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誰も知らない、高嶺の花の裏側3
第134話 〚“会議”という言葉を、軽く聞き流した回〛
真壁恒一視点ーー
教室に入った時。
澪たちが、
そこにいた。
正直、
どうでもよかった。
俺は、
忘れ物を取りに来ただけだったから。
机に向かって、
カバンを開ける。
その時。
陽翔が、
言った。
「明日、会議な」
……は?
一瞬だけ、
手が止まる。
(こいつの
“会議”か)
そう思った。
でも。
別に、
気にするほどでもない。
会議?
勝手にやってろ。
俺には、
関係ない。
忘れ物を掴んで、
そのまま教室を出た。
誰とも、
目を合わせず。
廊下を歩いて、
校門を出て。
一人で、
帰る。
その途中。
ふと。
澪のことを、
思い出した。
——手を、
繋げなかった。
あの時。
もう少しで、
ってところで。
邪魔が、
入った。
西園寺恒一。
あいつが、
割り込んできた。
……チッ。
それだけじゃない。
次は。
海翔。
ヒーロー気取りで。
——いや、
気取ってすらいないくせに。
当たり前みたいな顔で。
澪を、
助けた。
俺から、
奪った。
……何なんだよ。
毎回。
毎回、
邪魔してくる。
俺が、
何かしようとすると。
必ず、
誰かが出てくる。
澪は。
俺の方を、
見ない。
それが、
余計に腹が立つ。
何も、
出来なかった。
何も、
取れなかった。
それなのに。
あいつらは、
当たり前みたいに。
澪の近くに、
いる。
……クソ。
拳を、
強く握る。
でも。
誰にも、
ぶつけられない。
だから。
何も言わずに、
歩き続ける。
冬の空気が、
冷たい。
その冷たさだけが。
今の俺には、
やけに現実的だった。