ウミが麦わらの一味に戻りしばらくたった頃、ウミの誕生日が近づいていた。
【ウミの誕生日、10月3日】
そんなある日、ハートの海賊団水潜艦の中。
ロー「おい、イッカク。」
ローがイッカクに話しかける。
イッカク「なんですか?キャプテン」
ロー「17歳くらいの女子は何を貰ったら嬉しい?」
イッカク「!?!?!キャプテン!?まさか!女が!?女できたんですか!?」
ロー「ち!違う!いいから教えろ!!」
イッカク「ま、まぁ。いいですけど」
数日後、ある島に来ていたウミは島の中の街を歩いている。
ウミ「うわぁ!!美味そうなのがいっぱいあんじゃねぇか!」
ウミはヨダレを垂らしながら見ている。
ウミ「ん?あれって…トラ男?と、隣は誰だ?」
ウミはトラ男と知らない女が二人で歩いているのを見て、気になり物陰に隠れながら2人のあとを追った。
ウミ「誰だろ。知らない奴だ。も、もしかしてトラ男の彼女!?」
ウミの視線の先にいるローはその女に向かって赤面していた。
ウミ「……トラ男のやつ、あんな顔するんだ…」
ズキン)
ウミの心臓がズキンの音を立てる。
ウミ「???」
ウミは心臓を抑える。
ロー目線
イッカク「で、キャプテン。プレゼントを送りたい女の子はどこの誰なんです?」
イッカクが面白がるように笑いながら聞く。
ロー「お前には関係ない。」
イッカク「どうしても喜んで貰いたいから買い物付き合えって言うから来たのに教えてくれたっていいじゃないですか。」
ロー「…不器用だけど素直に可愛い…」
イッカク「いや、ベタ惚れじゃないすか。」
ロー「なっ!?」
ローが赤面する。
ロー「わ、悪いか?」
イッカク「いや、別に悪くは無いですけど。未来のキャプテンのおよめさんかぁ」
イッカクはからかう様に言う。
ロー「は!?」
真っ赤になる。
そしてウミ目線
?「あら、ウミ。こんなところでコソコソ何をしているの?」
ウミ「!ロビン!ナミ!」
ウミが振り返るとそこにはロビンとナミがいた。
ナミ「ん?あれってトラ男とイッカク?」
ウミ「ん?ナミ知ってんのか?」
ナミ「まぁ、一応は。だってトラ男の…」
ウミ「トラ男の彼女?」
ロビン、ナミ「ん?え?」
ウミ「あの二人、お似合いだよな…トラ男のあんな顔見たこと無かったし…なのに心臓が痛え」
ウミは悲しそうな顔をする。
ロビンとナミが顔を見合わせ、ニヤッと笑う。
ロビン「ウミはトラ男くんが好きなの?」
ウミ「え?トラ男?…ん〜よく分かんねぇ」
ナミ「でも他の女と歩いてるの見たらモヤモヤするんでしょ?」
ウミ「うん!ちょーする!トラ男がどっかの女と仲良くしてたり手繋いでるのヤダ…」
ウミが俯く。
ナミ「え!?あの二人、手繋いだの!?」
ナミが驚く。
ウミ「いや、手は繋いでなかったけど…想像したらこの辺が苦しくてよ。それに顔赤くして話してた。」
ウミが心臓を抑えながら言う。
?「あ゛?」
ナ、ロ、ウ「ん?」
ウミ「あ!!!」
ロビン「あら」
ナミ「嘘!?」
後ろから3人を見つけて声出したのは…
ウミ「ケムリン!?」
そう。海軍中将、スモーカーだ。
スモーカー「てめぇらが居るって事は麦わら達も居るって事か!」
スモーカーが走って来る。
ナミとロビンは逃げる体制に入るがウミは立ち尽くし、スモーカーを見つめている。
ロ、ナ「ウミ!?何してるの!?逃げるわよ!」
ウミ「なんか、逃げる気しねぇ。」
ウミがキョトンとする。
そのウミに視線を向けたスモーカーが止まる。
スモーカー「何言ってやがんだ。お前は。はぁ」
スモーカーがため息を吐く。
