・神代組×華太の話です
・不穏書くか……ほっこり書くか……で迷った結果ほっこりにな りました
・神代組と華太さんが全力でふざけてます(特に後半)
・名波さんと華太さんの戦いを見て書けずにはいられなかった
・まだ友愛です。”まだ”。
以上がよければどうぞ!
華太「……おい」
長門「何だ?」
華太「もうそろそろ帰っていいか?」
長門「駄目だ」
華太「ええ……」
俺の名前は小峠華太。神親睦会という名で神代組に招待されたアラサーの極道だ。
華太「もうここに来て3時間は経ったよな。俺まだ仕事あんだけど」
市合「まぁそう言うなって。あ、GOD○VA食べる? 」
華太「……」
おかしいな……俺の認識だと昨日まで俺ら敵だったきがするんだが。
警戒心が無さすぎるだろ
華太「……食う。」
しかしチョコに罪は無いので受け取っておく。なんか高級そうだし。
もぐもぐ
華太「……うま」
もぐもぐ
もぐもぐもぐ
安芸「……ハムスターみたい」
華太「喧嘩売ってんのか?」
安芸「可愛いって褒めてんだけど」
華太「 嬉しくねぇよ」
この時間は一体何なんだ。
天羽組の情報抜きとろうとかそこら辺狙いかと思ったら全然天羽組について聞いてこねぇし、質問してきたと思ったらまさかの俺の住所。終わってるだろここ。
華太「一体何が目的なんだお前ら……」
長門「だから目的なんか無いって言ってるだろ。強いて言うならお前の住所」
華太「本っ当に黙ってくれ」
コイツらと話してると本格的に頭が痛くなってきた。
ウチの兄貴たちと話す時も大概だがここでの会話も相当負担になる。
どうやってここから出ようか考えていると、事務所のドアがガチャリと開いた。
広瀬「今帰った……お、小峠。来てくれたのか」
小峠「ほぼ強制だけどな。”来なかったらお前は不幸になる”とかどこの占い師だよ。変な事されちゃ不味いし仕方く来たが。」
広瀬「悪かったって。他にちゃんとした文が作れなかったんだよ」
華太「イカれてるな神代組」
安芸「内容考えたのって確かカシラだったよね」
名波「は!?」
安芸からの指摘に、ソファーの端で業務をしていた名波が肩を揺らした。
話聞いてたんか。
名波「ご、誤解だ小峠。俺が考えたのは不幸にしてやるって事だけで不幸になるとは書いてな」
華太「ほぼ同じじゃねぇか!」
してやると、なる。どっちが怖いかと言ったら名波が考えたと言った前者だろう。流石神代組のカシラ。考えることが分からん。
名波の弁解を耳に広瀬が入ってきた扉を見ると、ふらっともう1つ人影が見えた。
神代「お前らー、戻ったぞー」
華太「……げっ」
その人影はこの神代組組長、神代だった。
長門もそうだが、1度命を狙った相手と話すのは中々クるものがある。
とてつもなく気まずい。
神代「最初にでてきた言葉がげっ、はないだろう。失礼な奴だな」
華太「失礼で良いんで帰らせてください」
神代「それは駄目だ。ほら、そこにチョコがあるからそれでも食え」
どうして神代組の奴らはこうもチョコを食わせてくるのか。
ここに入ってきた瞬間もキット○ットが渡されたってのに。
でも食べ物に罪はないから食べる。
「……あ」
まずい、もう18時じゃないか。
確か18時半から須永の兄貴とシマの見回りがあったはずだ。これに遅れたら何が待ってるか……考えなくても分かる。
どうにかしてここから抜けなければ。
華太「な、なぁ。俺そろそろ本当に帰らねえといけねぇんだよ。そろそろ帰してくれないか」
広瀬「あ?もういっそのこと泊まってけよ。明日朝イチで帰ればいーだろうが」
華太「いや、今から大切な仕事が」
市合「細けぇ事はいいじゃねぇか。そこの兄貴達にも話つけとくからよ」
いやそんなの無理に決まってるだろ。俺が殺されるのは前提として天羽組と神代組の仲が悪くなる可能性だって十分に有り得る。
これはどうにかしてコイツらを納得させなければ…
(ハッ!!)
