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「アーサー…!?、何で此処に…!? 」
「彼女が暴走していると、王宮のにも情報が入ってきたんです、彼女という存在が……魔神族の中でも、とりわけ危険対象で、かなり膨大な力を有する……彼女こそ、魔神族の本当の頂点に君臨する、それは彼女の逸話や神話が数多に古来から伝承されているこの国だからこそ、だから当然民の多くが彼女を恐れている者も多い……」アーサーはそう言い、ゆっくりと歩みをメリオダスらの方へ進める。
「助けに来たって言ったって、リーシアの暴走を止められるような方法を持ってるのか…?」
「ええ、彼女に起こっている急激な暴走と眠っている魔神の怒り私を沈ませられる効果的なものを持って来ました…!、メリオダス殿、これを…!! 」
「これが……?、そうなのか…?」
「はい、それを使えば彼女の中に封印されている魔神の怒りと暴走、侵蝕を強制的に抑え込む事が可能です…!」
「…………あああああああっ!!、っ!!、……!!!」
「それを使えば魔神族の呪縛の効力を弱められると、そう書物書かれてあって探してたら見つかって」
リーシアが暴走を起こしている今、まさに求めていた代物と情報を手に入れた。けど、本当に完全に自我喪失してしまって、暴走の渦に飲まれているリーシアを正気に戻す事が叶うのか……。
「………リーシア…?」
「…………‥…………………」
リーシアは暴走の自我はそのままで、傷だらけになったゴウセルを見つめて、乾いた涙を溢し、そして…、「………?、何だ…?、リーシアの声が聞こえる…?」
「ああ?、彼奴…突然言ってんだ?傷負い過ぎておかしくなっちまったか〜?」バンはそう言うけど、ゴウセルに聞こえるようになったこのリーシアの声の事象は、リーシアとゴウセルの二人だけに生じ、新たに生出された特殊性の力の影響によって引き起こされており、深愛の末に築かれ‥開花した力が反映されている。
『ゴウセル……、私を…助けて…もう貴方を殺めるような…貴方に傷をつけるような事、やりたくない‥…自分の手で、貴方を…失う事になんてなりたくないよ…、もうこの呪縛の苦しみから…楽にして、助けて……』リーシアは心をゴウセルと共鳴させて、ゴウセルにそう心を通じて助けを求めた。
『ああ』
『…………全て手遅れになる前に、私を……この呪縛から…この深淵から…救って欲しいの……貴方を……殺めてしまう……前…に』
「…………リーシアは、俺が助ける、団長‥それを渡してくれないか…?」
メリオダスはゴウセルにそう告げた。
「お、おう、お前……大丈夫なのか…?傷…相当負ってるし、下手したらお前…」メリオダスはゴウセルを止めようとするが、その一方でマーリンは、「……此処は奴を信じていよう、彼女と奴に生じた力の奇跡で、もしかしたら…その可能性もなくはない、一旦団員を信じてみるのはそうだ?」
「………そうしてみるか、リーシアの想いがゴウセルに奇跡を起こしたように、今度はゴウセル画リーシアを救う為に、奇跡を起こす番って訳だな」
「ああ」
ゴウセルは暴走の渦に呑まれたリーシアを、正気に戻す為にそっと近寄った。
「リーシア……」
「あっ……、ああああああああああっ!!、……………………」
「…………‥」ゴウセルは、リーシアに近寄り……アーサーから受け取った宝玉を受け取り、彼女を暴走の渦の苦痛から解放させる為の一歩を踏み出す。
だが、強引に封印の眠りから目覚めさせられた、そのせいで、魔神の怒りが暴走し、歯止めがかからなくなり、安易に良い方向へ事を運べそうにはない。
「…………あああっ!、…………」
「……リーシア、苦しいだろう、無理やり…力を引っ張り出されて自分の中に封印されている魔神が制御を失って、その痛みは君自身にも直結してしまう……」
「……………………」
そうして、ゴウセルはリーシアが自身に襲いかかってくる、そのタイミングを狙って彼は呪いの力をもう一度中に押し込み、封じ込める為の役目を担える宝玉を彼女に向け、意思を通して発動するように命じる。「あああ、ああああああああっ!、ああああああっ…!」
