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「十文字君の連打からのアッパーカットが露理葉さんに炸裂!!!」
ビー!!!
「ここで3位決定戦終了です!勝者は十文字 隼人君!」
ブー!ブー!!!
「おっと観客席からの大ブーイング!皆さん、落ち着いてください!!!」
「容赦のない猛攻でしたからね。露理葉さんも初めは召喚モンスターを駆使して立体的な攻撃を仕掛けていたんですが、
十文字君のナックルガードの守りを崩せませんでしたね」
「そうでしたね、雷さん。アレをナックルガードと言っても良いのか疑問ですが。それにしても第二戦と言い、外の屋台の宣伝が入るのはどういう事なんでしょうか?」
「いや、流石に私にもアレはわかりませんが、第一戦・第二戦に比べてバリエーションが増えているのと、綿志野牧場直販フランクフルトが気になりますね。絶対ビールに合う奴じゃないですか(小声)」
「第一戦・第二戦はDエリアの商品がメインでしたが、今回からは他のエリアの売り物も含まれていましたからね。何某かの作為を感じますが……」
何某かも何も白須等町の屋台の宣伝効果を目にした他所の町内会のオヤジ共の作為だが。
試合前に在庫を持って控室に押しかけて、自分たちの所の売り物も頼むと言ってきたが、
俺は神橋君に小野麗尾城の対策がされているみたいなのでもう無理ですと断ると、
「そこを何とか頼むよ。神橋君も対策とかしないで、ホラ」
「卑怯ですよ、小野麗尾君!!!そこまでして勝ちたいんですか!!??」
「何を言っているんだ、君は。勝ちたいに決まってるだルオォォォォオン。 ほら君が対策なんかするから、困っている人がこんなにもいるじゃないか。君は神の僕として困っている人に手を差し伸べないのかい!?」
対策なんかしないと言え!!言うんだ!!!こいよカミハシ、対策なんか捨ててかかってこい!!!!!
「マモルッチ、必死過ぎ」
ウケルンデスケドーとか笑っている露理葉さんにはノルマを倍掛けするとして。
「露理葉、あんまり小野麗尾イジるとあとで酷い目に逢うぞ?」
十文字君、渾身の忠告。だが時は既に遅い。
「そういえば、露理葉さんは第二戦で宣伝に協力してくれなかったよね?」
露理葉さんの笑いが止まる。ギギギギギ、と音が聞こえてきそうな不自然な頭と首の動きで顔をこちらに向けると、
「エヘッ♪」
「笑顔が固い。本番前までこいつにレッスンつけてもらって」
召喚機を操作してエインセルを呼び出す。
相変わらずの特殊効果と共に、
「よっばれってとっびでってブルームフラウちゃんで~す♪
マスター、何か御用?ミ☆」
「ああ、まずはこいつを見てくれ、これをどう思う?」
笑顔で固まったままの露理葉さんを指さすと、そっちを見たエインセルが、
「ブッブー、45点で~す!」
意外と辛めの点数が付いたな。
「ちょっ!!??誰の顔が45点だし!!!!!」
あ、解凍した。
「表情硬すぎ。造り笑顔にしても練習不足。表情筋ちゃんと動かして解してる?あとお化粧も厚いっていうかあんまり顔に合ってないし、香水も付け過ぎ。ちょっと部屋変えてやり直した方が良いかも。化粧品持ってきてる?」
キッッッッツ!!!
「女の嗜みだし、持ってきてるけど」
「じゃあ、お化粧出来る場所行きましょうか?」
そう言って一人と一体が部屋を出ていき、残される男3人とオッサンズ。
「……それで、どうだろう。宣伝の方は」
「神橋君が対策をネタバラシして、捨ててくれれば……」
街角の楽器屋のショーウィンドゥに飾られているトランペットを見る少年の瞳で神橋君を見ると、
「そんなに睨んでも僕は屈しませんよ……」
「酷い誤解が発生している。僕はただ、君の屍を踏みにじって優勝したいだけなのに……」
「誤解でもなんでもないじゃないですか!? あと正直は美徳ですが、素直になればどす黒い欲望を人に投げつけて良い訳ではありませんからね!?」
「負けたのは悔しいが、勝ってたらコイツとかぁ……」
女の顔をボコボコにできる男女平等真拳の保有者が抜かしおる。
「あの……宣伝……」
オッチャンズにはエインセルと帰ってくる露理葉さんのセット販売で納得してもらった。
「いともたやすく行われるえげつない行為……神よ、悪魔はここに……」
我に魔を討つ力を、とか言い出しそうな神橋君。
だが、君が卑怯にも最後まで切り札の情報を出さなかった事を僕は覚えているからね。
君も同罪だよ、神橋君(某玉葱頭風