テラーノベル
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リムジンから降りると校門付近は人だかりができていた。それにしてもよく人が集まる学校だ。
あ、人じゃなくて吸血鬼なのか。
「この間の転校生の子たち、学校に来なくなったんだって~。」
「本当よね、2ヶ月もだなんて…。」
「噂では赤羽たちがボコったとか…。」
2ヶ月…。
そんなに時間がたっていたの…?
それにボコったって…?
「結愛、何があったの?」
「あ、奏くん!それがね、白銀君たちが突然連絡取れなくて消息不明らしいの。生徒会は奏くんたちと一緒にいるところを見たって言うんだけど知らない?」
一緒にいるところって、もしかしてこの間の…?
「それなら…」
「俺らは知らねえよ。」
劉磨さんに口を塞がれた。言うなってこと…?
「そう…なんだ。最後に見たのがその時だったからみんな疑っているみたいで。」
「たしかにこの間彼らとは会ったけど、特に変なところはなかったよ。まだ学校に慣れてないからじゃない?あとは…ほら、暑くて早めに夏休み取ってるとか。」
「そう…だよね。奏くんが言うならそうなのかも。」
「そうだよね…私たちが話しかけるから疲れちゃったのかな?」
奏の言葉で徐々に人だかりが減っていく。
気が付けばほとんど人がいなくなっていた。
「にしても学校でもあいつらの話題か……。」
「あの…私2ヶ月も休んでいたんですか?」
「あ~…そういうことにしておいたんだよ。悠夜の力で。」
「力…?」
「悠夜の能力は記憶操作…。実際は3週間も経ってないけど、俺らのアリバイ作りのために悠夜が皆の記憶を塗り替えた。」
「全く、悪者にでもなった気分ですよ…こんな使い方をするなんて。」
「何事も起きなきゃいいんだけど…。」
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