テラーノベル
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吉田 ……近すぎだろ 。
思わず漏れた声に 、
隣から “ は? ” と返ってくる 。
いやだって無理だろ
こんな距離で普通にいられるわけがない 。
佐野 なんでそんな離れてんの 。
吉田 いやだって 、
言えるわけがない 。
” 顔がいいから “ とか
”心臓がもたないから “ とか 。
隣にいるのは勇斗だ 。
それだけで充分な理由になるだろ 。
佐野 別に襲ったりはしないよ??
吉田 おそッ 、!?
いゃ 、別にそういう訳じゃなくてさ
苦笑いを誤魔化すように視線を逸らす
スタジオの隅 。休憩中 。
さっきまでの騒がしさが嘘みたいに 、
少しだけ静かだ 。
なのにー。
隣にいるだけで 、全然落ち着かない 。
佐野 お前さ 、
吉田 ん?
佐野 距離感おかしくね?
試しに 、顔を覗き込んでみる
近い 。近い近い近い 。
自分でやって後悔したかもしれない
佐野 ちょ 、近…… ッ 、
サッとを引くとクスッと笑われた 。
佐野 ほら 。
吉田 …… うるさい 。
ぶっきらぼうに返す
そうでもしないと全部バレそうで 。
好きとか 。
ずっと見てたとか 。
そんなの絶対バレたくない 。
佐野 なんかさ
不意に勇斗が視線を外した 。
佐野 猫みたいだよな 。
吉田 … は?
予想外の言葉に間抜けた声が出る 。
佐野 警戒心強いくせに時々寄ってくるし
吉田 寄ってねぇわ
佐野 いや寄ってるって 。
じゃあさっきのなによ 。
なんも言い返せない 。
… 自覚なかった 。
佐野 気づいてなかったのかよ
呆れたように笑われる 。
吉田 … 最悪 、
小さく呟くと 、
” なにが “ ってまた返される
ほんと 、この人は 。
なんも知らないくせに 。
吉田 …… 別に 。
それ以上言えなくて口を閉じる 。
沈黙が落ちる 。
気まずいわけではない
でも 、なんか落ち着かない
隣にいるだけで意識してしまう
佐野 なぁ
吉田 なに
佐野 今日さ 、終わったら飯行かね?
吉田 … は?
思考が止まる 。
今 、なんて言った?
佐野 時間あるだろ
当たり前みたいにいう
こっちの都合なんて考えてないみたいに 。
いや違う 。
本当になんも考えてないんだ 。
だからこんなこと簡単に言える 。
吉田 なんで
佐野 なんでって 、、
少しだけ考えるように顔を上げる
佐野 なんとなく
それだけ 。それだけなのに 。
胸が 、キュッとなる
吉田 …… 行く 。
気づいたらそう答えてた 。
勇斗がよしっ 、って笑う
その顔を見た瞬間 、ちょっとだけ後悔した
いや違う 。後悔じゃない 。
ただ 、、
佐野 本当猫みてぇ
吉田 だから違うって 。
軽く頭を小突かれる
反射的に肩をすくめると 、また笑われた
佐野 そういうとこ 、笑
吉田 … うるさい 。
でも 、
そのやりとりが嫌じゃない自分がいた 。
むしろ 、ちょっと嬉しいと思ってる 。
ほんと最悪だ 。
こんな距離で 、こんな風に話せて 。
これ以上なにを望むんだよ 。
なのに 、
もっと近づきたいなんて 、思ってしまう 。
絶対無理なのに 。
わかってるのに 。
佐野 なぁ
吉田 ん?
佐野 お前さ
今度は顔を覗き返される
逃げ場なんてない 。最初から 。
佐野 本当面白いよな
吉田 それ褒めてる?
佐野 褒めてる褒めてる 、笑
適当な返事 。
でも 、その声はどこか楽しそうで
その声だけで救われる 。
この距離のままでいい 。
そう思おうとするのに 。
心のどこかで期待してしまう 。
もし 、もう少し近づけたらって 。
そんなこと 、あるわけないのに 。
コメント
7件
ほうほう、、これが噂の新作ですか、、ま、感想は後にして とりあえずティッシュください。🤧🩸

仁ちゃんはワンちゃんでもネコちゃんでもありだなぁと思っている自分 ぬっこはかわいい=仁ちゃんはかわいい...?()