「もう一度、封印の鎖の中で時が来るまで眠っているが良い…」こう、詠唱し終えると、解放された怒りで暴走していた魔神の呪縛の力は次第に弱まり、「…………あ…………」フラっと力が抜け落ち、崩れ落ちるようにゆっくりと倒れた。
「終わった…のか………」
「そのようだな、彼女を救える【希望の光】は、奴ただ一人…という訳だ」
「…………………あ」
深く入り込んだ傷口が蓄積し続けて、傷口の修復が追いつけてなかったのか、傷口の痛みが遅れて影響し、ゴウセルまでも倒れる始末。
「ゴウセル…!!?」ディアンヌらは駆け寄り、「手当てする為にも、此処を離れましょう 」
「ああ」
………何とか、止める事が出来た、リーシアに引き起こされた暴走…、魔神族の中でも圧倒的な力を誇っているという事を‥、認識させられた出来事だった。
そして、もう一つ、彼女を…彼女の事を救える唯一の希望の逸材の事も、改めて判明した。
しかし、だからと言って油断は禁物だ。
彼女に秘められている力は、今回以上の力がまだ封印の鎖で閉じ込められている、その事を考えると‥。
こうして、アーサーから二人を休ませる為の場所へ案内してもらい、「にしても、まさかお前が助けに駆けつけ てくれるとはな、キャメロット内部で起こった事とはいえ、こんな事態になってるつー、事の事態の通達すら届かないとばかり思ってたけど」
「数人の聖騎士から、彼女が暴走していると…そう報告を受けてそこで初めて事態を把握したので、初めからこの事を、一部始終を知っていた訳ではありませんよ、まあ彼女が暴走していると耳にした時点で、かなり絶望性が極めて高い事は容易に理解できていましたし、それに彼女の力は、キャメロットに在る古来から伝わる伝承や逸話、神話などが伝記に記されてあるくらい、所謂彼女は、このキャメロットにおいて、この国を超越する神のような存在との言い伝えもありますし」
と、アーサーはリーシアの脅威さを書物などから、認知していた為に…だからこそ駆けつけたのだと、説明した。
「そうだったのか、けど何はともあれ助けに来てくれてサンキューな!」
「そんな、御礼などは…とにかく一先ずの事は収まって良かったです、それに彼女を暴走させて心を呪縛の支配下に侵す事で、深淵の魔神の元へ陥れる…その行為が今実行されたという事は、あの方々が目論んでいる計画が着実に進行しているという証でしょう」
「そんな‥!!、全ての計画が実行されちゃったら、これまで以上に深刻な事態になるって事…?」
「ええ、ですが‥彼らの動向を掴まない事には、それも不可能に近い…彼らは今何処へ行方を晦ましているのか……」
アーサーはそうぼやいた。「どのみち、彼奴らを追跡しない事には現状は何も変わらないしな、彼奴らを引き続き追ってみるとするか」
「…………聖騎士長様殿らが結託しているというあの魔神族の同盟騎士団の連中が今この辺をあちこち手当たり次第に彷徨いてるみたいですし、それに…魔神の血を大量に仕込んで大掛かりな計画までも、彼女を核として始動する為の、欠片……彼らやリオネス王国の聖騎士達に狙われている以上は、今後の行動は、これまでより慎重になった方が良いかと……」
「一つ気になったんだが、アーサー……何故そこまで聖騎士長殿らが目論み、企てられている【計画】とやらの情報を詳細に知っているんだ…?」
「…………実は、マーリン達がキャメロットに訪れる前から、その計画の話を頻繁に小耳に挟む事があって、それで…彼女と…ゴウセル殿、貴方方お二人を利用し、この世界を魔神族の手で破滅させるという、妙な大計画を実行して、彼女を本当の記憶の眠りの夢から覚めさせると、そしてその全てが叶った時、最悪の終焉が訪れる‥とも…」
アーサーはそう言った。
「計画の一部始終全てを聞いちまって、危うくお前もその計画に加担されかけたって感じか、そんだけ彼奴らが今必死こいて進めてる、そもそもの目的が彼奴ら『魔神族にとって重要な意味を成す事』になるって事なのか…?けど、それ以上に気になるのは、その計画には儀式のような事も順序として踏む‥そこに何で『ゴウセル』が必要なんだ?」
