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メメントリ 長編集

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メメントリ 長編集

12 - ありのままでいたいだけ ~終~

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2022年09月29日

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前回のあらすじ__。

so-zursがkyuを救うため、その場に駆けつける。

だが、kyuの様子がどうもおかしい。


ーーーーーーーーーーーーーーー



僕は、昔から友達ができなかった。

小さい頃は無邪気でたくさん友達ができた。

だけど中学生となると学習範囲は上がるわけで…。


僕だって、この姿の自分が大好きだ。

お父さんとお母さんは可愛い、素敵だって言ってくれる。

近所のおばあちゃんにもかわいいねって言ってもらえるし、

スーパーの人だって可愛い格好だねって姿を覚えてくれる。


だけど、みんなは違う。

君悪がられる。


僕、部活のみんなが大好きだ。

hrさんは、少し子供っぽいところがあるけれど、優しくしてくれて、楽しくさせてくれて、

僕の居場所を作ってくれて、大切で、優しい部長。


utくんは少し不憫なところもあるけれど、みんなのことを支えてくれて、考えてくれて…

マネージャーとしても副部長としてもみんなから慕われる立派な人。


tkpnは、僕と一緒にずっと歌ってくれて…、

ちょっとオタクっぽいところもあるけど、なんだかんだ僕と一緒にいてくれてるんだなって思ってる。


ymdさんは、お調子者で煽ってくる時もあるけど一番メンバーを見ていて、

一番メンバーを大切にしていて、とっても優しい人。


kmさんは、何か悩んでる時に助けてくれる。

優しく声をかけてくれて、ポジィティブな言葉をかけてくれて元気にしてくれる。

筋トレもだけどねッw


y-mくんは、少しサイコパスなところがある。

でも、僕のことを手助けしてくれる。

色々話してくれるし、僕を笑顔にさせてくれる。そんな人。


soちゃんは、僕に一番最初に喋りかけてくれて、ほめてくれて、一緒にいてくれて…。

たくさん優しいところがある尊敬する人。



…みんな優しいのに、僕は期待に応えられない。

たまアリだって行きたい。

みんなと、来年もずっと一緒に行きたい。

大切なんだ。みんな。

なのに僕は自分のことは話せないで…。

ただ、暗い部屋に気持ちが閉じこもっているだけで…。


みんなに合わせなきゃいけないって空気がすごく苦痛なことは僕も知ってる。

だからね、昔からその人が何考えてんだとかなんとなくわかっちゃうんだ。

そう言うので人間関係失敗して、ギクシャクして…。

また一人になっていく。



kyu「みんなのこと…大事なのに…、ほんとッ、だめだなぁ…僕ッッ…」



目の前に男の子たちがいるのに呟いてしまう。

前、僕をからかってきた男子たち。

僕はいま、その人たちに暴力を振られている。


だって、抵抗する理由がない。

僕はありのままでいたい。

男子たちは、僕のことが嫌い。


…関係ないんだもん。全部。


mb「お前なんかッッ!消えちまえばいいんだッッ、!」


…そんなこと思ってるんだったら、わかったようなこと言わなくていいのに。

僕だって自分がおかしいことは知ってるよ。

言わなくてもわかってるよ。

気持ち悪い、運動も勉強も何も出来ない出来損ないだって、自分で理解してるよ。


謝りたい。

部活の仲間にも、みんなにも、大切に育ててくれたお母さんやお父さんにも。

大切な人を傷つけたくない。

ずっと、離れたくない。

…お互いのこと知ろうなんて考えて、僕は何も知らない。

みんなが考えていることも、普通も。

何もわからない。

彼らが暴力してる理由だってわからない。


わからなかったら、知らなかったら、本当の友達になんてなれないのに…


そっか、僕。

何も知ろうとしてなかったのか。

ずっと、ずっと無駄だったから。

話しても話しても、誰も僕のことを認めてくれない。

そんな日々だったから。

僕は、どうせ無駄だって、やっても意味ないって、どこかで思ってるんだ。



最低だなぁッッ……。

僕って何してるんだろう…。

どうしてみんなと関わっちゃうのかなぁ…。

僕、あんな完璧な人たちと一緒にいてもいいのかな。

自分は弱っちくて、なのにみんなが困ってる時には何も出来なくて、ただ突っ立ってるだけ。

情けない。



so「kyuちゃんッッ!!」

kyu「ッッ…!?so…、ちゃんッッ……??」


え…なんでッッ…??