次にスモーカーはナミ達に視線を移し、言う。
スモーカー「コイツ、少し借りてくぞ。」
ウミ「ん?」
ナミ「は!?いい訳ないでしょ!ウミを捕まえようなんてそうはいかないわよ!」
ナミが怒鳴る。
ロビン「ナミ、落ち着いて。この人はウミを捕まえる気はないわよ。まぁ、違う意味では捕まえたいみたいだけどね。」
ナミ「あ、そゆことね。今理解した。」
ナミがロビンに告げる。
ナミ「んじゃ、ウミの事頼んだわよ。ちゃんと連れてくるのよ。わかった!?」
ナミがスモーカーに言う。
スモーカー「うるせぇ奴だな。わかってる。」
ロビン「ウミ、いい?変な事されたら攻撃するのよ?」
ロビンがウミに言う。
ウミ「?わかった!」
ロビン「いい子ね。」
ロビンは微笑みながら頭を撫でる。
そして、ウミとスモーカーは2人と別れ、歩いている。
ウミ「てかよ、なんでケムリンこの島に居るんだ?」
スモーカー「偶然だ。」
ウミ「ふーん。ならなら、今歩いてるのは?」
スモーカー「お前、あと少しで誕生日だろ?」
ウミ「。。。え?そうなの?」
スモーカー「。。。は?…はぁ。自分の誕生日も忘れてやがる。」
ウミ「なんで私の誕生日知ってんだ?」
スモーカー「お前のじいさんが自慢げに話してた」
ガープ『もう少しでウミの誕生日なんじゃ!』
スモーカー「ほら、グダグダ言ってないで欲しいもん買ってやるから見に行くぞ。」
ウミ「ほんとか!?やったぁーーー!」
同刻、ローとイッカクは帽子屋に訪れていた。
『私だけ帽子ねぇんだよなぁ。』
『私、帽子被るならこれがいいんだよなぁ。(バケットハット)』
ローはバケットハットを見ながら、ウミの言葉を思い出していた。
イッカク「その子って帽子好きなんですか?」
ロー「好きというより憧れがあるらしい」
イッカク「帽子に憧れ?」
イッカクは不思議そうな顔をする。
ロー「そいつには兄が3人いて、3人とも帽子を被ってるが、そいつだけ被ってねぇ。」
イッカク「あ〜。兄達と同じがいいんですね〜可愛いかよ!」
バケットハットで白の虎模様と黒の虎模様があった。
ロー「白か…」
イッカク「白にするんですか?黒の方がよく見ますけどね。」
ロー「あいつの異名に白が着いている。それに…(俺の帽子と同じ柄…)」
イッカク「それに、なんですか?」
ロー「フッ。いや、なんでもない。」
ローは嬉しそうに微笑みながら、白いバケットハットを買った。
イッカク「買い物、これで終わりですか?」
ロー「ああ。」
イッカク「にしても沢山買いましたね。」
ロー「ああ。」
イッカク「喜んでくれるといいですね。」
ロー「ああ。」
イッカク「って!さっきから、ああ。しか言ってないじゃないすか!」
ローは買った帽子を見つめていた。
ロー「!!!!」
ローが顔をあげると視線の先には驚くものを見てしまった。
ロー「なんでアイツが…」
ローは目を見開きつぶやく。
なぜならそこにはスモーカーの隣を歩くウミの姿があった。
イッカク「キャプテン?どうしたんですか?」
イッカクの言葉を聞かずしてローの足は2人の元へ歩を進めていた。
イッカク「え?え?キャプテン!?」
イッカクは後ろから呼びかける。
時は少々遡り、ウミとスモーカーはプレゼントを見に来ていたが、
スモーカー「本当に欲しいものが無いのか?」
ウミ「うん。欲しいもの無いんだよなぁ」
スモーカー「…じゃあなんか食いに行くか?」
ウミ「珍しいなぁ、お前が誰かを思いやるなんて」
スモーカー「うるせぇぞ、ガキ。」
ウミ「ガキじゃねぇし!てかガキって言った方がガキなんだぞ!」