「その理由などは私にも良く分かりません、それに現状は計画の事についても、どうにも言えない状況で、仮に計画の内容を知っている者がキャメロット内内部に居たとしても、その多くは固く口外機密との指示を受けているでしょうし、そうなると…安易に情報を入手する事さえも困難を極めるかと……」
「そうなっちまうと、奴らの思惑が更に今以上に加速する隙を与える事になりかねないな、どうにかして、彼奴らの行方を追う事が出来ると良いんだが……」メリオダスはそう言い、「そう言われると思って、これを………」
「これは……??」
「これは、遠隔で対話が可能で、位置情報などを共有する特殊な通信機能の役割を担える道具です、私はこの国の王という立場にある以上、あまり王宮から離れる事は出来ません、ですからこれを通して情報を与えられる手段も必要でしょう…?」
「お、おう……アーサー、色々サンキューな!」
「ええ」
「けど、その前に二人が目を覚ますまでは、それは待っておこう。また突然奴らが襲撃してくるか分からない、しかもリーシアは愚かゴウセルまでも奴らから標的の目を向けられている、迂闊に動き回るのは奴らに存在を此方から示してしまう事と同じ事…」とマーリンはそう言い、とりあえずは二人が目を覚ますまでは、此処に居るのが無難だと判断した…訳だが、此処でははたまた妙な事態が巻き起こってしまう事と、なってしまった。
「あれ…?、何だか急に外が騒がしくなってない…?」ディアンヌは何やら突然と騒然とし始めた事を感じ取り、ふと気になって外を見てみると、「何だ……?、……!!?、何だよ…これ…」メリオダスは驚愕した。
そして、慌てて部屋から飛び出し、「エリザベス、ホーク、二人の事は頼んだぞ…!」
「え、メリオダス様、一体何処に」
急いで出る様子のメリオダスに、バン。二人が外に出てそうしてそこで目に飛び込んできた光景は……街の居る人間達が、不自然に次々と魔神化していく、無惨で残酷な光景。そして、その果て魔神化し暴走した人々は、無差別に襲いかかり始めた。
「こりゃー、一体どういう事だ〜?」
「…………彼奴らの仕業か」
メリオダスは次々と魔神化して変わり果てた姿になり行く人々に目を向ける。
「ガアアアアアアアアアアッ……!」
魔神は遠吠えを響かせる。それにしても、何故突如として何の変哲もないただの人間達が、何の前触れもなく、魔神化し始めたのか。
「これも……奴らが計画してるっていう壮大な計画の一部なのか」
メリオダスらが立ち尽くす最中、部屋で二人の様子を引き続き静かに見守っているエリザベス達、「メリオダス達、一体どうしたんだろうな、あんなに急いで外に向かって行ったけど、そんなにまずい状況になってるのか…?」
「ちょっと待って、キング……あれって……」
ディアンヌは、メリオダス達が、急いで外に出て行った理由があるのを理解した。「え……!?、何でこんな事に…、何で突然街に居る人間達が、魔神化してるの…!? 」
異常を感じ取り、キングとディアンヌも外に出撃しようとしたが、「全員この場から離れるのはまずい、何時奴らがリーシア、もしくはゴウセルを拐いに来るかの予測が出来ない以上は見張り役も残しておくのが良い」
「け、けどあの数をバンと団長だけに任せるなんて出来ないよ…! 」
「ディアンヌ、オイラが行ってくるよ、だからディアンヌは豚君と王女と、二人の事も頼んだよ」
と、そう言ってキングまで応戦に向かった。
こうなってしまった以上、二人が目を覚ますまでの隙が余計に出来てしまった。どうにか、彼らがリーシアとゴウセルの拐いを目的とした奇襲をまた仕掛けにくる前に目覚めると言良いが、リーシアは何とか可能性が見えるが、ゴウセルは重傷に等しく絶命は防げたものの、暴走し自我が失われたリーシアによって、深く入り込んだ傷の修復が未だ追いついていない。
「………………………」