mb「!?誰だお前ッッ!!…って、また変な格好のやつが来たなw」

mb「青のピンってことは一年ってことか…同級生だしいいんじゃね??w」

kyu「ッッ…だめッッ!!soちゃんッッ!!逃げてッッ!!」

mb「黙ってろよ」

kyu「ッッ……」


ほら、こんなこと言われても何もできない。

被り物越しでもわかるsoちゃんの不安な顔。

僕が、心配かけてるんだろうな…。

だから、僕は自分が嫌いなんだ。

他の人に迷惑かけてッッ…。



so「姿もクソもねぇっすよッッ!」

mb「ッ…!?…な、なんだよお前ッッ!こいつの格好がおかしいから教えてあげてるだけだろ!!」



…そうだよ、soちゃん。

僕がおかしいんだ。

この人たちは、何も間違っちゃいない。


so「kyuちゃんも否定してくださいっすよッッ…」

kyu「ッ…いいの、soちゃん…僕ッッ…」

so「kyuちゃんはおかしい格好なんて一つもしてないっすよ、」

kyu「…、そんなことないよ。」

so「僕は少なくとも好きっす。kyuちゃんの格好!」

kyu「ッ…soちゃッ…」

mb「マジかよこいつw好きとか思うんだw」

so「好きと思うことの何がおかしいんすか!!!」

mb「ッ…!?なんだこいつッッ…」


so「ほんとうに何もわかってないんすね。

kyuちゃんの気持ち。

好きな格好だって自分が好きだからしてるんす。

それを否定するのは人間のすることなんですか?」

mb「ッッ…!おい、もう行くぞッッ!!」

mb「あ、あぁッッ……」



なんで、soちゃん。

僕、こんなこと何も伝えてないよ。

そう言いたいけれど、どこからか声が出てこなかった。


soちゃんがあんなに声が変わるところは初めて見た。

感情がこもってて、必死に伝えたい気持ちがたくさんこもってる声。

僕のことを思っていってくれると嬉しいんだけど…な。



so「kyuちゃんッッ!!大丈夫っす…」

kyu「触らないで。」

so「え…、」



…だけどこんなふうに対抗しちゃう僕は最低だなぁッッ…。


kyu「もう僕ッ…疲れたんだッ」

so「ッ…!」

kyu「何をしても認められなくてッ…、みんなと一緒にいたいけどッ…、僕だけトロくてッッ……!

さっきいじめてた男子たちだってッ…、僕が気持ち悪いからいじめてたのッッ…!」

so「kyuちゃん…」

kyu「迷惑かけるのはもう嫌なの。

僕だってまだあそこに居たいよ、みんなのこと大好きだよ。

だけど僕が居たらみんなからの視線が悪くなるのッ…」



涙が溢れてくる。

僕が言ったことは全部本当。

迷惑かけたくないのも事実。

居たいのも事実。

大好きなのも事実。

僕が居たら、実況部だってたまアリ行けないでしょッ…。

僕のアンチだって、たくさん居たはず…。



kyu「意味ないから。僕がいてもさ…」

so「意味あるかないかは自分が決めることじゃねぇっすよ?」

kyu「…えッ…?」

so「僕はkyuちゃんにいて欲しいんす。誰がやめろなんて言ったんすか?」

kyu「ッ…でも…」

so「みんなで目標達成するって決めたじゃん。たまアリ行くって決めたじゃん。」

kyu「…だから、僕がいると行けないって、」

so「僕は、そう思わない」

kyu「ッッ…」

so「僕だってとろい。変な格好してる。

だけど、笑顔でいれば自然と楽しくなっていくっすよ。

それに、hrさん達…。入部当時何言ってたか覚えてます?」



kyu「…あッッ……」



hr『8人で絶対たまアリ行こうなッッ!!!』

ut『…まぁ、いいんじゃないの。みんなで行くならね』

ym『ymd様が一丁頑張っちゃいますか ~!』

tk『頑張るならみんなでだろ』

km『せやなッ!8人で一つやもんなッ!』

yu『やるならみんなで頑張りましょうかw』

kyu『そうだねッ!夢に向かって頑張ろうッッ!!』

so『たくさん頑張るっすか ~!』



…あ、そうか。

hrさんたちと、みんなで絶対にたまアリ行こうって、約束したんだ。

なのに僕はそんなこと考えないで、自分のことばっか考えていて…。


間違ってた。

僕が。

最初から、全部。

なんでこんな最低なこと言ってたんだろうなぁッッ…。


みんなに謝りたい。

今すぐ。

僕が違かったって…。


so「ね、kyuちゃんッッ、だから帰りましょッ?

