テラーノベル
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おくれてごめんなさい!!
気づいてませんでしたが30話を突破してました。
ありがとうございます!
残り少ないのが嬉しいような悲しいような、そんな気持ちです。
これからも完結に持っていけるよう頑張ります。
あと、
♡数合計10万⤴︎ありがとうございます!
いつも応援してくださる皆様のおかげとしか言いようがありません。
これからも投稿が遅れたりすると思いますが何卒よろしくお願いします。
今回長めです
START▶️
あれから、何時間かどったんばったん馬鹿騒ぎしていたゾム達は全身びっちょびちょ。もはや今は開き直って砂浜に直接座っている。夕暮れの魔界の海が反射して、少しみんなの顔が輝いて見えた。
シャオロン)はぁ〜、、、遊んだ遊んだ。
ショッピ)早く洗濯しないとあかんな〜、、、
みんなくたくたで、一番水をかけられていた大先生なんかは寝転がっている。髪まで汚れるぞ、と潔癖症のゾムが警告していたが、もうええねん、髪の毛なんて洗えばいける、、、などと抜かしていた。まぁなんだかんだでみんな帰るムードの中、ぽつりとゾムが言った。
ゾム)、、、帰りたく、ないなぁ。
全員目を見開いた。ゾムがこんな弱音を吐くなんて思ってなかったからだ。今まで弱音を吐くなんてこと殆どなくて、なんなら自分たちが弱音ばかり吐いてゾムに助けてもらっていたことばっかりだ。悪周期になったり、洗脳されたり、時には連帯責任で怒られることもあったけれど、どんな時でもゾムは皆のそばに寄り添ってくれていた。けれど、どこか一線引いている。人のテリトリーに入るけど、自分のテリトリーには入らせない。まるで念子のようだな、と内心思っている奴だっていた。閑話休題、なんにしろゾムに頼りすぎていたのかもしれない。そう思考を巡らせ、皆がなんて声をかけようか迷っている間に我に帰ったゾムは、無意識に出た自分の発言に驚いているようだった。
ゾム)な、なーんてな、!!早く帰らへんと暗くなってまうな、!じゃ、今日はもう解散で、!!
あぁ、まただ。さっきまではこっちを見ていたのに。シャオロンたちは彼の視界に入ることすらできないのだろうか。帰りたくないと言う彼の言葉すら叶えてあげられないのだろうか。うだうだ考えるのは得意じゃない。ぶっつけ本番、一発勝負。彼らはそっちの方が似合っている。
ぐいっと、シャオロンがゾムの手を引いた。
ゾム)え、何、
シャオロン)よーし!今日は温泉行ってから解散にしよや!!
トントン)、、、じゃん負けアイス奢りな!!
チーノ)ウツ兄さんあざす!!
ウツ)僕って決まったわけじゃないよ!?
ロボロ)風呂上がったら筋トレやろ!!
ショッピ)出た脳筋。
ロボロ)あ”あ”ん!?
チーノ)チビは牛乳飲んどけって。
ロボロ)こちとら毎回飲んどんじゃ!!
ウツ)それでその身長って、、、ぷぷっ、
ショッピ)おならしないでくださいよ兄さん
ウツ)してないわ!!!
チーノ)トントン大丈夫?豚鍋にならん?
トントン)誰が豚や。
ゾム)えっ、ちょっ、!?
目の前で次々と繰り広げられる会話にゾムは目を白黒させるしかなかった。まだ行くと言う返事すらしていないのに、勝手に何を決めてるんだ、と声を上げようとしたのも束の間、シャオロンに顔を両手で挟まれてしまった。
ゾム)んぐっ、!?
シャオロン)はいストップ〜!!今日こそは俺大人ですムーブさせへんからな。今日はお前が末っ子や!!異論は認めへん!!
ゾム)な、お、大人ムーブとかしてへんし、!!お前らがガキすぎるだけやろ!!
