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「んじゃ入学式も終わったことだし、早速自己紹介すんぞー。」
 はぁ…自己紹介どうしよ……言うことねぇな…。名前言うだけでいっか…。
 「出席番号一番から行くからなー………あー…相沢相変わらず休みか…はぁ…まぁいいや、じゃあ二番の伊藤からなー」
 
 
 そこから三番四番と続き、あっという間に俺の番になってしまった。
九条先生が俺の名前を呼んだ。重い足取りで黒板の前に立つと、一人残らず俺の事を見ていることが分かる。…この注目される感じ、昔から凄く苦手。
 「如月 柊空です……えっ…と…まだこの学園には慣れてないので色々教えてくれると助かります……よろしくお願いします。」
 拍手がパラパラ教室に響いた。
乗り越えたー… はぁ…よかった…。
 「ホントにこいつは色んな意味で知らないことが多いから教えてやってくれよ。んじゃ次ー」
 
 
 
「次で最後だな。弥生ー」
 「はい。」
 聞き取りやすい声が教室に響く。
“弥生”と呼ばれたその人物は、黒板の前に立ち口を開いた。
 「弥生 拓哉です。バスケが昔から好きなので、バスケ部に入部しようと思っています。よろしくお願いします。」
 これまたイケメンが来た。この学園顔が良いやつ多すぎだろ。
こいつはアレだな、爽やかイケメンだ。少し焼けた肌にふわふわとした茶色の髪の毛、人当たりも良さそうだし、さぞかし女子にモテるんだろう。
男子校にいるというところだけはコイツの残念ポイントだな。
 バチッ
 …今度はアイツと目が合った気がした。…さっきの生徒会長といいコイツといい、やたらと目が合う。偶然であって欲しい。
 
 
自己紹介も終わり、放課後になった。
 「ふぅ…」
 やっと解放された……体を伸ばしながら息をつく。
 「如月くん、LIME交換しない?」
 「あ!ずりぃぞ伊藤!俺とも交換してくんね?」
 「グループ作ろーぜ!」
 人がリラックスしてるときに…相変わらずグイグイ来るなぁこの人たちは………そう思いながらも手元にあったスマホを仕方なく手に取った。
LIMEの項目には、中学生の時の友達の名前がずらりと並んでいた。そういや中学校の入学初日もこんな感じで無理やり交換させられたっけ。
自分のQRコードを机の上に出して、椅子にもたれ掛かる。
 「どーぞ…交換したい人は勝手に読み取って追加しといて。」
 素っ気なくそう言うと、他のクラスメイトはより一層勢いを増して集まってきた。
…ちょっとだけ素っ気なくしてたら勝手に離れるかなって思ってたけど、この人たちは好印象に思ってしまったらしい。
……入学式の時から感じてたけど、高等部からの新入生はやはり珍しかったりするのだろうか。それにしても皆からの圧がすごい気がする……。
 
 
やっと集団が離れた。
みんな部活見学やら食堂やらに行ったみたいで、教室には誰もいない。やっぱり一人が楽だ。
机の上にあったスマホを確認する。
 「一気に40人…会話することないのに……はぁ…」
 無駄に増えていくLIMEの項目にため息をつく。
 「あっ、如月くん。 俺ともLIME交換してくれないかな?」
 後ろから声がして咄嗟に振り返った。
 「弥生くん…」
 もっと早くに言って欲しかった。さっきの集団と一緒に追加すればよかったのに。
 「ごめんねー、九条先生の仕事手伝ってたんだ。 」
 不満な気持ちが顔に出てしまっていたのか、弥生くんは申し訳なさそうな顔をして謝ってきた。なんだかこっちまで申し訳ない気持ちになってくるからやめてくれ。
 「…いや、別にいいよ。LIMEの交換だったよね、はい、QRコード。」
 「じゃあお言葉に甘えて…」
 弥生くんはイケメンスマイルをしながら慣れた手つきでQRコードを読み取る。うっ……俺はこういうキラキラオーラ満載な人は少し苦手…。
しばらくして、スマホに通知が入った。
確認すると、弥生くんから猫がぺこりと頭を下げたスタンプが送られていた。
 「ありがと。あっ、あと九条先生が呼んでたよ。荷物室に来いだってさ。荷物室の場所わかる?」
 「…わからない………かも」
 「じゃあ俺が案内するよ。バスケ部に入るって決めてるから、部活見学も行かなくてもいいし。」
 「………ありがと…」
 お礼をいいながら立ち上がる。その瞬間、まだ片付けていなかった筆箱が床に落ちた。
…こういうの拾うの地味に面倒くさいよね。
筆箱に手を伸ばした。その一瞬だった。
 バッ
 「弥生くん……?」
 筆箱を拾おうとした俺の手を掴む弥生くん。
え何。油断させといていじめるパターン?どういうこと?
俺が困惑していると、弥生くんはグイッと俺の手を引いた。バランスを崩した俺は、弥生くんに倒れ込む。まるでハグでもしているかのような体制だ。
 「え、ちょ、ちょっと、弥生くん…?」
 おいおいおいおい、こんな場面誰かに見られたら俺までゲイだって思われるじゃねーか。
事故とはいえど、こんな姿誰にも見られたくない。
 「大丈夫だよ。そんなに心配しなくても誰も来ないから。」
 俺の心を読んだかのように話す弥生くん。…なんで教室の鍵持ってんの…?
これから暴力とか振るわれるのだろうか、そう考えると気が重い。ガーゼ持ってきてたっけ…。
そう心配していたのも束の間、また手を引かれ、弥生くんの息が聞こえるぐらいの近さまでになった。首筋に息が当たってくすぐったい。
ホント、これから何をされるんだろう。ていうか、あったばかりでいじめられるとか、つくづく俺ついてねぇな。…帰りたい。
頑張って逃げ出そうとするが、いつの間にか腰にそえられた手が俺の身体をガッチリホールドしていて逃げられない。俺は体力もなければ力もないのだ。
 
 ペロ
 
 「あっ…………?」
 え、今、耳、舐め…?なんで、意味わかんない、は?あ?え?
理解が追いつかない俺を差し置いてペロペロと弥生くんは耳を舐めてくる。それはいつしかグチュグチュという生々しい音に変わっていった。
 「あっ、やっやめっ、あうっ」
 やだやだやだやだやだ、なにこれ、しらない。
舐められるたびに全身がゾワゾワする。自分の聞いた事のない甘い声に恥ずかしさが込み上げた。
 「如月くんを一目見た瞬間思ったんだ。俺の物にしたいって。」
 「耳元でッ……あっッ……喋るな……ひぅっ……ていうか………さっさと離せ… 」
 「酷いな〜…あと五分だけね。」
 こんなの3秒…いや1秒だっていやなのに、五分?ふざけるな。
 「問答無用〜」
 俺の気持ちを無視してまた耳を舐め始めた弥生くん。……ホントついてない。
 
 
 
 
 あとがき
こんにちは!ち、🌸です!
いきなりR18展開をぶっこんじゃいました…すみません…。問題があれば投稿消します…。
これからの話も、本番シーンはなく、キスしたり耳舐めたりねちっこく攻めたりするシーンのみとなります。 シリアス少なめギャグ多めで進めたいという気持ちが強いためです。
弥生くんは爽やか系かと思いきや肉食系でしたね!これからも色んなキャラを登場させるので何卒よろしくお願いします🫶
 次回:俺の眠い一日