テラーノベル
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注意⚠️
nmmn
年齢操作・暴力表現
BL表現
今回、自傷行為表現あります
茈の家
___茈視点
茈 「…っばあちゃん、ダメだってそれッ!」
ようやく帰ってきた家の玄関で、一緒に住んでるばあちゃんは金魚の入った金魚鉢を棚から落とそうとする。
茈 「な、あっちで一緒に涼もう?」
「そうねぇ〜、いるちゃんがそう言ってくれるなら…」
しわしわの手を握って、まだ抱えたままのバックを背中にリビングのソファへ移動する。
コケると危ないから、段差のある場所はばあちゃんの体を支えながら短いのに長い道を歩く。
茈 「ばあちゃん、そこ座れる?お茶持ってくるから絶対に動かないで。」
「うん、うんわかっとるよ 笑」
不安しかない頷きを信じながら、俺は1度その場を離れる。
自分の部屋に行って荷物を下ろしてから、柔らかい食べ物とお茶を注いで持ち手の大きいコップを持ってリビングへ戻る。
茈 「おやつにしよ?これ、好きだったよね。」
「あら~、よくわかってるのね?あんたが、あたしの孫だったらよかったのにねぇ~ 笑」
饒舌な口から、たまに信じたくない言葉が聞こえる。
俺は、正真正銘このばあちゃんの娘の子供だ。いわゆる孫に当てはまるのに、ばあちゃんは俺を孫だとは見てくれない。
____いや、見てくれなくなった。
茈 「…そうだね、俺は、ばあちゃんの孫でよかったよ。」
「そりゃあうれしいねぇ、…でも、あたしには、まだこのぐらいちっちゃい孫がいてねぇ~ 」
空で手を切りながら、ばあちゃんは過去の俺の話をする。そのどれも、俺がばあちゃんを好きになる理由になるきっかけのものばかりだった。
「そうそう、あんたとおなじねぇ、黄色いおめめだったんだよ?おれはかっこいいんだぁ〜って、いっつも怒られたさ 笑」
茈 「……」
楽しそうに話してくれるばあちゃんに、小さく頷きを入れながら涙が出そうになるのを堪える。
ここで泣いてしまえば、ばあちゃんを不安にさせてしまう。それに、今日は母さんもいるからこんな所を見せられない。
「…だいじょうぶかい?」
茈 「…っえ?」
「あたしの孫もね、泣いちゃうことがあると手を隠すんだよ。かわいいけど、心配になっちゃってねぇ〜……」
言われて気がついた手を、わざとばあちゃんに見せるように前に出す。
茈 「大丈夫だよ、ほら。もう隠してないでしょ?」
いつの間にかボロボロになった俺の手を、しわしわのばあちゃんの手が包む。
乾燥した手が擦れて、違和感を感じるけど不思議と嫌な気持ちはしない。
「辛いことがあったら、誰かに相談しなさいよ?あたしはねぇ、優しいあんたの味方だから 笑」
茈 「……っありがとう」
大好きなばあちゃんは認知症で、もう俺のことを孫とは気付いてくれない。
けど、素の優しさと人に気遣える心が俺の辛い境遇を支えてくれる。
____1ヶ月後
「いるま、明日学校休んでちょうだい。」
茈 「…は?俺、明日は無理って…」
「言ってたのは知ってるわよ、けどあたしらみんな仕事で母さん見る人居ないじゃない。誰が世話すんのよ」
茈 「だけど今日は無理って言ってんだろ、これ以上生徒会にもみんなにも迷惑かけれねぇんだよ。」
ばあちゃんが寝た数時間後、勉強中の俺の部屋に入ってきたのは仕事帰りの母さんだった。
前々から今日だけは何があっても休めないから仕事のスケジュール調整して欲しいと頼んでいたのに、前日の夜になってこれだ。