スモーカー「ほれ見ろ、そういうことを言う奴がガキなんだ。自覚しろ」
ウミ「なんだとぉ!?」
ウミがスモーカーにパンチしているがスモーカーがウミの頭を抑えているため当たらない。
スモーカー「ほら、短い腕で頑張れ」
スモーカーは葉巻の煙をウミの顔にふ〜っとかける。
ウミ「ケホッ!くっせ〜やめろよな!」
スモーカー「ほら、なんか食いに行くぞ。何が食いたい?」
ウミがパァ〜と笑う。
ウミ「✧*。(ˊᗜˋ*)✧*。!肉だろ?お汁粉だろ?いっぱい食いたい!」
?「おい」
ス、ウ「?」
ウミ「あ!トラ男!」
ローがウミの腕を掴み、早足で歩き始める。
ウミ「え?え?トラ男!?」
ロー「…」
それを見ていたイッカクは
イッカク「え?もしかしてあの子がキャプテンの好きな子?ハーン?可愛いじゃん」
スモーカー「ちっ!あの野郎!」
スモーカーはイライラしていた。
それからウミの腕を掴み前を歩いていたローが立ち止まり、ウミの方へ振り向く。
ウミ「?」
ロー「なんでアイツと一緒に居た?」
ウミ「え?」
ロー「だから!なんでアイツと楽しそうに歩いてたかって聞いてんだ!」
ローがイライラした口調で怒鳴る。
ウミ「は?…お前には関係ないだろ?」
ロー「はッ、関係ないだと?」
ウミ「お前だって!さっき知らねぇ女と歩いてたじゃねぇか!それだって私には関係ないし!…関係ない、し…」
ウミが泣きそうな顔を一瞬したが走り出した。
ロー「おい!ウミ屋!」
ローは叫ぶがウミは聞かず走り続ける。
ウミが走りながら言いすぎた、と悔いていた。
そして10月3日、ウミの誕生日。
今日でウミは17歳だ。
麦わらの一味の皆に祝われ
サボ達【革命軍】
キッド海賊団
ガープ、スモーカー、たしぎ達からは電伝虫で祝われた。
そして夜になり、サニー号では宴が行われていた。
1度風に当たろうとウミば甲板へ出る。
静かに風がウミの頬を通り抜けた後、少し強い風が吹く。
?「遅くなった…」
ウミの後ろから声が聞こえた。
そしてウミは振り向く。
ウミ「…トラ男?…」
そう、この間気まずくなったローだ。
二人の間に気まずい風が吹く。
ロー「ふぅ…」
ローが1つ息を吐く。
ロー「今日が誕生日だと聞いてな」
ウミ「え?」
ローがウミにプレゼントを渡す。
ウミ「開けてもいいか?」
ロー「ああ。」
ウミがプレゼントを開けると、
ウミ「これって…」
ロー「前に帽子を欲しがってただろう。」
ウミ「…私も帽子を被れるのか?!」
ウミがパァーと笑い問いかける。
ドキッ)
ウミの嬉しそうな笑顔でキュンとする死の外科医。
ウミ「今被ってみてもいい?」
ロー「ああ…」
ローの返事を後にウミは白い虎柄のバケットハットを被る。
ウミ「どうだ?似合うか?」
ウミがニコニコしながら笑う。
ロー「フッ、どうだろうな。」
ウミ「おそろいっ!」
ウミは満面の笑みで言った。
ロー「……/////気にいったか?」
ウミ「うん!めちゃくちゃ気に入った!ありがとう!」
ロー「…プレゼントはそれだけじゃねぇ。」
ウミはローに言われてプレゼントの袋の中をもう一度覗く。
ウミ「うわぁぁぁ!これ!」
ウミが目をキラキラさせる。
ウミ「お汁粉!しかもいっぱいだあ!」
ロー「これなら自分でも作れるだろ。」
ローがフッと笑う。
ウミ「うん!」
そしてウミはプレゼントを嬉しそうに抱きしめ、歌う。
『どうして
あの日遊んだ海の匂いは
どうして
過ぎる季節に消えてしまうの
~~〜~~~〜~~
暁の輝く今日に』
ロー「………」
海風に艶のある黒髪を靡かせながら歌うウミを、ローに生きる意味を与えてくれた、あの子を思い出しながら見ていた。
