侑視点
昼休みは俺にとって治とゆっくり過ごせる唯一の時間だ。
だからいつも昼休みを楽しみにしているのに今となってはその楽しみもなくなってしまった。
なぜなら治は彼女と昼食をとっているから。
「侑、元気だしてよ」
「そうやで、俺らがおるやん」
2人ももちろん大好きだ。一緒にいて楽しいし。でもやっぱり治が居ないと寂しい。
「だってぇ..、寂しいんやもん..う”ぅッ..治に会いたい〜、!」
「あー、泣いちゃった」
「侑は治にべったりやなぁ」
そう言いながら背中をさすってくれる銀。優しい。
笑いながら写真撮ってるスナ。
許さない。
勢いで出た言葉。自分でも驚いている。
「それって、治のこと好きなんやない?」
好き? スキって?
家族なんだから好きなのは当たり前。
なのに銀は今気づいたみたいに言う。それが不思議でたまらなかった。
「銀、侑にはまだそのワード伝わらないから」
「そうなん?」
「いや、伝わっとんし。なめすぎや。俺は治のこと大好きやで?」
「ほら、伝わってない」
重症やなぁと苦笑いする銀と呆れた顔をするスナを見て訳がわからなくなってきた。
「まぁいつかはわかるよ」
「お、おん?」
俺は頷くことしか出来なかった。
治視点
昼休みが終わり、自教室へと戻る。
興味のない女とどうでもいい話をして過ごした昼休み。
今すぐにでもツムに触れたり、話したりしたい。
でも我慢。
机に座ると後ろの奴に肩を叩かれた。
「昼休みの侑の動画みる?」
ニヤニヤ笑うスナの顔が面白いものだと物語っていた。
ポチッと画面をタップすると俺の机に座って伏せている侑が映っていた。
可愛い。
これからなにが起こるのだろうと少しワクワクしていたところに爆弾投下。
『だってぇ..、寂しいんやもん..う”ぅッ..治に会いたい〜、!』
え、今寂しいって言った?しかも会いたいって
もしかして俺んのこと好きになってくれたん?やっと気づいてくれた?
と思ったのもつかの間
「侑こんなこと言っておいてまだ家族愛だと思ってるよ、まじウケる」
「え〜、」
なんやねん。俺の期待を返せ。
まあいい。侑からこんな言葉が聞けただけで今日は十分だ。
楽しみにしておこう。
君が俺のものになるその日まで。
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コメント
7件
毎回好きすぎる♡次回も楽しみにしてます( *´꒳`* )
もー尊すぎる😭💕ツムーッはよ気づけーッ!!!次も楽しみにしてるね❣️
大好きです🫶💓