テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
※ケーキバース
※少しシリアス
※政治的意図、戦争賛美などはありません
※カニバリズムを含んでいます
※ソナチ
яは生まれつき味覚がほとんど機能していなかった
その理由は単純。フォークだから。
この世にはケーキ・フォーク・一般人が存在している。
フォークは生まれつき味覚が弱く、ケーキの身体でしか甘味を感じることが出来ない。
フォークが居なければケーキは一生自分がケーキだと気付かない場合もある。
ここ最近…いやずっと、フォークによるケーキ殺害事件が多発しているから、яは小さい頃から”犯罪者予備軍”なんて言われて育ってきた。
しょうがないことなのかもしれない。
でも、яは何か犯罪行為をしただろうか?
何故体質だけで蔑まれなければいけないのか?
生まれつきの身体をここまで恨んだことはない。
…重い話になってしまった。
事実であるとはいえ駄目だな…、(笑)
そろそろ楽しくもない昼食の時間が始まる。
適当に買ったものを食べる。
「美味しくない…」
ボソッと呟く。
味のしないパンを喰うのは、どうしても気が進まなかった。
そんなяにもついに友達というものが出来た。
ネット上の友人ではあるが、とても気が合う。
口調も愛らしくて性格も優しい。
黙っていても心地よいような関係だ。
けれどяがフォークということはまだ言えていない。
心の奥で、「失望されたらどうしよう」という気持ちがあるのだ。
そんなネッ友…?と今日は初めて会う日。
相手がケーキだった場合すぐに引き返す。
抑制剤も持った。
大丈夫。これで大丈夫。
きっと_
集合場所に着いた。
相手はまだ着いていないようだった。
そりゃそうか…まだ一時間半前だもんな。
яは適当にスマホやらを弄りながら待った。
30分くらい待ったときだろうか、?
見た目をおおよそ伝えておいたので相手もすぐяだと分かったようで、こっちに走ってくる影が見えた。
可愛らしい服装をしていて、鉄十字のピアスを身に付けた中性的見た目の国。
「すまん!待ったか、?まだ一時間前なのに早いな…」
「嗚呼、嫌全然…」
ドクッ
全身に冷や汗が伝う。
これはマズい。
ポケットにある抑制剤を手当たりで探る。
無い…?
「すまない…ッ近寄らないでくれ!」
「えぁ…そんな待ったこと怒ってるのか、?ていうか顔色が悪いが大丈夫…」
目の前にあるご馳走に心が揺らぐ。
本能が疼く。
でも駄目だ。
яに優しくしてくれる存在なのに。
犯罪は起こさないと誓ったんだ。
「すまない…ッ!!!」
「え…ッ?」
яは無我夢中で家に走り帰った。
ネットで出会った…そう、ナチスには
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。