「ゴウセル………それにリーシアも早く目覚められると良いんだけど……それに急に街に居る人達が魔神化してるのも気になるし、ギーラ達やリーシアを探し回ってるって言ってたあの魔神族の騎士団達がこっちに侵攻を進めてリーシアを連れ戻そうとしてる、それを考えると此処でずっと立ち止まってる場合じゃない……」
「けど、そんな事言ったって、二人が完全に目を覚ますまでは俺達は、迂闊に外にも出れねえー訳だし、今はメリオダス達を信じて外の方の事は彼奴らに任せておくのが一番だろ」
ホークはそう言った。焦って下手に行動を起こしたら、その行動が寧ろ危機的な状況を引き寄せてしまう事になる。
「うん…………」
ディアンヌらは不安な気持ちを抱えながらも、引き続きゴウセルとリーシアが目覚める時をずっと待ち続ける。彼らが拐いに来る、その事を常に懸念しながら。「けど、何で急にこんな事が起きちゃったの……」ディアンヌが不安げな言葉をポツリ言ってると、突然…、「さあ〜…、残念だが、それは教えられない…」と何者かが、突如として姿を現した。
「その紋章…、魔神族の騎士団の一味か、という事は外で起きている騒動の事の発端も、全てはお前達が引き金となって起こした……そうだろう‥??」マーリンはそう説明した。すると、嘲笑うかのような微笑を溢し、ゴウセルらに目をやる。
「…………姫様、貴女様をお迎えに参りました、まあ貴女の本当の記憶は、固く封印されてしまっている…愛おしい遠き古き記憶を…呼び戻させるとしましょう、しかし…此処ではそれも上手く叶わない、封印の鍵から完全なる記憶を呼び戻す『儀式』をそろそろなされるとの、通達があった……」
「…………やはり、此処まで追跡してきたのは、二人を拐う為か、何とも…何処までも執拗な連中のようだな」
「……何だ、お前……魔神族を侮辱するつもりか?ならば、随一の魔術師である貴様が相手だろうが、容赦しない。我々の計画を邪魔しないでくれ、これは我々『魔神族の永久なる未来』の希望を叶える為の重要な道標だ、だから貴様ら部外者には無関係の事だ」魔神族の騎士団の一味と思われる者は、マーリン達を見下すように冷徹な態度で言った。
「そうだな、確かに彼女と我々が巡り合う、この軌跡のような運命が訪れていなかったら、我々にとっては関心のない事だが、彼女は今や…我々『七つの大罪』の大切な仲間の一人だ」と、マーリンは反論の意を示した。
「…………そうか、まあお前達ならそう答えると思ったよ、果敢に立ち向かうその姿勢は評価するが、我々にとってその無駄な正義感は邪魔だ、まあ良い…我々は我々のやるべき事を遂行しなければならない、…………悪いな」
その者は、リーシアを手にかける前にもう一人の重要人物である『ゴウセル』に手を伸ばした。と、その時、それを阻止するように、「ゴウセルには……絶対に触れさせない……」と、まるで狙いを図っていたかのようなタイミングで、永き暴走の果てに意識を失って眠っていた筈のリーシアが、突然目を覚ました。
「気配を感じ取られてしまいましたか、しかしこれはこれで好都合です、さあそろそろ我々の……魔神族の同胞画待つあの地へ戻りましょう、貴女の眠りし記憶も何れ我々と共に居れば、きっと想起されて来る筈です……」
「嫌だ、それに私の大切な…最愛とも言える人を犠牲にしてまで全ての呪縛の鎖から解放されるくらいならこんな……邪悪な力なんて要らない…記憶が戻らなくたって良い、呪われ、 穢れた魔神族の姫…?そんな存在になんて…もう嫌……」リーシアは拒絶し、彼等の元へは戻りたくないという意志はあれから全く変わっていないようだ。けど、以前に比べほんの僅かに自身に関する記憶が戻ってきているのか、それらしき言葉も同時に溢した。
「どうであれ、貴女は呪われた魔神族の神…、いや、大いなる姫である…その事実は変わらないのです、記憶の片割れを‥…記憶の鱗片を、封印されし大昔の記憶から再生したら、貴女の本性や本来の正体をご理解頂けるかと思いますが、しかし…その儀式はまだ遠い先の話、とはいえ、もうそろそろお出迎えの時間なのも変わりはない 」
「リーシアちゃんは行かないって言ってるだろ…!、リーシアちゃんはお前らの計画の駒に容易く言う事を聞く程、ヤワじゃないぞ!!」ホークは威嚇の声を上げた。
