【2週間後】
──💎side──
桃『どしたんいむ〜…ねむい?』
↑バックハグ中
水「……んん,ちょっと色々あって。。」
「最近ぼんやり気味なんですよね…笑」
桃『…そっかそっか(頭撫』
『話せるなら話してみ?』
『俺でよかったら聞くからさ』
底冷えのする1月半ばに,
革製のソファーでボスと2人きり。
優しげな声色にすっと肩の力が抜ける。
背後から伸びた細くて筋肉質な腕をぎゅっと抱きしめた。
水「……いいんですか?」
桃『当たり前じゃん笑』
『いむの悩みは俺の悩みだもん』
水「なにそれ,笑(ギュ」
桃『んふふ〜笑』
『…それで?悩みってなーに?』
1拍置いてさっきまでのふにゃふにゃとした雰囲気を消失させたボスが,僕の前髪を触りながらゆったりと問いかけた。
少しシリアスなムードに,緩んでいた口角を軽く引き締めて無意識に声のトーンを落とす。
水「……実は,」
桃『……りうらが変?』
水「…(コクッ」
「こないだ一緒にお出かけ行った時から何かちょっとおかしいってゆうか。、」
「どこに行ってもずっとソワソワしてるんです。」
桃『…確かに変だね。』
『その日に何か変わったことは?』
そう問われて頭をよぎるあの時の男。
水「………知らない人とぶつかりました。」
水「黒い帽子被ってて…,僕とおんなじくらいの背丈の……。」
桃『…。』
水「…りうちゃんとその人がぶつかってすぐに,すっごい焦った顔で腕を引っ張られて…,そのままアジトまで走りました。」
「次の日には元通りだったので気にしないようにしてたんですけど,」
「やっぱり変だなって…」
桃『…』
『…わかった。後で個別に話聞いてみるね。』
水「ありがとうございます」
「…ぁでも,今日は僕とりうちゃんでお仕事なのでよければその後にお願いしてもいいですか?」
桃『りょーかい』
『なるだけ早く帰ってきてね』
水「はいっ」
水「んんん “ ~~ …やっぱむりぃ ~~ っ!!」
「りうちゃんやって〜!!!」
黒縁の小さな腕時計をりうちゃんに押し付けて手首を差し出す。
赫『やろうともしてないのによく言うわ笑』
『りうら親じゃないんですけどー』
水「はぁ、!?やろうとはしてたじゃんやろうとは!!!」
「だからさっ?ねっ???」
赫『…今日だけだからね』
水「”きゃーーー!!!りうちゃん大好きーーーーーー!!!!!!!♡♡」
「あとでハグしたげるねっ♡」
赫『やめて気持ち悪い』
『てか動くな』←塩スイッチON
水「りうちゃぁ〜〜ん…(泣」
「…。」
うーんなんだろ……。
今日はちょっといつも通りって感じ…?
……てゆうか、割かし二人でいる時は特に違和感ない事の方が多いかも。。
水「…ねえりうちゃん」
赫『んー?』
ささっと時計を巻いて、黒いヘアゴムを咥えながら後ろ髪をまとめる。
くぐもった声で返事をするりうちゃんにあの時の憔悴した様子は微塵も感じられない。
水「………」
「やっぱ何でもない…」
赫『…は?笑なにさw』(髪結
水「なんでもないってばっ!」
「…ほらっ、早く行こ!!グイッ」
赫『ちょ…ッ、』
『待って薬は!?ちゃんと持ってんの?』
水「……あ、」
赫『…今すぐ取ってきて』
水「すみません」
赫『…はぁ、』
ダイニングテーブルに置かれた薄桃色の錠剤を手に取り、そのまま口へと放り込む。
口内が蜂蜜のような甘みで満たされるのを感じながら、いそいそとりうちゃんの元へと駆け出した。
水「……。」
赫『……。』
……。
水/赫『「どこここ?」』
水「んねぇぇーー迷子じゃーん!!(泣」
「どーすんのー!?ねぇねぇねぇーーっ(泣」
赫『電波悪くてマップ繋がんないの…!💢』
『こんな薄気味悪いとこ来たことないし…、』
『…あー、、まじでどーしよ』
ため息混じりにそう呟きながら頭を搔くりうちゃん。
雑居ビルが立ち並ぶ人気(ヒトケ)のない路地裏は確かに気味が悪くて、出口の見えない暗闇に嫌気がさす。
赫『……これ駄目っぽい。応援呼ぶね。』
水「 んー…、(泣」
……もたもたしてたら夜明けそう、。
まだターゲットにも会えてないのに_____
水「…!!」
「りうちゃん伏せて!!!!」
赫『…っ!』
僕らがしゃがむのと同時に、1発の大きな発
砲音が響いた。
近くにあったドラム缶の後ろに滑り込み、
素早く銃を取り出す。
水( パンッ!!!!!!
