テラーノベル
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翔たちは鬼との戦いに勝利したが、学校内にはまだ多くの危険が潜んでいた。
彼らは全員で集まり、脱出の手がかりを探すために図書館へ向かうことにした。
図書館は学校の中央に位置し、静まり返った空間が広がっていた。
「ここには、何かがあるはずだ。」
翔は図書館の入口に立ち、周囲を見渡した。
仲間たちは彼に続き、内部へと入っていった。
図書館の中には、古びた本棚が並び、埃が舞い上がっていた。
翔は一冊の古い本を手に取り、中身を確認した。
「この本…何か書いてある。」
「翔、それよりも探し続けた方がいい!」
麻衣が焦った様子で言った。
翔はその言葉に従い、さらに奥へと進む。
図書館の奥に行くにつれて、不気味な静けさが支配していた。
突然、智也が本棚の隙間から何かを見つけた。
「翔、見て!ここに穴がある!」
智也は興奮した様子で叫んだ。
翔はその声に駆け寄り、智也が指差す先を見た。
そこには、暗い穴が開いていた。
穴はまるで地面から生えてきたかのように、不気味に広がっていた。
「これ、どうやって入るんだ…?」
翔は不安を抱きながら言った。
「この穴を通れば、脱出できるかもしれない!」
麻衣も興奮気味に言ったが、すぐに不安がよぎった。
「でも、危険があるかも…」
「俺たちが行かなきゃ、仲間を助けることはできない!」
智也は強い決意を見せた。
翔はその言葉を聞いて、穴を覗き込む。
「行こう、みんなで一緒に…」
そう言った瞬間、突然、後ろから足音が聞こえた。
「お前たち、どこに行くつもりだ?」
その声は、鬼のものだった。
仲間たちは振り返り、恐怖に包まれた。
先ほどの鬼よりも一回り大きかったのだ。
「ここに逃げてきたのか…愚かだな。」
鬼は薄ら笑いを浮かべながら近づいてきた。
翔はすぐに仲間たちを守るために立ち上がった。
「ここは俺たちの場所だ!仲間を傷つけるな!」
鬼は冷たい目で翔を見つめ、次の瞬間、攻撃を仕掛けてきた。
翔は必死にかわそうとしたが、鬼の動きは速く、彼は強烈な一撃を受けてしまった。
「翔!」
麻衣が叫び、彼に駆け寄ったが、鬼はその隙をついて麻衣を捕まえようとした。
「ダメだ、麻衣!逃げろ!」
智也が叫び、彼女を引き離そうとしたが、鬼は彼を一撃で吹き飛ばした。
「智也!」
翔は心の中で叫びながら、再び鬼に立ち向かう。
仲間たちを守るために全力を尽くすが、鬼の力に圧倒されていく。
「お前たちは、本当に無力だ。」
鬼は嘲笑しながら言った。
「このゲームは、私のものだ。お前たちに勝ち目はない。」
「いや、俺たちには仲間がいる!」
翔は叫んだ。
その言葉を受けて、麻衣が力を振り絞って鬼に立ち向かう。
「私たちの絆は、絶対に消えない!」
鬼は麻衣の言葉を聞き、少し動揺した。
その瞬間、翔はその隙を突いて、バットを振り下ろした。
鬼はそれをかわしたが、力強い一撃が鬼の肩を打った。
「行け、翔!早く!」
智也が叫び、仲間たちの元へ駆け寄ろうとするが、鬼はその動きを阻止した。
「もう遅い。お前たちはこの場から出られない。」
鬼は冷笑しながら言い、仲間たちを一人一人狙っていく。
翔は目の前で仲間が襲われる様子を見て、恐怖と怒りが入り混じった感情を抱えた。
彼は鬼に立ち向かうしかなかった。
その時、突然、後ろの穴が光り輝いた。
翔はその光を見て気づく。
「あの穴だ、脱出できる!」
彼は叫び、仲間たちを引き寄せようとしたが、鬼の妨害が激しく、彼らはなかなか近づけなかった。
「翔、行け!」
麻衣が叫ぶ。
「私たちを置いてでも、あの穴に入って!」
「絶対に無理だ!俺はお前たちを見捨てられない!」
翔は叫び、鬼との戦いを続けた。
だが、鬼の攻撃が続く中、次第に仲間たちの体力が奪われていく。
智也は倒れ込み、麻衣も力尽きかけていた。
「翔…私たち、無理かもしれない…」
麻衣の声が震えていた。
翔はその言葉を聞き、涙がこぼれそうになった。
「いや、絶対に脱出するんだ!仲間がいる限り、負けるわけにはいかない!」
その瞬間、智也は最後の力を振り絞り、鬼に突進した。
「行け、翔!俺たちのために、逃げろ!」
「智也!」
翔は叫び、智也の行動に心を打たれた。
智也の犠牲を無駄にするわけにはいかない。
智也は鬼の攻撃を引き受け、翔に道を開けた。
「翔、早く!俺の分まで生きて、脱出してくれ!」
翔はその言葉に涙を流しながら、仲間を置いていくことができなかった。
しかし、仲間の命を繋ぐためには、彼一人が生き残らなければならなかった。
「ごめん、みんな…必ず脱出するから!」
翔は涙を流しながら、暗い穴に飛び込んだ。
翔は穴の中を滑り落ち、真っ暗な空間に放り込まれた。
周囲は静まり返り、彼は仲間たちを思い出しながら脱出の方法を探し続けた。
「絶対に、逃げ切る…!」
翔は心の中で誓った。
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