テラーノベル
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「あんたはそんな顔もするんだな」
ぽかんとするベルの頬を、レンブラントは愛おしそうに撫でる。
次第に包み込む仕草から、手の甲で円を描くような甘い動きになるけれど、ベルの表情はちっとも甘くない。
「……それ、いつまで続ける気ですか?」
「本当に色気がないなぁ。あんたは」
肩を竦めるレンブラントに対し、ベルはぐいっと彼の胸を押して距離を取る。
「そう邪険にされると傷付くぞ、さすがに」
拗ねたような口調でそんなことを言うレンブラントに、ベルは自分の身体に巻き付くこの太い腕を噛んでやろうかとすら思ってしまう。
「私、いけしゃあしゃあと人のせいにするような人を恋人にした覚えはありません」
「……おい、ベル。あんた俺以外にも恋人がいるのか?」
「お戯れはいい加減にしてください。あなたのことですよ」
怒りを通り越して呆れながらそう言えば、なぜかぐいっとレンブラントの顔が迫ってきた。
「ったく、言わなきゃわからんってか」
「何をですか?」
「俺がすぐにレイカールトン侯爵って名乗らなかった理由だ。少し考えればわかるんじゃないか?」
「んー……あなたが相当意地が悪いっていう結論にしかなりません」
「んなわけないだろ」
レンブラントは顔を片手で覆って長い長い溜息を吐く。
「……あんたが……すぐにレイカールトン侯爵と結婚するって言ったからだ」
ギロリ、と指の隙間から睨んだ彼は、本気で怒っているようだった。すかさずベルは視線をさ迷わす。
(しまった……確かに私、あの時さっくり言った。でも)
「そこまで怒ることですか?」
深く考えずに言ってしまった途端、大きな手が伸びてきて顎を掴まれる。
「おい、ベル。一度しか言わないから良く聞け」
レンブラントの真剣な声音にベルは身を強張らせる。
「一度は婚約の話が出た相手が自分を安売りする姿を付きつけられたら腹が立つ。まして、実際あんたを見た時から妙に庇護欲がそそられて、どうしたって気になって仕方がなかった俺としたら、ものっすごく腹が立った。なんだ、誰でもいいのかって、悔しくてならなかった」
決して怒り口調では無いが、その目はとても真剣だった。
そんな眼差しを受けてベルは心が震える。あの時、馬車で教育的指導をしたレンブラントが、自分に対してそんな想いを持っていたなんてこれっぽっちも知らなかった。
複雑な感情が絡み合って、上手く言葉が出てこない。でも嬉しい。
そんな気持ちを与えてくれた彼に対して、何か言わないとと焦ってしまった結果、ベルはつい本音を零してしまった。
「……私、別に安売りするつもりなんてなかった。結婚なんてする気はなかったもん」
「ほぅ」
ポロっと吐いた言葉は、レンブラントの地雷を踏んづけてしまったようだ。
彼は軍人だ。ここで適当に誤魔化したとて徹底的に追い詰めてくるだろう。
ベルは観念して、最後まで隠そうと思っていた胸の内をさらけ出すことにした。
紫倉 紫
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日暮ミミ♪
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臣桜
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コメント
1件
わああ第112話お疲れ様です!!✨ レンブラントが嫉妬してるの可愛すぎるんだけど…!??「あんた俺以外にも恋人がいるのか?」って詰め寄るところ、軍人さんなのに純情すぎて胸きゅんが止まらなかったよ😭💕 ベルが観念して本音をさらけ出す決意したシーンもめっちゃエモかった…!次が気になりすぎる!!