ウツ)はいはい、お兄ちゃんの話聞きましょうね〜。ゾム着替えはどうする?僕らはシャオロンの家にあるけど、ゾムはないやろ?シャオロンの借りる?
シャオロン)しゃーないから貸したるわ!!
ゾム)別にいらな、
シャオロン)はい黙れ末っ子〜。
ゾム)今のは末っ子関係ないやろ!!
ここで時間を潰していても意味がないと思ったのか、ゾムは嫌々シャオロンの家に足_羽だが_を動かした。
チーノ)、、、へっぶしゅ!!
ショッピ)、、、真冬にびちょびちょのまま家に帰る俺たち滑稽すぎる。
ロボロ)風邪ひかないことを願うしかない。
ゾム)な、なんかごめん、、、
トントン)別に怒ってはないと思うで。
ゾムのわがままで来た海だったので、少し申し訳なさを感じながら出来るだけ早くシャオロンの家に着くように願った。
シャオロン)ゾム、、、それ、痛くないん?
微かに震えたシャオロンの声に、ゾムは内心やってしまったな、と内心呟いた。銭湯に行こうと言われた時にすぐ否定すればよかった。もっと早く思い出しとけばよかった。ゾムの頭の中には後悔が積もるのみだ。
たまたま空いていたのはラッキーだった。なるべく早く体を洗って、他の奴らよりもすぐに風呂に入るようにしたつもりだった。幸いにもゾムの髪は昔と違って今は短いし、いつもあんなノンデリな奴らでも体を洗っている奴の体を見ることもない。湯の中では体育座りのような状態だった。だから、隠せていると思っていた。銭湯のある位置は魔獣が多く生息しているところで、まぁでも設備ぐらいは整っているだろうと思い何も気にしてはいなかった。
出来るだけ体を見られないように自分の体を縮めて、先に自分だけ上がろうか考えていた時だった。柵を乗り越えてきたのだ。魔獣が。念子などの可愛い魔獣ならまだよかったのだが、そいつは突進して攻撃してくる形の魔獣だった。早速そいつはちょうど体を洗い終わった大先生をロックオンして飛び出して行った。
ゾム)大先生!!!!
思わずゾムは湯を飛び出して声を上げてしまった。たまたま近くにいたトントンが拘束の魔術を使って大先生は無事だったが、立ち上がったゾムに、師団のみんなの視線が刺さったのだ。
ウツ)ゾムさん、、、、
ゾム)あ〜、、、すまん。
見苦しいよな、というゾムの言葉にみんなは勢いよく首を振った。
静かになってしまった露天風呂は、先ほどまでの騒がしい雰囲気は感じられない。壊してしまったのだ。他でもないゾム自身が。
高校生にしては細くて白い体。筋肉がつきにくい体質なのはちょっと気にしてる。そもそも腰にタオルを巻いているとはいえ、男の体を見て誰が喜ぶんだ。そんなのしんぺい神さんくらいだ。
でも、問題なのはそこじゃなくて、
体に残る、幾つもの傷跡。
小さいものから、大きいものまで。所狭しというわけではないけど、ぱっと見でいくつあるのかわからないくらい。腕も足も、全体にたくさんの刺し傷、切り傷があった。
その中でも、一番目を引くのが胸の真ん中に出来た大きな傷。右でも左でもなく、正真正銘のど真ん中。治療魔術があるこの魔界でも、治せなかったし、ましにもならなかったものだ。
ゾムにとっては過去の話。なんなら、運命が変わった日でもあるからさほど悪い思い出でもないのだけれど、師団の奴らにそれがわかるわけもなく。
気まずい沈黙が場を支配して、ゾムは少し考えた。
バカみたいに明るく振る舞うのも、わざとらしく被害者ぶるのも違うだろう。ここまで積み上げた関係性を、壊さないような最適解。
オスマン)ゾム、いい男はな、己の欠点さえも使うものめぅ。
ゾム)欠点、、、
オスマン)、、、体の傷、褒められたもんではないやろ?
