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とある雨が降りしきる夜。
元すまないスクールの先生兼英雄だったすまないは、村人のお手伝いをし、遅くなっていた。
「あーもう!こんな時傘忘れるなんて!!」
そうぼやきながら、すまないは雨のなか走っていた。
ふと、雨の音に混じり、声が聞こえた。
クゥーン・・・クゥーン・・・
すまないはその声が気になり、声の主を探した。すると、
竹林の中に小さな子犬が、そこでうずくまっていた。よく見ると、後ろ足を怪我していた。
「・・・怪我してるのか・・・にしても、珍しいな?ここら辺では見ない犬だ・・・」
そうすまない先生はその子犬を拾い上げ、服の中にいれた。
「ごめんね?苦しいかもしれないけど、こうしないと濡れちゃうからさ」
そう言うと、言葉を理解したのか、その子犬はじっとすまないを見つめ、ぺろぺろと小さな舌で顎を舐める。
「ふふ、とりあえず、早く帰ろう。風邪ひいちゃうからね」
と、すまないは雨の中駆け出した。
✵✵✵✵✵✵
「うわぁ・・・お母さーん!雨がもっと降ってきたよー!」
と、窓から外を眺めていた息子・天満がそう母に向かって叫ぶ。
「あらあら、すまないさん。大丈夫かしら・・・」
と、母・エウリは心配そうに外を見る。外は土砂降りの雨だ。
「ねぇねぇ、蓬莱。なんか雨止ます魔法とかないの?」
「ないわよ。そんな高度な魔法。あったら使ってるわよ」
(使うんだ・・・)
と、たまたま泊まりに来ていた風音は心の中でツッコミを入れた。すると、
ガチャッ
「ただいまー」
「あら、帰ってきたわ。私はお風呂入れてくるから、3人とも、お出迎えお願いね?」
「「「はーい」」」
と、天満達はお出迎えに行った。
✵✵✵✵✵
「おかえりー!お父さん・・・」
「お邪魔してます!師匠・・・」
と、天満と風音はそこで止まった。
すまない先生は髪はびしょびしょでいつも上げていた髪がぺたんことなっていた。
それと、お腹の所が膨れ、モゾモゾ動いていた。それを見た子供たちは
「お父さん、また魔女の魔法かなんかで妊娠したの?」
「また!?」
天満のケロッとし、出た言葉に思わず風音は驚く。
「いやいやいやいや、師匠って女の人でしたっけ!?」
「風音、落ち着いて、よくある事だから」
「良くあること!?」
「あらあら」
「エウリさん!?」
のほほんと言う空気にツッコミを入れる風音。すると、
「わんっ」
と、すまないの服からひょっこりと顔を出した小さな子犬がへっへっと舌を出して、じっと見ていた。
「「「犬・・・?」」」