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2026年2月14日。築留工業高校の校門は、もはや学校の風景ではなく、**「神への供物」**を捧げる巡礼地と化していました。

怜也は、安田穂乃花が用意した特注の「防弾・防寒仕様の王座」に座り、退屈そうにスマホでアニメをチェックしています。その周囲を、心美、由奈、茜、絵美、そして地下労働から一時的に引きずり出された神奈の5人が、鉄壁の陣で守っていました。

豪華絢爛な「5人の供物」

まずは、怜也の直属の「道具」たちからの贈呈式です。

• 安田穂乃花: ベルギーの職人をプライベートジェットで呼び寄せ、怜也のアニメの推しキャラを等身大で再現した、1億円相当の「純金入りソリッドチョコ」。

• 西矢心美: 西矢家の権力を使って、希少なカカオ農園を一つ丸ごと買い取り、その初収穫分だけで作った「王のショコラ」。

• 高知由奈: 怜也が子供の頃に「美味しい」と言った駄菓子の味を、最高級食材で完璧に再現した「思い出の高級化チョコ」。

• 鶴森茜: 「愛が重すぎてやばくなーい?」と言いながら持ってきた、重さ10キロの「超・激辛ビターチョコ塊」。

• 沢渡神奈: 地下での不眠不休の労働の合間に、震える手で(材料も自費で)作った「涙と後悔の安物チョコ」。

怜也はそれらを一瞥し、鼻で笑いました。

「あー、ご苦労。そこに積んどいて。後で心美の家の犬にでもあげといてよ」

百人組手の「貢ぎ物ラッシュ」

式典はそれで終わりませんでした。怜也のSNSでの「クズっぷり」に魅了された全校女子、さらには他校から遠征してきた女子生徒、そして穂乃花のファンを辞めて怜也の「部品」を志願する女性たち。

総勢100人以上の女子が列をなし、次々と怜也にチョコを差し出しました。

「長島様! 私を101番目の道具にしてください!」

「怜也くん、これ、私の貯金全部使って買ったチョコです! 踏んでください!」

凄まじい熱狂。悲鳴のような愛の告白。

その光景を眺めながら、怜也は髪をかき上げ、鏡を見ることもなく言い放ちました。

「……やっぱり俺ってモテるな。……イケメンすぎるからか。」

かつての謙虚さは微塵もありません。鏡の中の自分すら「道具」として愛でるような、圧倒的な自己愛。怜也にとって、100人の女子は「自分の美しさを証明するための数字(スコア)」に過ぎませんでした。

容赦なき「廃棄処分」

100人以上のチョコを受け取り終えた後。怜也は、山積みになった高級チョコのタワーを見つめ、あくびを一つしました。

「……あー、飽きた。ねぇ由奈、これ全部捨てといて」

「えっ……? 怜也、少しは食べないの? 安田さんの1億円のやつとか、神奈が必死に作ったやつとか……」

「いらない。甘いもの食べると、アニメ見る時に集中力削がれるんだよね。あと、他人の念がこもった物とか、不衛生でしょ。全部ゴミ。一つ残らず焼却炉に放り込んで」

怜也の言葉に、周囲にいた女子たちは凍りつきました。

しかし、その直後。

「「「……あぁ、やっぱり怜也(きゅん)様は、私たちのことなんて見ていない! 素敵!!」」」

女子たちは、自分のチョコをゴミ扱いされたことに絶望するどころか、その「究極の拒絶」にさらなる快感を覚え、狂喜乱舞しました。

虚無の聖夜ならぬ、バレンタイン

放課後。

焼却炉から上がる真っ黒な煙を、怜也は屋上から眺めていました。

数千万円、数億円という価値が、ただの灰になって消えていく。

「(……モテるって、結局こういうことだよな。僕が何をしても、何をしなくても、勝手に世界が跪く。……でも、やっぱりアニメの中の女の子の方が、僕の言うことをよく聞く気がするな)」

怜也は、由奈に剥かせた「チョコとは無関係なみかん」を口に放り込み、次のアニメの配信を待ちました。

チョコの焼ける甘ったるい匂いが漂う中、怜也は誰にも見えない冷笑を浮かべました。

世界を愛さず、ただ自分と、自分を潤す「機能」だけを愛するクズの王。

長島怜也のバレンタインは、100人の愛をゴミ箱に捨て去ることで、その「非人間的なカリスマ」をさらに完成させていくのでした。

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