kyuちゃんの居場所はちゃんとあるっすよ」

kyu「ッッ……うんッッ…!」


そーちゃんが手を差し伸べてくれる。

すごくうれしい。

心が暖かくなって、中学時代で感じられなかった気持ちが溢れてくる。

優しくされるのって、こんなに嬉しいことだってのは知ってた。


hrさんがいつものようにいじられて、しゃべって、楽しそうに笑う姿。

utくんが、いつものように手を焼いていて、でもみんなのために色々なことをしている姿。

ymdさんが、ふざけながらもしっかりと周りのことを見ている姿。

kmさんが、たくさんの人を慰めて、元気を出さてている姿。

tkpnが、ゲームをしながらも、周りのことを気にかけてくれる姿。

y-mくんが、笑いながらも、自然に手助けしてくれる姿。

soちゃんが、楽しく、僕に気をかけてくれて、優しい…暖かい姿。


僕の仲間って、優しくて、すごい人ばっかだ。

こんな人たちにあったことなんて一度もない。

なのに、僕は仲間達を否定して、傷つけて、心配さてて、苦労させて…。



謝らなきゃ。


so「kyuちゃん、走るっすよッ!!」

kyu「ちょッッ、まってsoちゃんッ!」

so「後についたほうが焼きそばパン奢りっすッッ!」

kyu「え ~ッッ!?ちょ、ずるいよぉ ~ッ!!」


○○


ガラララララ


kyu「やったぁッッ!!僕の勝ちッッ!!」

so「くっそッ…負けたかぁ…」

ut「ッkyu!!」

kyu「あッッ……」


目の前には、部活の仲間達。みんな僕に心配そうな眼差しを向ける。

謝るのなら、ここだよね…。

少し不安だ。


みんなに「何を今更」「別に来なくてもいいんじゃね」

…そう否定されるのが怖い。

だけど目の前の仲間は、みんな優しい。

僕のことを絶対に否定しない、優しい人たち。


だから、大丈夫だよねッッ!

soちゃんが、僕の背中を撫でてくれた。

安心できて、暖かくなった。

僕は、覚悟を決めて一息吸った。



kyu「ごめんなさいッ!!!」

hr「…!」

kyu「僕のせいでみんなに迷惑かけてッ…、みんながたくさん心配してくれたのに、

僕はそれを否定してッッ…。だから、謝りたくてッ!」


部室がシンとなる。

僕はその間、不安にならず、仲間を信じて待ち続けていた。

すると、みんな安心した顔に戻って、僕に声を掛けた。


tk「なんだよッ、心配させんなってきゅーッ…」

kyu「tkpnッッ……ごめんねッ…」

yu「あれ、tkpnさん涙目じゃありません?w」

ym「うわまじかよッッ!!」

tk「はあッッ…!?どこがッッ!!」

km「ふぅ ~…一件落着やな…」

ut「ほんっと良かったあ ~ ~……」

hr「utめっちゃ心配してたもんな」

kyu「…utくんも、ごめんねッッ…。

僕、utくんがせっかく優しい言葉かけてくれたのに、否定的になっちゃって…」

ut「……!…ッw、い ~よ、別に。

俺が勝手に心配してただけだし。

とりあえず、無傷でよかったな。ちゃんとご飯食ってしっかり寝ろよ。」

kyu「は ~いッッ!!」

ym「オカンかよッッ…ww」

ut「オカンじゃない。」


よかった…。

やっぱ、みんな優しくて、いい先輩達で、仲間達で…。

僕の居場所はちゃんとある。

そう伝えてくれたsoちゃんに、感謝しなきゃなぁ…。


kyu「あッッ、そういえばsoちゃん、焼きそばパン!」

so「あ、そうだった……」

tk「なに?お前ら焼きそばパン奢りでも賭けてたわけ?」

so「いや ~、勝てると思ったんすけどねえ…」

ym「ymdにも奢れよ ~ww」

so「え、嫌っすよッッ!」

yu「じゃあhrさんに奢って貰えばいいんじゃないですか?w」

hr「はぁッッ!?なんで俺ッ!?そこは副部長だろッ!」

ut「いや、なんで俺にくるんだよ…」

km「マネージャーやん。」

ut「…たしかに」



部室に笑いが溢れる。

嬉しいなぁ、みんな僕に話しかけてくれて。

隣のsoちゃんを見る。

soちゃんは口元が緩んでいて、たくさん笑っていた。

それを見た僕も、自然に笑う。みんな優しい人たちに囲まれて…。



僕は幸せ者だなぁ…




end




問題ッ!


きゅーちゃんが黒いピンをつけた理由はなんでしょう!?


コメ欄で教えてねん ~

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