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「え、何と言われましても…芝生でお弁当を食べて、白鳥に餌をあげて、ボートに乗っただけにごさりますれば…」
「その、そう言った事は無かったのか…?」
「は?
そう言った事、とは?」
「だから、色々あるでは無いか!
手を繋ぐとか、抱きしめ合うとか!」
「ございませぬ。」
「そうか!」
「…気になるのでございますか?」
「ば、ば、馬鹿な!
俺がそんな小さき事を気にするはずなかろう!」
そんな言い合いをしながら、馬車は店に着き、私は何が良いかと物色し始める。
「レガット様はどのような物がお好きなのでしょうか?」
「女子ではないか?」
「シャルルダルク様とは違いますゆえ!」
「男は皆同じだ!」
「もう良いです、聞いた私がアホにございました。」
うーん、髪が少し長いし、髪留めなどどうだろう?
しかし、男性用の髪留めはあるのか???
そういえば、レガット様はゴツめの指輪をたまにしているな…?
シルバーアクセサリーコーナーを見る。
エメラルドが埋まった太めの指輪が目に留まった。
うん、レガット様のお優し気なアイスグリーンの瞳と合うわ!
「これ、いただきまする!」
私は指輪を買った。
「買ったのか?」
「えぇ、お待たせしました。」
「よし、何か旨いものを食べて帰ろう!」
「あ、最近、温野菜の美味しい店ができたとサリーが言うておりました!」
「野菜など、腹の足しにならぬぞ…
それより、豚しゃぶに行くぞ!」
「温野菜!」
「豚しゃぶ!」
「温野菜!」
「豚しゃぶだ!」
結局ジャンケンして勝った私は、嫌がるシャルルダルク様を温野菜の店に連れて行った。
「薬草の次は野菜か…」
「いい加減諦めてくだされ。
ジャンケンの結果でございましょう。」
「俺は肉が食べたいのよ。」
「んー、このサラダにチキンが入ってございますよ!」
「………」
温野菜は美味しかったが、シャルルダルク様は帰りに骨つき肉を買っていた。
「とんだデートであったわ。」
シャルルダルク様はおっしゃる。
「ん?
デートだったのでございますか?」
「そなたの鈍さが頭に来る時もある。」
「鈍いのはシャルルダルク様かと…」
「俺は鈍くなどない!」
「私とて!」
「やめよう、これではいつもと一緒だ…」
「そうでございますね…」
「デートらしい事をせぬか?」
シャルルダルク様が不敵に笑いそう言った。
「と申しますと?」
その瞬間、シャルルダルク様はこちらに寄りながら私を抱き寄せ、口づけた。
その唇は熱く、少し乾いていた。
「これで少しはデートらしくなったぞ。」
シャルルダルク様はそう言って、珍しく色っぽく私に微笑んだ。