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161 - 第7章 揺れる立場と現実 第161話

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2025年09月11日

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律の背中に支えられるようにして、華は一歩踏み出した。

震える膝を必死に堪えながら、父の鋭い眼差しを正面から受け止める。


「……お父様」


声はかすれていたが、すぐに力を込めた。


「私はここで働き続けたいです。

失敗もして、迷惑もかけてしまうかもしれません。

でも、必ず成長して、自分の力で人を喜ばせられるようになりたいんです」


泰三の眉がわずかに動いた。


「“桜坂家の娘だから”ではなく、ひとりの桜坂華として、ここで頑張りたい。

どうか、それを認めてください」


必死に紡がれた言葉が、会長室に静かに響いた。

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