少女『生きる意味って難しい事、私にはわかんねぇ。でもさ、意味なんてなくてもさ、生きてる事が意味なんじゃねぇかな?』
ロー「お前は生きる意味ってなんだと思う?」
ローは確かめるかのようにウミに尋ねる。
ロー「(お前は俺に生きる希望を与えたアイツなのか。それともただアイツに似た誰かなのか…)」
ウミ「なんだよ急に。」
ウミが隣にいるローに尋ねる。
ロー「いいから答えろ。」
ウミ「ん〜、そうだなぁ〜…生きる意味って難しい事、私にはわかんねぇ。でもまぁ、意味なんてなくても、生きてる事が意味なんじゃねぇかな?」
ロー「!!!!」
ローが驚きを見せるが確信を持った。
コイツは12年前にコラソンと訪れたある島のある山で出会った自分より9つ下で、ローに生きる希望を与えた初恋の相手だ。
そして、ついでに思い出したことがあった。
あの時、出会ったのはコイツだけじゃない。
幼い麦わら屋、炎帝屋、火拳屋。
ウミが初恋の相手だと気づいた時、ほかのことも思い出した事で、思い出のピースが揃った。
間違いなくウミはローの初恋の相手だと言う事を。
ウミ「てか、なんでそんな事聞くんだ?」
ロー「…聞いてみたかっただけだ。気にするな」
ローが少し嬉しそうに微笑む。
ウミ「何笑ってんだよ。気持ちわりぃな。お前」
ロー「うるせぇ」
そして、船室からクルー達が出てくる。
ナミ「あれ?トラ男くん?それにウミ。」
ロビン「2人きりで何していたの?」
ロビンがからかいを含めた笑顔で問うてくる。
ウミ「誕生日プレゼントくれたんだ!ほらほら!この帽子!」
ルフィ「お!ウミ、お前も帽子出来たんだな!しかもトラ男と同じ柄じゃねぇか」
サンジ「よっぽどお揃いが良かったみてぇだな。ロー」
ロー「……」
フランキー「なんだ似合ってるじゃねぇか。」
ウミ「だろだろ!にしし!」
それから少しガヤガヤと騒いでいた。
その後、ローは潜水艦に戻り、クルー達も寝床に着いた。
だが、ウミだけは寝ることが出来なかった。
ウミ「……私の誕生日にルフィが居る時は…エース…お前も居たのに…なんで居ないんだよ(´•̥ω•̥`)サボだって祝ってくれた。なのにエースが居ない…ゔぅ…」
ウミはエースを思い出しながら泣いて居る。
それから2時間くらい経ち、
ルフィ目線
ルフィ「ん〜…よっと。あ、まだ夜か」
ルフィはふと目を覚まし辺りを見渡す。
そしてルフィが部屋から出ると何処からか歌声が聞こえた。
『信じられる〜信じられる
あの星明かりを、海の広さを』
ルフィ「ん?誰か歌ってんのか?」
歌の聞こえる方へ近寄るとサニー頭に座り、ウミが歌っていた。
ルフィはそのまま歌っている姿を聴いて見つめる。
ピクっ)
ウミは視線を感じで見るとルフィの姿があった。
ウミ「ルフィ?」
ルフィ「ウミ、歌うめぇなぁ。それにしてもお前、真っ白じゃねえか。どうしたんだ?」
ルフィはキョトンとして聞く。
ウミ「え?真っ白?」
風が吹き、髪が見える。
ウミ「え!?白くなってる!能力使いすぎたわけでもねぇのに!」
【※ウミは能力を使いすぎた時と覇王色を使った時に髪色が白くなる。】
ルフィ「じゃあ覇気の使いすぎか?」
ウミ「いつ使ったんだよ!」
ウミがツッコミを入れる。
ルフィ「アヒャヒャヒャ!それもそうだなぁ!」
ルフィが爆笑する。
ルフィ「ていうか、なんで起きてんだ?」
ウミ「ん?ああ、眠れなくてな。」
ウミが顔を背ける。
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