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あれは、俺が小学三年の時のこと。
俺の目は、桃色だ。
そのせいで、よくからかわれてた。
「お前、目の色キモーい。な、お前らもそう思うだろ?」
「うん、キモいキモい」
廊下で、いつも通りそんな声が飛んでくる。
慣れてるはずなのに、やっぱり少しだけ苦しくて。
その時だった。
「ねえ、この子のどこが気持ち悪いの?」
知らない声が、割り込んできた。
綺麗で透き通った目で言う 。
「綺麗な桜色じゃん。」
――桜色。
その言葉が、頭の中で何度も繰り返される。
息の仕方を、忘れたみたいだった。
そんな風に言われたの、初めてで。
「え、ぁ……は?」
うまく、声が出ない。
「き、キモいだろ……」
そう言いながら、そいつの顔を見る。
まっすぐ、こっちを見てる。
逸らさない。
なんでか、分からないけど。その日から、
胸の奥が、少しだけ熱くなった。
なんでかわからないけど。
あの日からずっと、胸の奥が暖かかった。
俺は、あの日からなんでかよくお前を目で追うようになった。