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 広い地下空間、中央の祭壇の前。
 最愛の女性は辛苦に圧し潰されたように、そこに蹲っていた。

 ──『エラっ……』

 煙を吸い込みすぎたのか、肺が痛む。
 その華奢な背中に駆け寄り見ると、彼女は眠る赤子を守るように胸に抱えていた。

 生後間もなく、死んでしまった──私たちの、娘だ。

 ──『間違っていることは、わかっているの。でも、どうしてもこの子だけは、置いていけない……』

 普段の気丈さからはかけ離れた震え声で、彼女がうわ言のように呟く。
 なにを言っているのか、わからなかった。
 正しくは、なにが間違っているのかがわからなかった。
 こんな場所に、死んだ娘を置き去るほうがどうかしている。
 だから私は迷わず、娘の亡骸を守る彼女の肩を抱いて、どうにか**********

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嫌われメイドですが、王子殿下の恋人役になりました

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