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〜斗真side〜
シャラ…
目が覚めると、俺は学校の指定ジャージのまま、硬いコンクリートの上で寝ていた。
斗真「んぅ、?手錠、、?」
俺の手に繋がれた手錠は鎖が長く伸びて鉄格子に繋がっていた。
肌寒くて薄暗くて、その空間はとても不気味だった。
太陽「おはよう、斗真」
斗真「先輩、ここどこですか、?
太陽「斗真くん、あまり簡単に人を信じたらだめだよ、直ぐに捕まっちゃう。相手が犯罪者なんだから尚更ね、?」
えっ、と声をあげようとしたと同時にまた喋りだした。
太陽「斗真、俺が両親を殺したって話した時ね、引かれるんじゃないかってすごくすごく不安だったんだ。けど、君は僕を受け入れて慰めてくれたよね。そんな人これまでもこれからもいないんだよ。僕を理解してくれるのは君だけだし、親がいなくて対人恐怖症の君を理解してあげられるのもきっと僕だけだと思うんだ。ねぇ、前にさぁ、僕が両親の代わりになって君を支えるって誓ったよね。だから、簡単に人を信じちゃう君の身になにか起きないうちに保護したんだ、嬉しいよね、?」
こんな大きな声が、よく分からない言葉が、
先輩の口から発せられているとは思えなかった。
正気じゃないんだってその時初めて気がついた。
冷静に思い返すと、過去の話をした時、先輩は一言も「間違っていた」や「もうそんな考えは捨てた」という類のことを言っていなかった。
どうなるんだ、?俺。
震えることも出来なかった。
彼が異常者であることに気がついたのに怖くないのは、俺がもし死んだ時に悲しむ人がいないことが分かりきっていたからだろう。
太陽「気づいた?君が死んでも誰も哀れんではくれないんだよ。君が死にかける時、君が悲しむ理由は何もないんだよ。親も兄弟もいない。友達だって居ない。斗真、人は心を原動力に動いているんだ、でもね、仮に君が死んだり、この世界から存在を消したところで、誰が悲しんでくれるの?、みんな無関心なんだよ。でも僕は、僕だけは違う。君を愛してる。死んで欲しくない。だからこうして守ってる。分かるかな?伝わるかな?この愛。君を透明人間みたいにしないで、1人の人間として見てるのは僕だけなんだよ。君を必要としてるのは僕だけなんだ。僕だけが君の味方なんだよ!」
必死で熱弁する先輩を見て、空いた口が塞がらなかった。
無駄に分析力が高いせいで、すぐに状況を理解した俺は、既にうつ状態になっていた。
座っている俺を先輩がものすごい勢いで押し倒す。
馬乗りになって僕の頬に拳を何度も打ち付けた。
その時遅れてきた恐怖により感覚は麻痺していて、痛みはなく、自分の頭骨と先輩の拳の骨がぶつかり合う音だけが頭に響いた。