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───僕達はいずれ、海月のように溶け、泡のように儚く、消えていくだろう。
序章
蝉。蝉が鳴いている。気温30度を上回る程暑い日によくも鳴きやがって。これは俺に対する嫌がらせか?はは、つまんねーの。
独りでこんな馬鹿みたいなことを考えている。そんな自分に怒りが増してくる。空に浮かぶ雲を眺める。白くもくもくしている雲。所謂、入道雲だ。しかし、その雲は今までに何度も見た筈なのに、何故か、なんとも幻想的で美しく、今にも消えてしまうそうな程に、綺麗な雲だった。
「……………雲は自由でいいな 。」思わず呟いてしまう。なぜなら雲は、勝手に風の力で動いて、勝手に雲という存在が認められているからだ。このことを’’自由‘‘というのかはわからない。
自分だって自由じゃないか、と、自分で自分を正当化する。何故って、勝手に呼吸して勝手に生きているからだ。
時々、自分は本当に必要な存在なのか、わからなくなる。誰か俺の存在を認めて欲しい。こんなド屑な俺をどうか。
そんな妄想をして、今日も静かに過ぎてゆく。
まだ夏が始まったばかりというのに、俺の心はいつでも0度を下回っている。理由?理由か……。理由??
───なんだっけ。