滉斗『待ってたよ〜!』
若井はそう言いながら僕をぎゅっと抱きしめた。
突然の事にパニックになり頭がぐるぐるする。
好き?な相手にいきなりハグされた…?!///
滉斗『大丈夫?顔赤いよ?笑』
若井はそう言いながら僕の左の頬を
右手で包み込んだ。
元貴『あっ…うぅ…////』
僕は若井に左の頬を包み込まれている中、
若井と目線を逸らす。
これ以上若井を直視していたら爆発する
かもしれないから。(?)
涼架『何イチャイチャしてんの笑
ほら練習始めよ笑』
そう言って涼ちゃんは僕と若井を離れさせ、
いつもの定位置にあるキーボードを触り出した。
涼ちゃんはキーボードの担当をしていて、
今まででたくさんのジャンルのキーボードを
担当してきた。
涼ちゃんは中学では吹奏楽部に所属していて、
フルートを担当していたらしい。
県大会や全国大会などにも出演して、
見事に金賞を受賞したこともあったらしい。
そんな音楽の才能もある涼ちゃんだが、
性格はとっても優しくて、察しの通り
ほわほわしていて話しやすい。
僕の恋愛相談?にも快く乗ってくれて、
とても心強い先輩だ。
たまに天然で何言ってるのか分からない時も
あるけれど、1番大好きな先輩。
僕はボーカルとギターを担当していて、
涼ちゃんと色々な曲を歌って演奏してきた。
僕の作った曲だって快く了承して、耳コピして
弾いてくれたり、褒めてくれた。
僕がギターを弾きながら小声で歌ってると、
若井が近くに来て僕に言った。
滉斗『んね元貴』
元貴『っ!?はいっ…//』
いきなり話しかけられて戸惑いが
隠しきれない。
しかもさっきハグしてきた人に…///
滉斗『ここってどうやるの?』
若井がギターを持って僕の隣に座った。
思った以上に距離が近くてドキドキする。
そりゃ同性だもん距離は近いよな…
元貴『ここは…』
僕が説明していると若井は僕の肩に頭を乗せた。
元貴『っ?!わ…わかぁ…////』
滉斗『…眠い』
基本的に僕の学校の軽音部は、
文化祭とかで演奏することもなく、
ただみんなでバンドごっこのようなものを
するだけの学部だ。
だから部活の時間、
音楽室には楽器を弾いている生徒もいるし、
課題を進めたり、寝たり、帰ったりする
生徒もいる。
顧問も全然来ないからほぼ自由だ。
元貴『寝ても大丈夫…だよ、?///』
滉斗『ん…』
僕がそう言うと若井は僕を後ろから抱きしめ、
僕の背中にもたれかかった。
距離が近くて思わず顔が熱くなる。
若井が僕にくっ付いている。
そんなことを考えただけでドキドキしすぎて
爆発しそうになる。
元貴『わ…若井…離れて…!///』
滉斗『無理』
僕がそう言うと若井はさっきより強く
僕を後ろから抱きしめた。
若井の手が僕の脇腹にあってぎゅっと
掴んでいるからくすぐったくて我慢できない。
元貴『んにゃっ…////』
若井が変な所触るから変な声が出てしまった。
僕は思わず両手で口元を覆い隠す。
顔が熱くなるのをまた感じた。
僕が恐る恐る後ろを向くと、
若井の顔が僕の肩の上にあり、
僕の唇と若井の唇が重なってしまった。
コメント
4件
めちゃくちゃ続き気になりすぎるので取敢えず続き見るために付き合いません?
好きだ。