初めてオスマンさんと二人で話した、あの日の会話を思い出した。
オスマン)利用するめぅ。誰かを落とすためには美しい力だけ見せていてはあかん。
ゾム)別に、女とか落とす気ないんですけど、、、
オスマン)いや、落とすのに女も男も関係ないねん。恋に落とすだけじゃない、ゾムという存在に惚れさせるねんで?
ゾム)存在に、?
ゾムは黙りこくってしまった師団のみんなに向かって、ふっと笑った。後ろめたいことは何もない。悲しいことも、何にもないかのような笑顔を浮かべて。
ゾム)もう痛くはないで。、、、俺のこと、嫌いになってもぉた?
そんな言葉を発しながらも、表情は悪戯気。本当に末っ子のようだ。この前部下たちと自分のいいところ、強みはなんなのかというのを言い合っていた時に、普段クールなゾムさんが甘えるのは効果抜群などと親指を立てて行ってくれた。当時は意味がわからなかったけど、それがゾムの強みなら使わない手はない。
ゾムはオスマンの教え子のようなもので、ひとらんと同じくらい彼を見てきた。彼から学んでいたのは外交でも色仕掛けでもなんでもなかったが、彼と過ごすうちに自然とやり方を身につけられたのだ。彼は息をするように相手を責め立て、自分の魅力を引き出していたからだ。
シャオロン)っ、、、嫌いになるわけ、ないやろ!!!
静かな空間を破ったのは声を荒げたシャオロンだった。バシャリと湯から身を起こした彼が、近くにいたゾムの手を掴んだ。
シャオロン)俺たちのこと守ってくれて、なんだかんだ信用してくれるお前をこんなことで嫌いになるわけないやろ!!
ロボロ)、、、悪周期の時、あんなん縁切られても文句言えへんのにお前は笑って許してくれた!!その恩を仇で返してたまるか!!
ウツ)僕が何回転んでも手を差し伸べてくれましたやん!!そんなゾムさんを嫌いになるわけないだろーーーッ!!!
トントン)ちょっとびっくりしたけど、こんなんでお前を嫌いにはならんわな。
騒ぎ出した一年ズをにやにやしながら見守っている2年達。気づいてるのか気づいてないのかは知らないが、まぁどちらにせよ騒ぎ出したら止まらないのがシャオロン達だ。
騒ぎながらも公開告白のように感謝を述べていく彼らにゾムは思わず頬が緩んだ。
水面が波打つほどの喧騒は、真剣な表情をしたシャオロンによって止められた。
シャオロン)、、、俺、悔しかってん。
ゾム)悔しかった?なんで?
思わぬ言葉にゾムは首を傾げた。
シャオロン)、、、俺たちがどれだけお前のことを見てたって、ちっとも俺らを見てくれへんし、どこか線引いてたやろ、お前。
ゾム)、、、
ゾムはうんともすんとも言わない。言葉が出なかったのだ。だって、それは事実で、ゾムにも自覚があったから。
シャオロン)なぁ、もうちょっとわかってや。お前のこと心配してるねんで、みんな。
ゾム)、、、善処はするけど、俺とお前らは根本的に違うからなぁ、。
その線引きをここにきてまで取り払わない。彼らはゾムがどんな悪魔生を送って、どう生き抜いてきたかなんて知らないのだ。そんな彼らを巻き込むわけにはいかない。自分の気持ちには鍵をかけて、みんなの気持ちを軽々と開ける。ゾムの得意分野だ。
シャオロン)、、、ふっ、ふふっ、
ゾム)、、、笑うなら笑えや、!!
シャオロン)ぶっははははは!!!!ゾム、ゾムお前ww
ウツ)ゾムちゃんにはシャオお兄ちゃんの服デカすぎまちたねぇぇぇえwwwww
ショッピ)しゃーないですよ、元気出していきましょ。
チーノ)切り替えてこ。
ゾム)お前ら嫌いや!!!!
