午前6時、アラームが鳴る。
いつも通りに身支度を済ましていく。
そういえば今日は隣の部屋でまだ寝ているであろう彼女と、8時に村の探索に出掛けると約束していたはずだ。
…当の本人が8時までに身支度を済ませられればの話ではあるが。
下へと階段を降りて行くと祖母が朝御飯をつくっているようだ。
「おはよう、おばあちゃん。」
「あぁ凸くんか、おはよう朝早いねぇ。」
「いやぁ、そんなことないよ。」
冷蔵庫から飲みかけの麦茶を取り出し、縁側へ向かう。
鹿威しの音が心地よい。
そういえば読書感想文が終わっていなかったなと本を取りに戻る。
バックから暇な時用の本を取り出し戻ろうと思ったが、クローゼットの整理だけすることにした。
クローゼットの中には元々使っていただろう棚やダンボールが入っている。
どうせならと思い気になって中を見ようとすると開けにくい、本当に何か入っていそうだ。
少し力を入れて開けると…ほとんど空であった。
拍子抜けである。
何だと思い閉めようとすると、閉まりが悪い。
どうやら奥に何かが引っかかっているようだ。
「なんだろ…。」
「これって、本か…ノート?」
本を開く。
どうやら中身は何かの物語のようなメモである。
少し、気になったので読んでみることにした。
***
時刻は8時半頃。
上からどたどたと足音が聴こえ、読んでいた本を閉じる。
そして扉を開けると同時に少し怒った聲が聞こえてくる。
「ちょっと凸さん!先に起きてたなら起こしてくれてもいいじゃん!!」
「小学生でも無いし、もう起きれるでしょ!」
「〜っ!9時から行くからね!!」
そう言った彼女は朝御飯を食べに去って行く。
後20分でもすれば機嫌も戻り聲を掛けてくるであろう。
凸もりはまた本へと視線を流した。
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おぉ~!!