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華犬 あこ°
55
「俺の居場所」
・nour
・学生
・片思い
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「え〜…で、あるからして…」
耳につくような数学教師の声、黒板に書かれるチョークの擦れる音。外から差し込む光に微睡みを覚えていたうりはそのまま深い眠りについた。
机の上に教科書を広げ真っ白なノートの上に伏せるような状態。高校二年生の中旬、またそんな授業態度で数学の時間を終えた。
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「ふわっッ…ぁ、」
目が覚めたらいつの間にか授業は終わっていて、周りの生徒は次の時間の教科の準備をしていた。
うりも広げていた教科書類をしまい次の単元の用意をする。用意をしてもどうせ使わない、どうせまた寝るんだから。
いつまでもこんな授業態度で教師一同は頭を抱えていた。
けれどうりにとってそんなものどうだって良かった。ただまたそうやって適当に一日を過ごしていく。
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「学校が嫌いなのか」、よくそんなことを聞かれる。授業は寝るし態度も悪いし教師に反抗、誰もが認めるような問題児がうりだった。
確かに学校というものは面倒くさいし極力行きたくはないけれど親が許してくれない。だから仕方なく行くだけ行っている。
けどそんなうりは学校自体を完全に嫌っている訳ではない。寧ろ好きな部分がある。
「あ!いたいた!」
「うりり〜ん!」
昇降口を歩いていると後ろから聞きなれた声が聞こえてきた。
振り返れば青い髪をなびかせながらこちらに走り近づいてくる人物。その人物を確認するとうりはその場で立ち止まった。
うりとその人物がぶつかるその瞬間、うりは軽々と避けて全速前進で青髪の青年は壁に突っ込んだ。
「ぃッッ!?ちょ!!なんで避けるんですか!」
「そりゃ避けるだろ、痛いのごめんだし」
「ぃったぁ…」と涙を貯めながら鼻を擦りそう呟く彼はうりの先輩のなおきりという名前の青年。
「……大丈夫か?」
少し心配になってうりはなおきりに聞いた。自業自得だけれどやっぱり放っておけないので気にはする。
「大丈夫ですよ!」
にこりと満面の笑みでそう笑う彼を見てうりは胸の動機が少し早くなった気がした。
うりはこのなおきりという男に恋をしている。叶わないような恋。
問題児のうりとは違って優等生のなおきりは周りの人間からの信頼も厚いし釣り合う存在じゃない。ましてや男という性別の壁があるためこの恋は無駄な恋と言っても過言ではない。
けれどうりはなおきりの優しさ、人間性、社会性というあらゆるものに惹かれた。一番心を動かされたのはこんな自分にも他の人と差をつけず分け隔てなく接してくれたこと。
「さっ!帰りましょうか!」
「…おう」
校門を出て帰路に着く。隣を並んで歩いて何気ない会話をする。
こんな時間がどうしようもないくらい好きで溢れるくらいに満たされる。一日を頑張れるのはなおきりとのこの時間があるから、何もかもを忘れて好きな人と同じ空間を共有していられる時間がうりにとっての居場所だった。
問題児として見られる学校も、除け者扱いの家も、どこにも居場所はないけれどここだけは2人だけの時間だと、自分の居場所だと思うことができた。
笑いかけてもらえるだけでまた明日を待てる。
コメント
6件
あ“…最高_:(´ཀ`」 ∠):
ネジ外れーー!!! 最高だー!!!
はあ … ネジ外れ 組 最高 "