着替えがないゾムはシャオロンの服を借りたのだが、小さいせいで少し肩が見えてしまっている。自分より小さい奴がいないので普段揶揄えないロボロなんかは笑いすぎて声が出ていない。
ちなみにトントンの提案通り男気じゃんけんをした結果案の定大先生が負け、全員分のアイスを奢る羽目になっていたが、まぁゾム弄りで回復した。
ロボロ)はぁ〜、、、つかれた〜、、、
シャオロン)これだからゾム弄りはやめられへんわ、、、
トントン)やめたれや、、、
今度こそ帰る雰囲気だ。ゾムも止めるつもりはない。_止めたくて止めたわけではなく勝手に出ていた言葉だが_でも帰りたいと言うわけではなかった。いや、帰るのが嫌と言うわけではなくて、申し訳ないのだ。単純に。あれだけ迷惑をかけた自分なんかがあんなすごい場所に帰っていいわけないのだ。そもそも、普段から家に帰らなければならないのに、できるだけ警察署に泊めてほしいなんて昔の俺がわがままいうからいけないのだ。
シャオロン)、、、お、きたきた。
ゾム)?、誰か呼んでたん?
サプライズゲストとでも言うのだろうか。何も知らされていないゾムは誰がくるのやらわからないのですこし嬉しそうに尋ねた。
シャオロン)、、、お前のお迎え。来てるで。
ん、といってシャオロンが指差した先には見慣れたあの人たちがいた。
ゾム)え、おおお、オスマンさんにひとらんさん!?!?なんでここに、!!
オスマン)ぞむぅぅぅぅっ、!!!!!!
ひとらん)マンちゃん抱きつきに行こうとしないで。お迎えきたよ。色々話したいことはあるけど、ここじゃ話せないから一旦帰ろう。
俺たちの家へ。
そう言ってくれたひとらんさんの表情はとても穏やかで、まるで女神のようだった。帰りたい、と思うと同時に、不安な気持ちが押し寄せた。
俺なんかが帰っていいのだろうか。まずあそこを家と呼んでもいいのだろうか。悪く思う奴ばっかりかもしれない。もしかしたらオスマンさんたちにまで被害がいってしまうかもしれない。なのに、帰っていいのだろうか。迷惑ばかりかけているのに、帰ったら、
ゾム)かあさま、
酷く震えたゾムの声が聞こえたのはシャオロンだけだった。
シャオロン)ゾムってさ、家族の話あんましやんよな。
随分前、何気ない会話をしている時に発せられたその言葉はゾムにとってきっと苦しいものだっただろうに、それでもゾムは拾ってくれた。
ゾム)あぁ、俺親死んだから。
シャオロン)え、
あのあとシャオロンはめちゃくちゃに謝ったし、なんなら帰りお菓子まで奢った。それで許してくれた。けれど、まだ傷は塞がっていなかったのだ。シャオロンはゾムが自分の母を好きだった思っているから。だから死んだのをまだ引きずっていると思っている。でも、ゾムが母のことで悩んでいるのは母が好きだったからじゃないのだ。
シャオロン)、、、だーいじょうぶやって。
普段より優しい声で、シャオロンはゾムに語りかける。
シャオロン)お前が何を望んでるのか知らんけど、お前が望んでるよりずっといい景色が広がってるから。だから帰りぃや。
お前らの家へ。
そう言われるとみんなに背中を押される。振り返った時に見えたのはみんなの穏やかな笑顔だった。
ひとらん)よっと、、、ゾム、もう一回言うね。
帰ろう。俺たちの家へ。
ゾム)っっ、、、はい、!!
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コメント
9件
久しぶりに開いたら新作でてる!!! シャオロンの優しさが滲み出てる! ゾム可愛い(? 最近インフルエンザ流行ってるんで体調崩さないように続きの制作頑張ってくださいね!
又もや見るの遅れました!!すいません!!zmさんが可愛いのは通常だけど、更に可愛くなってて発狂しかけました!!過去に色々あった系の人とか小説大好きなので感謝です!!(長文?失礼しました!!