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俺がなつを見かけたのは偶然だった。



数年前、その日はたまたま仕事でカポと遠くに行っていて他のファミリーの構成員とボスとの面会をしていた。


boss「いるま、ご苦労さま」

📢「!カポ…お疲れ様です…」

boss「急で悪かったね?らんの変わりに行って貰って…」

📢「っいえ、俺でお力になられましたのなら幸いです」

その時の俺はカポとの会話が慣れてなくぎこちなくてよくカポは微笑ましく俺を見ていた。

boss「良ければどこか食事に行ってから帰ろう。俺の奢りだ」

📢「…!そんなお気遣いは…」

boss「いーや、いるまが頑張ってくれたからな、今日くらい奢らせちゃえよ?」

そうやって子供みたいに笑うカポに俺は甘えちゃって近くのフレンチレストランに行くことになった。

boss「じゃあ今予約してくっから待ってな?」

📢「…1人では危険なんで俺も___」

boss「大丈夫だからな??」

圧に負けてしまい俺は待つことにした。


📢「………ん?」

カポを待ってる時、制服を着た青年が歩いていた。だが今はもう夜の20時、高校生からすればまだ出歩いても良い時間っちゃ時間だが歩いてる先は住宅街でもなんでもない、商店街の方だ。それにすっごく痩せてて真っ青な顔をして歩いてる。


📢「……っお前、」

俺は気づいてたら青年に訪ねていた。ピクっと反応をしてこっちを振り返った。よく見れば痩せ細ってはいたが綺麗な顔立ちをしている。

📢「…こんな時間に何している?」

「…ごめんなさッ…」

📢「謝って欲しいんじゃないんだが」

「ッ…ご飯ッ…探しにっ…」

返答は少し予想はしていた。昔の俺と一緒で虐待されてるのか、もしくはホームレスなのか。でも格好はそこまでボロボロでもなく普通の学生っぽかった。

📢「…金はあんのか?」

「ッ……」(フルフル

なんにも買えねぇじゃねぇか。

そう思いながら青年を見る。俺の事が怖いのか震えながら逃げ腰になっている。マフィアは人に対して優しい気持ちを持ってはいけない、甘えてはいけない、そんなのは全然分かってる。でもその時見た青年を昔の俺と当てはまってしまって無視できなかった。

📢「……ほれ、」

「…っ!!」

俺は財布から1000円札を取り出し渡した。青年はびっくりした顔で1000円札と俺を交互に見ていた。

「受け取れませんっ、そんな大金ッ…」

📢「いいんだよ、早く受け取れ」

渋っているのに腹が立ってしまい少し怒り気味で言えばびびりながらも手に取った。

「ッいつかっ…お返ししますっ…」

📢「いい。そんなめんどくせぇ事すんな」

そう言うと青年は困った顔をしていたがこれ以上言ったら怒ると察したのかペコリと頭を下げて商店街の方へと走って行った。


boss「へぇ?いるまって優しいね?」

📢「っ!!カポ…!も…申し訳ありません…」

boss「…さっきの子、お前に似ていたからなんだろ?」

📢「っ…はい」

boss「…別にいいけどよ?この世界マフィアに入ったら人に情なんか持っちゃいけねぇからな?」

カポを見れば優しい顔はしていたがどこか空気が重く感じさせる圧もあり当時の俺にはきつくて少し顔を歪めてしまった。それもカポは顔を見てわかったのだろう。何も言わないまま2人で予約したレストランに行った。






それから数年が経った。

俺はもう一度この街を訪れた。理由は普通に仕事だ。最近加熱性ガスでの死亡者数、移民の増加でドヤ街になってる街があり俺たちが住む街に近いここも近くにはドヤ街になるだろう、偵察に行っていた。

歩いてる道端には散歩している年寄りや学校帰りの小学生らが俺の横を通っていく。そんな時、ある1人の学生を見つけた。

「なつっ!勉強教えろよっ!」

🍍「え…や、今日親におつかい頼まれ…」

「そんなの後にしろよ〜」

楽しそうに絡んでくる2人の学生と真ん中に挟まれて困った顔をしてる1人の学生がいた。真ん中にいる奴をよく見ればあの時金を渡したガキだって事がわかった。相変わらず痩せ細っていてあの後しっかり飯は食ってんのかといらん心配までさせてくれる。

🍍「…ごめん、今日は無理で…」

「お前さ?毎回親を理由に帰ってるけどそんなに親が大好きなんか?」

「少しくらいは俺らの要望くらい答えて欲しいのにさ?なんなん?お前」

そう言って2人の学生は離れて行った。挟まれて困ってた学生…なつはその場で動かないでうつむいて立ち尽くしていた。

📢「……………」

悪いが俺には関係ない。 あの時みたいに金をやる事も、慰めることもできない。

そう思いながら俺は何も見なかったと貫きながら突っ立ってるなつの横を通り越した。横目で少し見てみれば顔は見えないが泣いてるようにも見えなかった為いらん心配をした自分に心底呆れていた。




何とか任務も終えて後は帰ってカポに報告すれば終わりだ。歩いてただけだからあまり疲れておらずまだ身体を動かしたい気分になりながら帰っていく。

すればもう夜遅いのにまたなつが夜道を歩いてた。また食いもんを探しに商店街とかを回って行くのかと思いきやコンビニのビニール袋を持っていた。遠くから見ればゴミが入っていた。でもその中に紛れてる封を閉じたままの綺麗なおにぎりがある。



お前さ?毎回親を理由に帰ってるけどそんなに親が大好きなんか?___


少しくらいは俺らの要望くらい答えて欲しいのにさ?なんなん?お前___



📢「…………」

俺と一緒だ。親の顔を伺って、自分の身体を犠牲にしてまでこき使って、親から罵倒されて、最後に自分が壊れていく。

形は違ったってコイツも一緒なのだろう。

道の電柱からの街灯に照らされながらなつの後ろに俺は歩く。着いて行ってる訳じゃなくてただ帰ってる方面が一緒なだけだが。

するとなつは路地裏に入ってった。そこで食べるのだろうか…

📢「……」

人間は好奇心の塊だ。俺もそうだ。気になってしまい顔だけを少し出し路地裏の方を見た


📢「………!」




🍍「っ…ひぐッ…ぐすっ…」(ポロポロ…

アイツは路地裏でうずくまっていた。我慢していた物がいきなり壊れたのだろう、1人で泣いている姿が俺の目に写った。なつの泣いてる痩せ細ったか弱い背中を見ていたら昔の虐待されて1人で泣く事しかできなかった俺と重なり合った。

それが俺自身を壊した原因なんだろう。


あの後、俺はなつについて調べた。

名前、誕生日、住所に年齢、通ってる高校まで全て調べた…

調べてるとたまにあの泣いてる姿が目に浮かんでくる。これは一目惚れみたいなものだ

もうあんな姿を見たくない。

飯をいっぱい食わせてやりたいし、寝床も用意して安心させてやりたい。

俺が笑顔にさせてやりたい。



だから、




待ってろよ、なつ



仲間が迎えに行く。










そんな懐かしい夢を見た。

今はもう朝の9時、隣には静かに寝息をたてているなつがいた。

今は、飯も沢山食わせてるし気持ち良さそうに寝ている姿もある、多分幸せなんだろう。

汗で前髪が束になっていて撫でながら無理をさせた事に反省しつつ、俺も二度寝をしようとなつに寄り添いそのまま眠った。

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コメント

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投稿ありがとうございます✨️ いや感動ものだぁ😭😭 続き楽しみです*ˊᵕˋ*

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