「あんたが見てなかったせいで母さん死んだらどう責任取れるのよ!それに、あたしが働いてるこのだって学生のあんたの為なんだよッ!」
茈 「……ッ」
口喧嘩で俺が勝てたことは1度もない。
けど、1度も母さんの言うことが正しいだなんて思ったことはない。
「…明日はあたしもあの人も帰ってこないから。」
そう言い残して、母さんは俺の部屋を出た。
また生徒会の2人に迷惑をかけてしまうことに自責の念を負いながら、怒りのまま隣に置いてあったカッターを手に取る。
茈 「…ッくそが…なんで俺ばっかり…ッ!!」
クラスの奴らの楽しそうな顔を浮かべては、腕をカッターで一刺し。どばどばと溢れ出る真っ赤な液体は痛みも快感も誘わなかった。
茈 「なんで、俺が…ッ俺だけッ…」
自然と溢れて、腕の上で赤い液体と透明な涙が混ざる。ぼやける視界には、見えなくなった文字とらんから貰ったシャーペンが入る。
こんな家に生まれてなければ、普通に学校に毎日行けて、好きなだけ友達と話して、遊んで、馬鹿みたいな青春を送れたのだろうか。
茈 「もう…ッわかんねぇよ…っ笑 」
乱暴に薬瓶から小さい風邪薬を大量に手のひらに乗せて、1口分の水と飲み込む。
ふらつく足で勉強机のあかりを消して、長年使ってるベットの上に倒れ込む。
茈 「…ッごめん、ばぁちゃん…」
約束守れなくて、ごめん。
ばあちゃんの孫なんかじゃなければ、なんて考えてごめん。
___プルルプルル…ガチャッ
茈 「…っん、なに…」
翠 『なに?…じゃないよ!今日は来るんでしょ?とっくに遅刻の時間だってば…』
茈 「……あー、ごめん。今日もう無理、昨日ODして頭いてぇ。」
桃 『っはぁッ!?なんでそんな命を削ることしてんの!今から家行くかr』
ブチッ___
茈 「あー、うるせぇ…頭いてねぇのに、きいきい怒鳴るなよ…」
昨日の名残で、まだ重たい頭を動かしながら昨日の大惨事なことになってる机の上を片付ける。
それに布団にも大量の血がついていて、血が見えないように畳んで洗濯機の中にぶち込む。
茈 「……今日は貧血デーだな、鉄分とんねぇと…」
ピッと、洗濯機から音がしたのを聞いてからまだばあちゃんが起きる時間ではないことを確認して朝飯を食う。
茈 「…ばあちゃん、起きてこねぇな…」
起きてから数時間が経った、ばあちゃんの部屋から物音も聞こえないし起きてくる様子もない。
やれる家事、全て終わらせてから心配になってばあちゃんの部屋を見に行く。
茈 「ばあちゃん、朝だ…よ…?」
ぺらっ(布団をめくる
もっこりとした布団の下にはばあちゃんの姿はなくて、母さんの服やらバックが出てくる。脳が理解するのに数秒固まってしまう。
茈 「は、?」
ようやく出た声は、戸惑いと怒りの混じった一言だった。 ばあちゃんはこんな高そうなバックも、服も母さんと違って好きじゃない。
こんな、人を惑わせるような行動を取って馬鹿にして楽しむのは母さんだけ。
茈 「…ッまたかよ…」
もうやめてしまいたかった。足の力が抜け、壁に寄りかかりながら床に力無く座り込んでしまう。
何時だってばあちゃんを探すのは俺。父さんは仕事で帰ってくる日なんてほぼ無いに等しい、それでいて母さんはゴミのような性格だ。
唯一まともだったばあちゃんも、もう記憶が曖昧になり風呂も食事もひとりじゃ出来ない。今なら気づかなかった振りをすれば……なんて、悪い考えが頭をよぎる。
茈 「…… 」
ばあちゃんの部屋って、こんなに俺の事でいっぱいだったんだ。
壁にはいくつも貼られてる、小さい頃の俺が書いた上手とは言えないようなばあちゃんを描いた絵。
