コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「いよいよこのセミナーの参加人数も、もうあと数人で締め切りになりました。あと半日もすれば埋まるでしょうね、なんでもとっておきの宗法が披露されるそうですよ、日曜日のセミナーが終わる頃には参加されたみなさんの心は浄化され、現実に立ち向かうことができるようになっているはずです、かくいう私がそうでした、美子さんも今回は残念ですが・・・
でもご無理なさらないでゆっくり悟っていくこともできますし、こうしてお話を聞くこともできます、それにはやはり苦しみが伴いますがね・・・ 」
再び言葉を切り、じっくり美子を見つめる、手はずっと繋がれたままだ
「もう・・・締め切ってしまうんですか? 」
かすかにワナワナと美子は震えている
「ええ・・・教祖の浄化宗法はとてもパワーがあるので、受けられる人数は限られています、セミナーを受けられる方はとてもラッキーですよ、きっと今度のセミナーは奇跡が起きること間違いなしです 」
キッと美子が真顔になった
「私・・・・今決意しました、そのセミナー受けます 」
俊哉はいかにも驚いたとばかりに目を丸くした
「ええ?しかし・・・美子さん、あまりご無理をされては・・・大丈夫ですか? 」
決意してしまえばこの騙されやすい女性は、ハツラツとした笑顔を俊哉に向けた
「ええ!大丈夫です!私今からATMに行ってお金を降ろしてきます。だって人生を変えたいんですもの!」
コツコツとヒールを鳴らして大聖堂を去ろうとしている美子に、俊哉が呼び止めた
「ああ・・・美子さんセミナーは私も講師として参加しています。研修後はフリーでみなさん、ゆっくりくつろいでいただく時間です 」
すっと俊哉が美子の前に佇んで彼女の両手を取った、そして小さな彼女を見下ろした
「もしよかったら・・・その後お話しませんか?あなたの部屋で・・・ 」
美子の顔が真っ赤になった
「ええ!・・ええ!高橋統括地区長・・・・わかりました・・・・必ず・・・ 」
少女のように顔を真っ赤にして、ハニカミ
ながら美子は去って行った