「リーシアと、ゴウセルを連れ去ろうたって、そんな事ボクらがさせないよ!、それに女の子にしつこく迫ったら嫌われちゃうよ」
ディアンヌは立ちはだかる敵にそう言った。
「魔神族相手に歯向かいの態度を取れるとは、我々の種族はこの世界に存在する種族の中で、恐れられし種族…そんな我々に歯向かうとは、面白い類の種族もいるものだな」
上から目線な横暴な態度でそう言った。
「我々だって、そう簡単に倒れる程ヤワではありません、それに貴方方魔神族の騎士団が、聖騎士長殿方と同盟を組んで、目論んでいる計画の情報も此方は既に得ています、我々の勢力を持ってすれば、どれだけ強い存在であっても屈しない」
アーサーは少し煽るように、魔神族の騎士団の一味側の者に向けて言い放った。
「ふっ、所詮は言葉だけ…今の我々魔神族にお前達など…手も足も出やしないだろう」
「何なんだよ、コイツ‥!、さっきから聞いてりゃ偉そうな言葉を言いやがって!」ホークは激怒し、突進の準備をした。
「喋る豚か、不思議な者がいるものだ…まあそんな事はどうでも良い、さあ色欲の大罪人、姫様の元へ、このお方の配下…いや、生命を捧げる核となる儀式の為に…その休息から目覚めろ… 」
「やっぱり、ゴウセルも儀式に…そんなの、誰かを犠牲にしてまで、私に眠ってる記憶なんか、何かを犠牲にしてまで、記憶なんて戻っても、嬉しくないわ…それにもう分かってる、呪いと決別するには私は……一度全て壊滅しなきゃいけないって事も……」
「はははっ!、良く理解してらっしゃるではありませんか、さては封印されし古き記憶の鱗片
が、見え始めてるのですね」
「リーシアから離れてくれない?、彼女は絶対に君らの元へは渡さない!、それにゴウセルだってボクら【七つの大罪】の大切な仲間の一人なんだ…!」
「魔神族が正義を背負うような立場にいるとは、魔神族は破滅、破壊‥…それらの言葉が相応しい、魔神族を統一し、統べ、支配する‥‥魔神族の大いなる姫様まで、意志に背くとは、とんだ事をしでかしてくれたな、【七つの大罪】………」
「…………おっと、此処でだらだらとしている訳にもいかない、我々はまだ全ての手順を終わらせていない、一刻も早く姫様とその色欲の大罪人を連れてこいとの命令が下された、すまないが…手っ取り早くあの地へ案内するとしよう‥…」
「な、何…!?、地面が急に光って…!」
「闇へ誘い、導きの手招きの為に、姫様が意地でも帰られないという事なのであれば、この手段もやるしかない、このような強引な手段には出たくなかったが、それも仕方あるまい…」その者は、言い、魔神族が住まう彼女の『本当の故郷』の世界へと、ディアンヌ達を引き摺り込んだ。
その世界は……、
「いたたっ…、な、何なの、此処…… 」
「ディアンヌ……!!?、それにマーリン達も…!?」と、声がした。キングだ、魔神化した街の人々を止めようと、戦闘してたところを、突然異空間の空間の狭間が開き、この場所へ瞬間移動させられ、気付けば此処に居たらしい。
「リーシア‥」
「ゴウセル…、良かった、目が覚めたんだね」
「いや、恐らく強制的に目覚めさせられたのだろう、あれだけ深い傷を負っておきながら傷の修復が間に合ったとは思えない」
「お、おい、マーリン……それ、リーシアちゃんが居るこの状況で言ったらまずいんじゃねえーか…!!?」とホークは焦る。
それもその筈、彼女は強制的に呪縛の力を解放させられ、自制心さえ無くなっていて、その末に大切な存在である筈のゴウセルを自らの手で傷を負わせてしまったのだから。
「…………そうだ、私は…………私は………貴方を……」
「リ、リーシア、お願い!落ち着いて…!」
「……………………」
リーシアは何も言わず、ゴウセルにそっと抱きついた。彼が目覚めた事を認識し、理解した為に何とかショック状態に陥らずに済んだ。
だが、ふとその出来事の記憶が蘇り、再び暴走が繰り返される事になってしまわないか、それが心配だ。
「…………ゴウセル……」
「ああ」
そうしてメリオダス達は、魔神族の領域であるこの地の中へ歩み出した。