天井にも糸を折り紙に通して上からぶら下げるように、折り鶴や星の形をした折り紙もあった。
茈 「…なんで、気づかなかったんだろ…ッ、こんな俺の事でいっぱいなのにッ」
何百回もこの部屋には入っていたのに、この絵や折り紙に気付いたのは今日が初めてだった。何年もずっと綺麗な姿で保存されていて、小さい頃の俺がすぐ側で『だいじょーぶだよ』と言っているところまで目に映し出された。
茈 「…っは 笑そうだよな、俺はまだ動ける。」
足に力を込めて立ち上がる。ばあちゃんを探すのは毎回困難だけど、今諦めてしまえばきっともう会えない。
そんなの、この家で唯一大事にしてくれたばあちゃんへ恩を仇で返すことになってしまう。
腕を隠せるような上着に体を通し、ふらつく足取りを無視するように家から飛び出す。
この広い街で、たった1人を見つけ出そうとする俺をみて幼い頃の俺はきっと『たんけんかだ!』なんて言ってくれるんだろうな。
コンビニ前
____桃視点
桃 「はぁー、あっつい…」
赫 「なんで俺らまで外連れ出されたんだよ」
瑞 「こさちゃん、疲れたぁ〜」
口々に愚痴を漏らしながら、コンビニで買ったアイスを口に頬張る。
後ろで余裕そうにしてる優希くんとすちにもアイスを齧らせてあげた。
黈 「ん~、おいしい…」
翠 「一気に体が冷えるね、もう一口いい?」
冷静な口ぶりで、普通にもう一口くれとねだってくるすち。こんなにおもろい奴がいるのだからいるまを一緒に入れたら良かったのに。
……ん?いるま?
桃 「…あ!そうじゃん!こんな呑気なことしたくて外に出たんじゃないんだよ!」
翠 「いるまちゃんでしょ?流石に俺らもそれは覚えてるよ、てからんらんが勝手にアイス買っただけじゃ…」
うるさい口にアイスを突っ込んで悶えてるすちを後ろに、俺は4人に説明をする。
桃 「いるまの家にこれから向かうんだけど、いるまと俺らが話してる間2年生にはいるまのおばあちゃんの相手をして欲しい。」
瑞 「おばあちゃん?」
桃 「気をつけて欲しいのはおばあちゃんだけじゃないけど…まぁ、まずはいるまが不安にならないようにしたい。」
前に1度いるまの家にお邪魔した時、いるまのお父さんがいた。いかにも昭和の人って言えるような暴力男で、いるまがなにか間違えればすぐに誰の目の前だろうと手が出る。
ずっといるまは我慢してるけど、俺らを守ることに必死だったのかばあちゃんまで見守りきれなくているまのばあちゃんは一人で家から出て街まで行ってしまったらしい。とっくに限界が来ていたのか、いるまは結局その日泣き出してしまった。
あんな顔は二度と見たくない、ボロボロになったいるまの顔が未だに鮮明に思い出される。
赫 「ばあちゃんの相手とかしたことねぇけど…」
桃 「大丈夫だよ、いるまのばあちゃんはお喋りが好きだから話を聞いてあげるだけでもずっと満足してくれるよ。」
瑞 「それだけ?ならこさめ得意!」
元気いっぱいな2年生に比べて、すちや俺はまたあの家に行くのか…という気分だった。
けど、ここでなにか文句を言っても変わらない。俺をすちに背負わせて足早にいるまの家へ向かう。
コメント
1件
ばあちゃんの認知症の描写が切なくて、でも、そんなばあちゃんの優しさに救われる茈の気持ちが伝わってきて胸が苦しくなったよ…。家族に追い詰められてODまでしてしまうシーンは見ていて辛かったけど、それでもばあちゃんを探しに行く茈の強さに泣けた。最後に桃たちが駆けつけてくれる展開に少しホッとした。続きが気になるね。
茜音
140
#📢🍍
暇主@夏休み入ったー!
659
あはそ
4,154