「ぁ”が……ッ!!」
(どさっ……
水「……ふーっ、」
「りうちゃん大丈夫?」
赫『…ん、なんとか…、』
『ないすエイム』
水「まぁーね…」
「…。」
赫『…?』
『どこ見てんのいむ_____』
水「ねえ。」
「いるんでしょ、出てきなよ。」
赫『…………ぇ?(振返』
水「……チャキッ、(構」
『……』
『…っ、』
[ダッ…!!!!(逃
水「……っ!!」
「まて!!!!」ダッッ!(走
赫『…!!!』
『いむだめ!!!!戻って!!!』(手伸
『誰かもわかんないのに深追いなんか____っ』
??『止まれ。』パシッ(手首握
赫『…!?』
(ッな……っ
??『…お前の相手は俺や』
赫『………は、』
______!!
『……っはあ……ッ、はぁ……ッ』(走
水「………チッ、」
(なんなのこいつ、
全然追いつけないんだけど…
凹凸まみれのコンクリートの上を永遠にひた走る。
埒の明かない鬼ごっこ。
『……っおわ…、(ガクンッ』
水「…!」
(パンッ!!
『…っ”!!(避』
『……ダッッ』
水(……ッあ”ーーー、外した…っ💢
(チャンスだったのに……ッ、
…走る相手を自らも走りながら狙うのは至難の業。
そしていつ弾が切れてもおかしくないため、戦況は圧倒的に不利。
水(直接手榴弾ぶつける?
それとも、一か八かナイフで…
水「……よし、」
「りうちゃん!僕が前に出るから援護おねがい!!」
…。
水「…っ?」
「ちょっとりうちゃん?聞いてる?」
振り返ったその先に、
りうちゃんはいなかった。
水(……は?なんでいないの?)
ずっと後ろにいると思ってた相棒が忽然と姿を消した。
足の速さが取り柄のりうちゃんが着いてこれないわけないのに。
水「…!!」
なんとなく嫌な予感を感じた瞬間、おおよそ200m先に大きなレンガの壁が見えた。
乗り越えるのは恐らく不可能。
要するにあれは…
水(行き止まり…!!)
『…、っ!』(ピタッ
水「…」(速度を落とす
……止まった。
これなら当たる。
水(誰だか知んないけど、とっとと仕留めてり
うちゃんのとこに……)
グイッ!!(引っ張る
水「っ “!?」
黒スーツ姿のそいつに1歩近づいた瞬間、強い引力を感じるのと共に視界が空を捉えた。
??『………ごめんな』
背後から突然聞き慣れない声が降ってきて、感じたことの無い鋭い痛みが首筋へと走る。
水「……ッぅ”!?」
気づいた時には…もう遅かった。
水(……や…ば………、意識……)グラッ
焦る脳内と裏腹に目の前が静かにフェードアウトしていく。
無機質な足音が頭に響くのを感じながら、僕の記憶はそこで途絶えた。
──────To be continued──────
コメント
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やっぱりぽてさんの作品大好きです!!!🥲︎ まじで誰なんだろ……💭 続き楽しみにしてます!!