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「……潤」
「和葉、公開告白なんてしている場合じゃないよね。ましろんの傷の手当しないと」
潤は私の膝の傷を一瞥すると、私の目の前まで来て腰を少し下ろす。そして、軽々と私を抱えて持ち上げた。
「えっ!?」
宙に浮く自分の体。そして、包み込まれるような温かな感覚に驚愕する。見上げればにっこりとしている潤の顔。
「少し我慢してね」
ち、近い……っ! というか、なんでお姫様だっこ!?
それに和葉も歩くんもいるのに!
「お、おい! 潤、お前何してんだよ!?」
「歩、それと……和葉も、少し配慮が足りないんじゃない? 怪我してるの気づかなかったの?」
厳しい眼差しを二人に向けると、潤は私を抱えたまま歩き出す。そして、視線は再び私に戻り、甘い微笑みを向けられた。
「行こっか」
潤に抱えられたままホテルの一室へと連れてこられた。
私をベッドに座らせると、潤は跪くようにして片足を床につけて救急箱から消毒液を取り出す。
「い、っ」
傷口に滲みてピリピリとした痛みが膝に走る。消毒液がゆっくりと足に伝っていくのを潤がティッシュで拭き取っていく。
「和葉に好きって言われてたけど、どうするのましろん」
「それは……」
「ごめん、意地悪だったね」
押し黙ってしまった私の顔を覗き込んで、眉を下げて微笑む潤。
「ちょっと焦った。和葉があんな風に大胆だとは思わなかったからさ」
血が綺麗に拭き取られた膝に丁寧に絆創膏を貼ってくれた。手際が良くて潤ってやっぱり器用だなぁ。
「俺もましろが好きだよ」
不意に告げられた想いに驚きを隠せずに目を見開く。
「え……」
熱っぽい瞳で潤が私のことを見つめている。
「優しくて、でもきちんと叱ってくれて……真っ直ぐで、君を見ていると守りたいって思うんだ」
注がれた眼差しから目を逸らすことができなくて、赤くなっていく顔を隠したいのに隠せない。指先を優しく撫でられる。
擽ったくて、触り方にドキドキしてしまって……心臓が騒がしくなっていく。