テラーノベル
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風の柱・不死川実弥は、今日も鬼狩りの任務から戻ったばかりで、訓練場の片隅で一人黙々と刀を振っていた。
すると、わらわらとやってくる二人の柱──煉獄杏寿郎と甘露寺蜜璃。
「不死川!今日の戦い、見事だったぞ!あの鬼の動きに対して瞬時に間合いを詰めた技、素晴らしかった!」
「うんうん!わたし、鳥肌立っちゃったの!かっこよすぎて、ちょっと泣きそうだったもん!」
急に褒められた実弥は、ぐっと表情を曇らせて背を向ける。
「…うるせぇな。そんな大げさに言うな」
「でも本当にすごかったのよ〜!あとね、不死川さんって戦ってるときの横顔が……こう、なんていうか……美しいのよねぇ!」
「ぐっ……!てめぇらな……!」
顔を見られまいとさらにそっぽを向いた実弥の耳までが、ほんのり赤くなっているのを、煉獄も蜜璃も見逃さない。
「ほう…照れているな?!」
「 きゃ〜!かわいいっ!」
「かわいくねぇ!うるせぇ!もう帰れ!!」
そう言って背を向けたまま、訓練を再開しようとする実弥だったが、思わずバランスを崩して転びそうになる。
「だ、大丈夫?!」
「おっと、落ち着け!照れすぎだぞ、不死川!」
「ちげぇし!…暑ぃだけだ!!」
恥ずかしさをごまかすように怒鳴る実弥の顔は、いつも以上に火照っていて──
それを見守る柱たちは、こっそりと笑い合うのだった。
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