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俺は今日も大型をハシゴして疲れているそう……青井らだおだ
ようやく犯罪も落ち着く時間帯になり警察署員達は署前でチルタイムに入っていた
ベンチに腰をかけゆっくりとしていた俺はふと羽を伸ばしたくなった
久々に羽伸ばしたいし退勤の連絡入れてからデスマウンテンでもいくか
らだお “青井らだお退勤します。お疲れ様でしたー”
カニ “おつー俺もあと少しでねまーす“
マンゴー “オレも寝る〜!じゃこたち〜〜おやすみなさーい!”
カニ “おやすみ〜”
俺は警察無線を抜け退勤しガレージから愛車のバイクを取り出し跨った
デスマウンテンにピンを刺し向かう
風を切り進む体にヘリとは違う楽しみがあって俺は運転しながら鼻歌を歌っていた
デスマウンテン頂上に着くと俺はバイクを置き鍵を掛けた
らだお まぁこんな時間帯に人は来ないだろうけどねw
俺は林の中へと入っていく
いつもの場所
俺の落ち着ける空間
よくラディも来てた場所
林を進んでいくと小さな湖があった
地図に表示されない小さな湖
らだお 今日って満月だったんだ
月が水面に反射し輝いている
風が歌い俺の頬を撫でていく
俺は靴と靴下を脱ぐと湖に走っていく
足先に真夜中の冷たい水が触れ体が喜ぶ
俺はいつもしまっている真っ白な翼をあらわにした
白い羽根がふわりふらりと水面に落ちそこから湖全体へと波紋が広がっていく
らだお んっ……んん〜〜
腕を上げ背伸びをする彼はその白い翼で空に舞い上がる
上空まで飛んでいくといつも身につけている青色の鬼のヘルメットを外す
夜風に吹かれ靡く青い髪、月光に照らされ透き通った碧空のような瞳、その背中から生える幻想的な真っ白い翼は湖に照らされ見事なまでに美しい光景を生み出していた
彼は少し飛び回ると湖の中央にある小さな岩に腰をかけ羽を毛繕いし始めた
ブラシをかけその美しい羽根がこぼれ落ちていく
バキッ
木の枝を踏み折った様な音が聞こえ彼は音のする方を見る
そこには………
彼の元先輩でありヘリの師でもあるハクナツメが立っていた
ナツメ え………
らだお あ…っ………
ナツメ ら……らだお……くん…?
彼はブラシをしまい空を飛びナツメのそばまで行く
らだお どうしてこんな夜中にデスマウンテンなんか来たんですか
ナツメ いや……らだおくんに話したいことがあって…………
ナツメ てかその前に……その羽は…なに……?
らだお 俺の身体の一部です
ナツメ いやいや……嘘でしょ…?
らだお 触ってみます?
ナツメ ………うん…
ナツメはそっと彼の翼に触れ撫でる
らだおは少し嬉しそうに顔を綻ばせた
ナツメ 触り心地いいね…
らだお 俺の自慢なんですよこの翼
自慢げに話すらさおに対し冷静なフリをしているナツメは言った
ナツメ でもさ……なんで人に翼生えてんの…?
ナツメ てからだおくんて翼生えてなかったよね…!?
らだお あぁ〜業務中は……いや普段はしまってるんで
ナツメ しまう…?
らだお そうっすよ?
俺は翼を折りたたみしまった(体に同化させた)
ナツメ はぇー……すごっ………じゃなくて……………
ナツメ これ絶対バレたくない秘密だったよね…?
らだお んんー……まぁでもナツメさんならいいかな
らだお だって誰にも言わないでしょ?
ナツメ まぁ…そうだけどさ
らだお それとも……
らだお まさか言うんですか?
俺は圧がけしながら翼を刀の様に鋭くしナツメさんの首に突きつけた
ナツメは両手を上げ「違うよ違うって!」と否定した
らだお www
俺は「冗談っすよww」と言うと羽を元に戻した
ナツメ でさ…さっきはなにやってたの?
らだお 毛繕いっすよ
らだお 結構毛が…ってか羽根が急に抜けたりするからちゃんとお手入れしないと
らだお “俺は飛べなくなるんすよ“
ナツメ ……(それは一体どう言う意味………?)
らだお てか俺と話したいことってなんなんすか?
ナツメ えっっ…あぁ……
ナツメ 警察の頃からさチル中にフラっとどこか行ってたじゃん?
ナツメ “今日も“結構遅くまで出勤してたっぽいからさ
ナツメ 警察署まで行ってらだおくんが退勤するまで待って署から出てきた時に
ナツメ いつも何してたの?って聞きたくて……っていう話の事
らだお それで………あれ…?もしかして警察署からずっと俺に着いてきてたってこと…?
ナツメ うん…
らだお あー……俺も随分鈍ったなぁ………
ナツメ (鈍った…?)
らだお まぁその疑問については理由がわかりましたねw
ナツメ うん
ナツメ (なんだろう……すごく今日のらだおくん引っかかる気がするんだよなぁ…………)
ナツメ (なんか急にどこかに消えちゃいそうな……そんな気がする…)
ナツメ (ちょっと前から……変だった………いや…………いつから……?)
