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3.メディアとメディアの「隙間」
なんの変哲もないオフィスビル内の一室。
年配の社員に見える男性が、突然大声を上げた。
「えぇっ?」
広報部長のパソコンのモニターに、目を疑う記述が映し出されていた。
“Kouyama Parel who’s the daughter of the chairman of Kouyama Holdings, one of Japan’s largest corporations, has been implicated in inciting a minor to commit a crime (coercing shoplifting). What has become of corporate ethics?
(コウヤマ・パレル、日本有数の大企業・向山ホールディングスの代表令嬢が、未成年者への犯罪教唆(万引き強要)に関与。企業倫理はどうなっているのか?)”
この一報が海外の経済圏から逆輸入される形で日本に届いた時、パレルの父・マサツグが経営する企業の一広報部はパニックに陥った。
「何なんだこれは!?!?」
「私も初見であります……」
拡散の初発は、地域掲示板ではなく、投資家向けのクローズドなコミュニティと、ESG投資(環境・社会・ガバナンス)を重視する海外の経済系ニュースサイトの「読者投稿欄」だった。
4.崩れ去る王冠
カチッ
カチッ
カチカチッ……
時を同じくして蓮たちは、チタやマレたちが、パレルの「郎党」たちがSNS上で自慢していた「特権的な遊び」――未成年者飲酒やブランド品の横領まがいの行為――の証拠を、それぞれのコミュニティ(小学校のママ友ネットワークや、中学生の非公式チャット)に一斉に投下した。
今回は、田辺翔太の時とは違う。拡散の先には、常に「法的な問いかけ」と「企業の責任追及」がセットになっていた。
⇩
* パレルのアンバサダー契約は即日解除。
* 彼女を「カリスマ」と持ち上げていたティーン雑誌は、謝罪文の掲載を余儀なくされた。
* そして、彼女の父親の会社の株価は、コンプライアンス不安から一時急落。
⇩
父は、自分の地位を守るために、娘を守るのではなく、「娘を切り捨てる」という決断を下さざるを得なくなった。