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「決まった~!神橋君のレニ・レニ・エマ・サパクタリが十文字君に炸裂!!!ここで第二戦終了です!」
「おお~決まったみたいだね~」
「うん。召喚モンスターとの見事な連携の必技殺(フェイバリットホールド)だったね」
いつかはウチのモンスター達にも仕込んでみたい物である。
神橋君のレニ・レニ・エマ・サパクタリ(アレ)は超人パワーが必要そうだから置いといて。
「お疲れさーん」
「おつかれさまー」
取り敢えず控室に戻ってきた二人に声を掛ける。
「いやー負けた負けた!」
負けたのにいやにスッキリしている十文字君と、
「勝ってしまいましたねぇ、はっはっはっはっは」
勝った割に嬉しくなさそうな神橋君
「勝ってしまいましたねぇ、ってアンタまさか負け狙いだった?」
俺と同じ疑問を持ったのかツッコミを入れる露理葉さん
「いやぁ、だって勝ってしまったら次は小野麗尾君じゃないですか。嫌ですよ、普通に。小野麗尾城(アレ)何てどうやって攻略しろと言うんですか!?解体の様子を見た予想ですけど、アレ、城の中はかなり障害物仕込んでいますよね?」
「嫌だなぁ、ほんのちょっと足止め用のアスレチックを配置してあるだけさ。うん、冒険者なら余裕でクリアできるさ」
そう、難易度:SASUKEェっ!ってだけの可愛らしい代物さ。
「アタシ、アソコで暗殺されていて良かったかも……」
「水着……(ボソッ 撮れ高……(ボソッ」
「何が用意されていたし!?」
「はっはっは、いやぁ、どうしましょうかねぇ……」
「いやなら棄権しても良いんじゃよ……(ボソッ」
「そう言われると意地でも勝ちたくなりますねぇ……」
「ほほぅ……何か奥の手でもおありで?」
何かあるなら少しでも引き出しておかんと。
「小野麗尾君程のビックリ要素ではありませんが、僕も一つ、切り札があります」
何…だと……!?
「寂しい事言ってくれるじゃねーか、神橋君よぉ、俺相手じゃ使うまでも無かったってか?」
三下……もとい、十文字君が絡んでいく。いいぞ、もっとやれ!
「ええ、小野麗尾君に対抗できる切り札でしたので。十文字君とは相性の悪い札でしたし」
うーむ、情報が少ない。一体神橋君は何を伏せている……?
「神橋君の切り札も気になるけどぉ~ 試合開始前の、あの茶番は何だし?」
「うるせぇ、ありゃあ、その、アレだよ、アレ!う~ん、分かんだろ!?」
「アレだけじゃわっかんないし~」
「小野麗尾君の差し入れの対価ですよ」
「断っとくがお前等への差し入れじゃなかったからな、アレ」
「わ~ってるよ!?だからアレやったんじゃねーか。ほら、CMってヤツ!?」
「誤解した僕らも非がありますが、CMを要求したのは小野麗尾君ですよね!?」
「宣伝する事を対価に貰った物だからな。やりたくなかったなら買ってくれば良かったじゃないか」
「その手があったか!?」
「それで良かったんですか!?」
結果として売り上げが増えれば良いので、それで良いのだ。
「じゃ、じゃあアタシも3位決定戦の前に……」
そそくさとその場を立ち去ろうとする露理葉さんが言い終る前に十文字君と神橋君が露理葉さんの肩を掴み、
「露理葉ァ、まさかここでオメェだけ逃げるなんてダセェ事言わねーよな?」
「露理葉さん、僕は信じています。貴方が僕らと共に苦難の道を歩んでくれることを……」
「ちょっ!?離すし!アタシはちょっとしか摘まんでいないし!?アンタラみたいに遠慮なくガッツリ喰らっていないから!?」
「コイツァいけねーな。おい、神橋」
「ええ、十文字君、こちらさっきのCMで使ったタコ焼きの残りです」
「ちょっ!?止めるし!?小野麗尾もこのバカ二人を何とかするし!?」
巻き込むな、面倒な。
「ノルマ増やすよ?」
ピタッと止まる二人。コントかな?
「は~、助かったし。小野麗尾君には感謝するし」
感謝するのは良いんだけど。
「露理葉さんのノルマに変動は無いから3位決定戦では宣伝宜しくねー」
それを聞いた露理葉さんもピタッと止まり、
「やっぱり小野麗尾が一番鬼畜だし~」
掌クルックル。風邪ひきそう。