らだお ふぁぁぁ……
俺は欠伸をしながら背伸びをし翼を折りたたみ体に同化させた
ナツメ ねぇらだおくん
らだお なんすかぁ〜?
ナツメ どこにもいかないで
その言葉を聞いて俺は戸惑って“しまった”
らだお 急になんすかww俺は“きっと“どこにも行きませんよw
ナツメ (どうして…きっとなの……やっぱりらだおくんは………)
ナツメ (もうすぐ…起きなくなっちゃう…の………?)
らだお どうしたんすか?そんな顔して?
俺はナツメさんの頬に手を当て髪を耳にかけてあげた
ナツメ ら…らだおくん………
らだお ん〜?
ナツメ いなくならないで……
なんで………
そう言う事言うのかなぁ………
らだお ww俺をなんだと思ってるんすかwww?
らだお そんな消えたりなんてしませんよw
どうして最後の最後にそう言うことを言うの…
ナツメ だって………だって……なんだか…………怖いんだよ…僕は………
ナツメ らだおくんが…今にも消えそうなんだよ……
ナツメ 僕の目の前から急に…………それが…怖くて怖くて仕方がないんだ……………
俺は精一杯の笑顔を作り俺の最期の言葉をナツメさんに送った
らだお _________。
ナツメ え?
「ドクンッドクンドクンッドクンッッッ…」
ピピピピッピピピピッ……
目覚ましの音で目が覚めて僕は起き上がる
まだ眠い眼を擦りながら1日のスケジュールを確認していたらふと思った
ナツメ そういえばあの時らだおくんはなんて言ったんだっけ……
まぁとりあえず服着替えるか…
僕は服を袴に着替え家を出た
今日は葬式日
誰のかって…?
青井らだお
僕の愛弟子の葬式だよ…
いい子だった
死んでほしくはなかった
でも病のせいで亡くなってしまったんだ
31歳という若さで警察のエース兼大黒柱であり良き上司でもあった彼が亡くなったため警察署には以前の様な活気がなかったしどこを行ってもそうだ
元気がなくみんな枯れている
彼の影響力は凄まじかった
棺桶に入り安らかに眠る彼
彼の死んでも尚その笑顔に僕は胸を焼かれた
ナツメ らだおくん………
らだおくんが“あの時“やった様に僕も彼の頬に手を添え髪を耳にかけてあげる
僕は泣いた
彼の棺桶のそばで泣き崩れた
警察も、ギャングのみんなも市民や半グレも…僕に駆け寄ってきて僕を慰める
でもでも…っ
震える声で僕は言っていた
ナツメ らだおくんっ…
ナツメ 嫌だよ……君は言ったじゃん…
ナツメ いなくならないって………
やり直す?
YES
NO
やり直す?
YES←
NO
ウィル ………
ラディ ……どーすんだよ
ウィル なにが?
ラディ こんな重病患者受け持って
ウィル 治療するしかないでしょ
ラディ はぁ……
………
ラディ まぁいい俺としてもこいつを死なせたくはないからな
ウィル あれ?殺すとか言ってなかったっけ?
ラディ 殺るなら俺の手でだ
ラディ 病なんかで死なせるわけねぇだろ
ウィル 意気込みがいいね
ラディ そりゃあな
ウィル じゃあ手術を始めようか
ラディ あぁ…
2人の医師は手術を始めた
数十時間にわたる手術はなんとか成功し患者の病は治癒できた
ラディ ふぅっ……
ウィル やっと終わった…
ラディ はぁぁ…疲れたぁ………
ウィル お疲れさま
ラディ あぁお疲れさま
ラディ にしてもこいつ…よくすやすやと眠れるもんだな…………
ウィル 本当にねww手術途中で麻酔切れてるはずなのに全然起きなかったよねww
ラディ なwww
? んっ……んん…?
ラディ おーようやくお目覚めかぁ?
? うん…おはよ………
ウィル おはよー
ラディ 身体の調子はどうだ”バカ兄貴?“
らだお ん…羽…取れたの………?
ウィル 本当大変だったんだからねー?
らだお じゃあこれでまだ俺生きれるの…?
ラディ そーだ
ラディ 感謝しろよ?俺をこいつがいなけりゃお前はとっくに死んでたかもしんねぇんだからな?
らだお …
らだお 本当に…?本当に俺はまだ生きられるの……?
ウィル うん
ラディ そうだって言ってるじゃん?
俺は普段は出ないような瞳から何滴もの大きな水滴が溢れ出すのを理解するのに時間がかかった
らだお …っ……
俺は泣いて泣いて泣き続けた
そしてそんな俺をウィルとラディは抱きしめてくれた
今日も忙しなく来る犯罪通知に目を光らせながら俺は生きている
ナツメ らだおく〜ん!
そういえば俺の手術日以来よくナツメさんが警察署に来るようになったな……
いや毎日かww
らだお はーい?どうしたんすかー
ナツメ 今日もおはよー!
”今日も“ね
車の中から大声で叫ぶ彼に答える
らだお これからもおはよー!!
ナツメ なにそれーww
らだお www
今日も笑い合って過ごせる
こんな日々がずっと続けばいいな
俺はいつまでもそう思い続けるだろう