「ん……感じていて、あなたも……」
「うん、ああ……感じているよ。私も」
細かな汗がしっとりと彼の胸元に浮かぶと、仄かなムスクの香りが匂い立った。
くらくらとしそうな香りに包まれて、全身が熱に浮かされていくようにも感じる。
「あっ、うんっ……」
際まった私の声に、
「ふっ、う……」
被さるように彼の声が重なり合う。
はぁ……っと、長めな吐息を漏らした彼が、私の身体を固く抱き締めると、
「……自分がこれほどまでに余裕を失くすとは、思ってもみなかった……」
くぐもって低い声で、そう呟いた。
「それほどまでに愛してくれるなんて、幸せに思ってます……」
ずっと感じていたありのままを口に出すと、
「そういうところだ」
と、彼が口元にふっと笑みをたたえた。
「そういうところって?」
首を傾げて彼を見つめると、
「そういう素直で飾らない君の魅力に、私は惹かれるんだ」
私の瞳の奥をじっと見つめ返して、
「愛してる。たまらないくらいに」
唇をそっと挟むようにして口づけた──。
コメント
1件
素直が一番‼️わかってるんだけど… ずっとそのまま愛し合って欲しいなぁ