その時、俺の頭にある言葉が浮かんできた。
これは以前、潜入捜査をしていた最中に香月の兄貴から言われた言葉だ。
香月『いいか華太。惚れられた奴ってのはな、惚れた奴を大体コントロールできんだよ。相手が望む物を与えてやれば、相手もそれに応えようとある程度無理なお願いでも融通がききやすくなる。それを利用して俺達は相手から情報を抜き取らなければいけない。』
華太「融通…ですか」
香月『ああ。だから潜入で重要なのは相手の望むものを見極めそれを差し出すことだ。だが、それが必ず物とは限らねぇから、しっかり相手を見る事が大切……』
これだ……!
惚れられてる、というよりは極道として気に入られていると言った方が正しいが、まぁ大丈夫だろう。
ここで大切なのはコイツらが何を望んでいるかだが……分からねぇ……
いや、考えろ。どこかにヒントがあるはずだ!
周りには何がある……?
多分俺が見てはいけないであろう資料、可愛い熊のマグカップ、そして色んな種類のチョコ……ん?チョコ?
(それだ!!!)
華太「よし、もし今日俺を帰してくれたら次来る時空龍街の色んなチョコを買ってきてやる」
安芸「え、次も来てくれるの?」
華太「そのチョコをお前らにあげ……」
(待てよ、もし神代組に好みがあったら持ってきても意味なくなる可能性もあるな。)
華太「あ、誰か1人俺と一緒にチョコを選んでほしい。多分時間かかると思うが……」
名波「え、2人でか?」
華太「まぁ。人数は1人でいいと思うし」
名波「それってデートって事かい?」
華太「何でそうなるんだよ」
長門「2人っきりと言うことはもうデートじゃないか」
華太「違ぇよ」
市合「いやぁ、この中からデートする人を選んで欲しいなんて中々惨いこと言うなぁ小峠」
広瀬「どうやって決める?殴り合いか?じゃんけんか?」
華太「最初に殴り合いが出てくんのおかしいだろ」
くそ、なんかおかしい方向に話行ってねぇか?香月の兄貴の言う通りにしたはずなのに。頭痛くなってきた
神代「ほら、ここだ」
須永「お、いたいたー華太ーー」
華太「須永の兄貴!?」
何で須永の兄貴がここ居るんだよもっと頭痛くなってきた。
神代組長も何ですんなり通してんだ少しは警戒しろ
神代「彼が神代組の事務所の前で彷徨ってたからな。声掛けたら小峠に用があるようだし、通してやった」
須永「貴方意外にいい人ーー」
最早なんで戦争してたか分からなくなってきた。考えるだけ無駄って事だろか。
だがいい。須永の兄貴が来た今、兄貴と2人でここから出よう
華太「須永のあに」
名波「小峠とデート出来る権利を有するのは1人だけ。真剣勝負といこうか」
須永「は?華太とデートってどういう事?」
華太「うゎ…………」
須永「何で貴方達が華太とデートする事になってる訳ぇ?俺達許可してないんだけどー」
長門「須永か。……ふっ、どうしてお前らの許可がいる。これは小峠と俺達の問題だ、口を出すな」
須永「華太は天羽組なんですぅ。だから兄貴である俺の許可が必要なんですぅ」
広瀬「くだらねぇ。どうせお前仕事しないで小峠に仕事押し付けてんだろ?可哀想になぁ。こんなんじゃいつ逃げられてもおかしくねぇな」
安芸「え?小峠可哀想……」
須永「え?いや、は!?ち、違ぇし!華太がやりたいって言うから俺はわざと……」
華太「……」
須永「ウッ……そ、そんな。華太、まさか天羽組から出ていくなんて言わねぇよな?そんな事されたら俺……」
市合「哀れだなぁ須永。愛する舎弟に見捨てられて敵だった神代組に乗り換えられるなんて、ざまぁねぇな! 」
名波「お前は指を咥えて俺らを見てるがいい!」
須永「ぐわぁぁぁっ!」
華太「………………」
(帰りたい……)
(この後華太を除く全員が親っさんに叱られた)
コメント
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読んでいて面白かったです😂こういった平和?な感じもいいなぁと思いました!