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俺は夕暮れ時に家に着くとすぐにベッドに顔をうずめた
(あかん…見られた…恥ずかしい…)
別にうまく言ってバレへんかったけどやっぱり一度見られたものは恥ずかしい
「まぁしゃあない…風呂入るか…」
そして俺は風呂に入った、もちろんあんな事があってから常に視線を感じるようになった
「は〜気持ちよかったわ」
風呂を上がってソファで10分ほどごろごろしてると
ピロン
携帯の通知がなって急いで確認すると
<浅倉、今から飲み行こや>
城戸の兄貴からやった、俺は誘いを承諾して”万が一”の事を考えてあの箱を持ち、居酒屋へと向かった
10分くらい歩くと居酒屋に着き、そこはあんまり人が居らんくて遠くからでも兄貴の姿を確認できた
「おぉ!浅倉!待ってたでぇ!」
「兄貴早いですね、前世はチーターか何かですか」
そんな冗談を交わしながら俺らは店へと入って行った
そして席に座り早くも酒を飲みながら飯を食っていると城戸の兄貴が話してきた
「悪いな急に呼び出して」
「いやいや、暇やったんで、てかどうしたんですか?」
「ちょっと話があんねん」
そして兄貴の空気が一変した
「浅倉…悪い事は言わん、極道やめろ」
俺は言われた事をすぐには理解できなかった
「え…兄貴…?なんで…」
「お前彼女おるんやろ、やったら極道やめて彼女はんと平和に暮らさんかい」
どうやら兄貴はまだ嘘に騙されてるようやったでも俺はとにかくショックやった、同時に兄貴の優しさがわかった
「兄貴…あれは…嘘なんです」
辺りを漂う押し潰されるような雰囲気に俺は負け、正直に話した
「え?嘘なんか?じゃああれはなんやねん…」
…言えるはずがない、俺にはまだ度胸が足りとらんかった
「まぁ、将来彼女できた時に渡す予定です」
「なんやねん!じゃあもう彼女候補おるんかい!ちょっと中身見せてや…」
そんなん言われたけど絶対に見せへん、やってこれは城戸の兄貴のためのもんやない、この箱は目の前に居る美しく、かっこよくて時には可愛い、将来の”恋人”はんに渡すためのもんやからな
そこから雰囲気は元通りになって結局少し飲んで解散した
でも俺には聞こえた、解散する時微かに「その箱…俺が受け取りたいな。」という声が
その声に応えるように俺は星がよく見える空に箱を掲げて誓った
(いつか、その時が来たら絶対に渡します)
そうして俺は家に帰った後すぐに深い眠りについた